年齢が一回り上と知った途端に敬語になったママ友…そんなに気になる?

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働く女性が増えた今、30代はもとより40代で出産する人も珍しくありません。でも、高齢出産を切り抜けた人には、その先にも“年齢の壁”を感じるケースがあるようです。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、「それまで4年間もタメ口だったママ友が、私の年齢が一回り上と知った途端に敬語を使うようになった」と嘆く女性の投稿が寄せられました。ママ友たちの間の年齢を巡るモヤモヤは、どう乗り越えたらいいのでしょうか。専門家に聞いてみました。

ママ友グループラインでも敬語

5歳の子どもがいるトピ主「みなみ」さんには、産院も子どもの幼稚園も同じで、親子で一緒に出掛ける仲良しのママ友がいます。親しくなってからずっとタメ口で話してきましたが、そのママ友は、「みなみ」さんの年齢が一回り上だと分かった途端、敬語に。ママ友同士のグループラインで外出の相談をする時などには、「行く? どうする?」と気楽に書き込んでいるのに、「みなみ」さんに向かってだけ、グループの全員が「いらっしゃいますか?」などと敬語を使うようになりました。

グループの居心地が悪くなってきたトピ主さんは、「距離を置かれたようで悲しくて……。みじめです。年齢って気になるものですか?」と発言小町で尋ねました。

一回り上は衝撃、戸惑いも

この投稿に約30件の反響がありました。

「年齢差が2、3歳程度ならともかく、一回り上となると、世代が違うという感覚に近く、タメ口はしづらくなると思います」と言うのは、「ゆきだるま」さん。「単純にビックリしたんだと思いますよ。年齢は気にしないけど、一回りはちょっと衝撃を受ける。自分も23歳のときに同じような経験があって、『なれなれしくしたなー』とか『失礼していないかなー』とかって内心思いましたから」と話すのは、「まー」さんです。ママ友たちが敬語を使うようになったからといって、悪気があるわけではないと指摘する人が目立ちます。

年齢関係なく接してほしいのに

トピ主さんと同じような経験をしたという書き込みもありました。「インコ」さんは、10歳下のママ友が「年上だから分からないだろうな的な感じで、聞いてもはぐらかされたり、適当に流されたり。タメ口・敬語というより、勝手に線引きされて話題に入れてくれない感じでした」と振り返ります。「私としては年齢関係なく接してほしかったんですけど。彼女とは割り切って離れました」と言い、数年後、子どもの習い事で再会した時には、あいさつを交わすだけにとどめたそうです。

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「こおりあずき」さんは「私も高齢出産ですが、子どもの幼稚園時代、わりと仲良くしていたつもりでも私がかなり年上と知ると、なんとなくフェードアウトし、同じ年代だけでグループ作ってるママさんもいましたよ」とコメント。「同年代でつるみたいタイプのママたちもいます。体育会系の部活経験者や規律に厳しい学校に行っていた人は結構、年齢の上下を気にする癖がついてますから、そういう育ちなのかも知れません。私も別に敬われるほどの者ではないので、同い年の子どものママとは年下でも年上でもフラットに付き合いたいものですが、まあ無理でしょうね。子どもが小学生になると、ママ友付き合いもぐっと薄くなります。トピ主さんも、『ママ友から友人になれればラッキー』ぐらいと、あまり落ち込まずに」とアドバイスします。

増える高齢出産、ママたちの“年齢の壁”は?

厚生労働省の「出生に関する統計の概況」(2010年度)によると、年齢が35~39歳の時に出産した女性が占める割合は、1970年には5%弱でしたが、2009年には20%に。「晩産化」が進み、年上ママたちによる育児も決して珍しくない時代になっています。こうした中で、“年齢の壁”を巡るモヤモヤした気持ちは、どうしたら乗り越えられるのでしょうか。心理カウンセラーの久木田みすづさんに聞きました。

久木田さんは「トピ主さんの場合、お友達との会話で、高齢出産であったことに4年間も触れないようにしてきたと書いていますね。年齢に対する受け止め方は人それぞれです。ご自身の年齢についてコンプレックスをもっていたと考えられますが、初めから周囲に隠さなければ、周囲の方ももっと自然に受け止めていたのかもしれません」と指摘します。

自分視点で相手との関係を考える

例えば、年上の相手に敬語で話すのは、心の壁を作るのが目的ではなく、相手の育ってきた文化や常識を尊重したいため、と考えることもできます。「無礼なことはできないと思って敬語を使うようにしているのなら、それを相手に修正させるのはかなり難しいことでしょう。相手の言動でモヤモヤした気持ちになった時は、あえて『自分の内面』に目を向けて、『私は』その友人とこれからも付き合いたいのか、『私は』どんな関係を築いていきたいのかと、自分を主語にして考えてみるといいですよ」と久木田さん。

カウンセリングでも、久木田さんは「みんなは私のことをこう思っているに違いない」と打ち明けられることがあるそうです。「そんな時には、『そのみんなって、だれのこと?』と問いかけてみます。具体的に数えていくと、100人も200人もの『みんな』がいるわけではありません。それに気づくことができたら、解決の糸口が見えます。世間体を気にしている自分や、きっとこう考えられてしまうと思い込んでいる自分、ストレスをためている自分から解放されれば、もっと楽に過ごすことができるのではないでしょうか」と久木田さんは強調します。

ママ友関係は、子どもの年齢とともに変わってくるといいます。せっかく出会った仲間なら、年齢で心の壁を作らずに、本当の友人関係に発展するといいですね。

(読売新聞メディア局編集部 永原香代子)

【紹介したトピ】
年齢を知った途端に敬語を使われました

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久木田みすづ(くきた・みすづ)

 精神保健福祉士・社会福祉士。福祉系大学で心理学を専攻。卒業後、カウンセリングセンターや精神科病院で、カウンセリングや相談支援業務などに取り組んできた。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。