テニス・ジョコビッチら世界のアスリート、色彩と躍動感あふれる写真

美しきアスリートたち(中)

柔道で寝技を決める選手。グランドスラム大阪で(2019年11月24日撮影)

東京五輪は延期になりましたが、スポーツの魅力やすばらしさは変わりません。読売新聞のカメラマンたちは、競技に全身全霊を傾けてきた選手たちの姿を追いかけてきました。この1年間に撮影した写真から、美しきアスリートたちの姿を紹介します。

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竹田津敦史カメラマンが紹介するのは、色彩と躍動感にあふれたスポーツ写真です。2019年の柔道・グランドスラム大阪での一枚は、技をかける選手たちをスローシャッターで押さえ、レンズを上下に動かして撮影しました。それで、会場の赤い色が画面全体に広がって見えるのです。

すり足で一進一退を繰り返す選手。柔道・世界選手権東京大会(2019年8月27日、東京)
素早く立ち位置を変える選手。フェンシング・高円宮杯ワールドカップ(2019年12月15日、千葉)

同じスローシャッターでも、レンズを動かさずに選手の動きが残像となるような撮影方法も試みています。フェンシングの写真は、シャッターを2.5秒開放しています。フェンシング独特の素早く躍動的な動きが感じられます。

「撮影では常にチャレンジをしています。ただ、独りよがりにならないよう、実験的に撮影しては、同僚カメラマンと意見を交わしています」

レシーブするジョコビッチ選手。テニス・楽天ジャパンオープン(2019年10月1日、東京)

また、「屋外での撮影では、光のコントラストを利用します」と竹田津さん。デジタルカメラで日なたに露出をあわせると、日陰が真っ黒になります。ノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)のレシーブシーンでは、光と影の絶妙な場所でのレシーブをうまくとらえ、選手の表情がくっきり出て臨場感のある写真になりました。

サーブを放つナダル選手。テニス・ウィンブルドン選手権(2019年7月4日、英ウインブルドン)

ラファエル・ナダル選手(スペイン)の写真は、ちょうど腕で口元が隠れています。「実はそうなることを狙って撮影していました。口元が隠れると目力が強調されるんです」

竹田津さんは、スポーツ写真の醍醐味だいごみについて、こう語ります。「狙いが3割、偶然が7割。狙いがあるからこそ、偶然を利用できるわけですが、偶然の産物だからこそ、かけがえのない一枚になるのです」

スポーツの面白さ、すばらしさは勝敗だけではありません。「美しく、力強い一瞬一瞬をもっと多くの人に見てもらいたい」と竹田津さんは話します。

(写真=読売新聞写真部・竹田津敦史)

読売新聞オンラインの「THE MOMENT」というコーナーでは、スポーツ写真を特集しています。