指先なめてお札数える「ペロリスト」、コロナ禍に許されますか?

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写真はイメージです

お札や書類をめくる時、指先をペロッとなめる人がいます。新型コロナウイルス感染防止の徹底が呼びかけられている中で、不特定多数の人が触るものをなめる行為には、一段と厳しい視線が注がれているようです。読売新聞の掲示板「発言小町」にも、「ぺ禁(ぺろっと禁止)の提案」というタイトルの投稿が寄せられています。「指ペロ」をなくす法はあるのでしょうか。

「ペロッと」本人は無意識?

トピ主「rietta」さんは、指先をペロッとなめてから書類やお札をめくる義父の行為が常々気になっていました。仕事先でも、営業担当がペロッとなめながら説明した書類をそのまま手渡され、「かなり引いた」経験があります。「『ペロッと』の当人は、ほぼ無意識に、紙扱いのルーチンとして、している様子。コロナの飛沫ひまつ感染が懸念される今こそ世に提案したい。そこの中高年、『ペロッと』してますよ。不快だし、感染の危険も。長年にわたった黙認、我慢はもう終わりにしましょう」。トピ主さんは、発言小町にそう呼びかけました。

ATMでも職場でも

このトピには40件近い反響がありました。

「私も先日遭遇しました」と書き込んだのは、「わかめ」さん。スーパーに設置されたATMで、先にいた年配女性がマスクをあごまで下げ、ぺろっと指先をなめてから財布の中のお札を数え、同じ指でATMの画面にタッチ。それを3回繰り返していたそうです。「ご本人は完全に無意識な様子でした。ATMは店内に1台しかないため、私は直接その機械に触る気になれず、店員さんに事情を話してアルコールで拭いてもらいました」と振り返ります。

「もれ」さんの職場にもやはり、紙をめくる時に指なめをする営業マンがいました。不衛生に感じても、「もれ」さん自身はなかなか言い出せず、異動してきた先輩の女性社員が「それやめて」と言ってくれたそうです。「ホッとしました。でも、本人は『え? やってた?』てなもんでしたが」

身近な人には直接注意、注意喚起の貼り紙も

「78歳の母が時々やります」というのは「匿名」さん。コロナ以前から「いくらテーブルを除菌スプレーして拭いても、こまめに手洗いをしても、それ(指ペロ)をしたら、意味ないんだよ」と口うるさく注意していたそう。でも、当人は「分かってるけど、年寄りは指先が乾燥していて、めくれないのよ」と言うので、「匿名」さんが職場で使っている指サックなどを買ってきてあげようかと提案したところ、母親は「いや要らない。気をつけてなめないようにする」と返し、以来、そのしぐさを見せなくなったそうです。

近所のスーパーに、「なめた指でお札を触るのはご遠慮ください」という注意書きが貼ってあったという報告も複数の人からありました。注意書きを見た「しの」さんは「当たり前ですよね」と強調します。

指先に油分、水分が少なくなって起きる現象

発言小町では、指先が乾いてお札や書類をうまくめくれないのは、加齢によるものだと嘆く声がほとんど。そのうえ最近は、多くのスーパーで、サッカー台に常備してあったぬれ布巾やスポンジが撤収され、レジ袋を開けるのにも苦労するようです。

「レジ袋を開こうとカサカサカサカサやってますが、開かんのですよ! 私はクリームを用意して買い物して、サッカー台でまずはクリームを指に塗ってやりますけど」と打ち明けるのは、50代の「どんちゃん」さん。「やつがれ」さんは、近所のスーパーで、「レジ袋の開き方」という貼り紙を見つけたそうです。「レジ袋の両端、持ち手の根元あたりを持って左右に引っ張ると、レジ袋の内側に折りこまれた部分が、三角形にちょっと顔を出すので、それをつかんで広げてください、という内容でした。コロナ禍でぬれ布巾が撤去され、困っているお客様が指をなめることがないように、ということなのでしょうね」

「めくるグッズ」への注目集まる

リング型の指サック「メクリッコ キャッチ」をつけてみた。高い摩擦力で快適に紙をめくれる。左中央は、ボールを回せば水がつく「メクボール」。手前は、紙めくりクリーム「メクール」。

文具メーカーのプラス(本社・東京)によると、水に浮かべたボールを指先で回して適量の水を付ける抗菌仕様のグッズ「メクボール」は、今年1~6月の出荷個数が前年同期比で1.8倍に。問い合わせも前年同期の6倍に増えています。

同社の担当者は「『水ではなく、除菌用のアルコールを入れて使っても大丈夫ですか』と聞かれることもありますが、素材の劣化を招く恐れもあり、メーカーとしては推奨していないことをお伝えしています。当社では従来から、指サックや紙めくりクリームも販売していますが、特に最近は、オフィスで使った経験のある方が自宅用に購入するケースが増えているのか、ネット通販での販売が伸びています。指サックならば、高い摩擦力でよくめくれて指にフィットしやすい『メクリッコ キャッチ』がおすすめです。指先が覆われたタイプと、指先が出ていてパソコン作業も邪魔しないリング型タイプをそろえており、お好みで形状をお選びいただけます」と話します。

ウェブマガジン「毎日、文房具。」の副編集長で、文具プランナーの福島槙子さんは「他のメーカーにも、ペンにつけるタイプの紙めくり商品や、指に直接貼るテープなど、さまざまな商品があります。衛生的なことを気にする方としない方の温度差を埋めるには、便利な商品があるという情報を発信していくことが大切なのでしょう。ただ、文具売り場の面積は限られているので、なかなか見つけることが難しいのかもしれません。使った経験のある人が、身近な人にプレゼントしても良いと思います」と話します。

発言小町には、こんな経験談も寄せられています。職場の営業担当が“ペロッとさん”だったという「とーとー」さん。その人が出してきた伝票を処理するときは、伝票の端を触らないようにしていたものの、気になって仕方がありませんでした。ある日、勇気を出して、水を含ませたスポンジで指先を湿らすグッズを「使ってください」と手渡したところ、その営業担当から「あ、ごめんね、嫌だった?」と返され、その後「ペロッと」はなくなったそうです。

コロナ禍で衛生意識が高まる中、身近なところで自分の行為に嫌な思いをしている人がいないかどうか、常に意識しておきたいものです。

(読売新聞メディア局編集部 永原香代子)

【紹介したトピ】
ぺ禁(ぺろっと禁止)の提案

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