コロナ禍の生理不順、ストレスのせい?女性の不調が増えているワケ

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新型コロナウイルス感染拡大に起因する精神的ストレスや生活の変化などによって、体の不調を感じている人が少なくないようです。女性の中には、生理不順や生理痛の悪化に悩まされるケースが出ています。こういった不調はなぜ引き起こされるのでしょうか。専門家に聞きました。

最近ずっと生理不順…コロナのせい?

「食事もきちんと取ってトレーニングしてるのに、生理来ない」

「最近ずっと気分が落ち込んだり生理不順になったりしてる」

「コロナがはやって生理に異常をきたしてる人が多いってほんとかな? 私もいつもより量が少ない」

新型コロナの感染拡大が収まらない中、SNS上では、こういった生理の遅れや経血量にまつわる不安の声が上がっています。

都内にある芍薬しゃくやくレディースクリニック恵比寿にも、生理不順や生理痛の悪化を訴える女性が増えつつあるといいます。「テレワークが始まったのを機に、食生活や睡眠時間が崩れたケースも少なくありません」。同クリニックの疋田裕美院長は、そう話します。

例えば、在宅勤務のある女性は、会社に出勤していた頃は、正午の昼休みになると同僚と誘い合ってランチに繰り出していましたが、テレワークで「仕事」と「休憩」の時間の区切りがつきにくくなってしまいました。休憩をとらないまま気づけば午後3時……。そんな日が続き、昼食を満足にとらなくなった結果、体重が減り、生理が遅れるようになってしまったそうです。

また、別の女性は、コロナ禍以降、勤務先で特別休暇などを取得して仕事を休む社員が増え、その分、抱える仕事が増えたといいます。深夜まで働く日が続き、この女性は体調不良をきたしてしまいました。

ストレスが生理周期の乱れに影響するワケ

生理周期の乱れは、2種類の女性ホルモンの分泌バランスが崩れることで起こりますが、それにはストレスが大きく影響しています。卵巣を刺激する脳の「視床下部」は、ストレスを感じる「扁桃体(へんとうたい)」と隣り合っているからです。睡眠不足や急激な体重の増減、激しい運動――など、ストレスを引き起こす原因はさまざま。季節や環境などの変化も、体に負荷がかかります。

「梅雨が明けて急に暑くなった上に、コロナ禍で生活スタイルが変わったり、先の見えない状況に不安を感じたり。今は心身のストレスが多く、生理トラブルが起きやすい状況といえます」と疋田院長。「ウィズコロナ時代と言われ、働き方が変わるのは仕方のないことでしょう。だからこそ、基本の生活習慣を維持することで、変化によるストレス因子を減らすことが大切です」と強調します。

変化の多い時こそ、変わらない生活習慣を維持

生活習慣を整えるにあたって、心がけてほしい四つのポイントを挙げました。

〈1〉 バランスのとれた食生活
ストレス軽減のためには、3食しっかり食べること。無理なダイエットや食事制限は、体にとってストレスになります。ホルモンバランスを整えるには、食材が偏らないようにし、必要な栄養素をバランス良く摂取することが大切です。

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今夏は、マスクを着用しているせいか、「生理前でもなく、コロナは陰性なのに、なぜかずっと熱っぽい」という女性の受診も多いそうです。そういった時には、食事の際に、糖分が多く含まれる物や揚げ物、アルコールなどを控え、体温を下げる働きがある夏野菜を多めに食べるましょう。体にこもった熱が抑えられると、寝つきも良くなります。

〈2〉 軽い運動
感染の不安から、屋外での運動を控えている人もいるのでは。ラジオ体操や、就寝前のストレッチは、場所をとらず、物音があまりたたないため、マンション住まいの人にもおすすめです。テレワークをしている時、背筋を伸ばすよう意識してパソコンに向かうだけでも、筋肉は使われます。

〈3〉 質の良い睡眠
健康に大きな影響を与える睡眠。不足すると、自律神経の乱れにつながります。寝る前にスマホやテレビを見るのをやめ、日をまたぐ前に就寝することで、質の良い睡眠をとれるよう心がけましょう。

〈4〉 情報と距離をとる
マスコミやSNSで連日、新型コロナに関する様々な情報が流れています。「情報を取捨選択できている時は問題ありません。『情報に振り回されているな』と感じたら、スマホから離れて、あえて情報を見ない日を設けてみては」と疋田院長。あふれ返る情報から距離をとることで、不安を和らげましょう。

心配しすぎもストレスに

「ただの生理不順」と軽んじると、病気の発見の遅れを招く一方、心配しすぎは心のストレスにつながります。生理周期は平均28日ですが、25~40日程度のズレであれば心配ないとのこと。ただし、不調が続く場合には、重篤な病気の初期症状の可能性があります。2か月以上生理が来ない時には、婦人科を受診しましょう。

疋田院長は「生理の不調は、体のSOSです。テレワークで時間の融通が利き、病院に行きやすくなった人もいると思います。これを機に、自分の体と向き合ってみてください」と呼びかけています。

(取材/メディア局編集部 安藤光里)

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