たった4つでコロナ禍のおうちご飯がおしゃれになる器選びの法則

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食器の選び方を教えてくれた江口恵子さん

新型コロナウイルス感染防止のための外出自粛がきっかけで、料理を楽しむようになった人も多いのではないでしょうか。せっかくなら、料理を一番おいしく見える状態で食卓に並べたいもの。盛りつけやすく、使い勝手のよい食器の選び方について、フード&インテリアスタイリストの江口恵子さんに聞きました。

コロナ禍の「自分へのごほうび」、どんな器を選ぶ?

江口さんは、フード&インテリアスタイリストとして活躍するかたわら、都内で料理教室を開いています。レッスンに訪れる生徒の中には、コロナ禍の中で「頑張っている自分へのごほうび」として、食器を買う人もいます。ただ、はっきりしたかわいらしい北欧デザインや、シンプルで温かみのある美濃焼、スタイリッシュな洋食器など、個性豊かな器ばかりで、どうやってそろえていくのが良いのか、相談されることもあると言います。

「初めて器を選ぶときは迷うでしょうね。私自身も仕事柄、いろいろな器を使ってきましたが、結局、いつも自然と手にとる器って、だいたい同じものになります。だから、ふだん使いができるものが一番。一人暮らしなら、4種類くらいで十分と割り切って、選んでみるといいと思います」と、江口さんは話します。

選ぶ際に、気をつけたい5つのポイントとは――。

スープなども、ダークカラーの器に盛るとおしゃれな一品に(江口さん提供)

〈1〉 柄のないモノトーンカラーに質感重視で
なるべく柄のないモノトーンカラーのものを選びましょう。黒や焦げ茶、藍色といったダークカラーの器がオススメです。中華やエスニック料理、デザートなど、どんな料理にも合わせやすい上、料理の高級感も演出します。つやがなく、マットな質感のものは、和食とも好相性。どこの家庭にもあるカフェ風の白いプレートは、無難ですが、洋食以外の料理には合わせづらいもの。選ぶなら、粉引のようにぽってりとした厚みがあり、クリーム色に近いタイプのものを。

〈2〉 使い回しができるサイズを選ぶ
主菜の盛りつけには、プレートと中鉢、大鉢があれば十分です。はん用性のあるサイズを知っておきましょう。

■プレート(写真の下段中央)
直径25センチ、深さ1センチほど。最初の一枚には、なるべくフラットすぎないものを選びましょう。

■中鉢(写真の右下)
直径15センチ、深さ5センチほど。一人分の丼として使うこともできるそう。家族がいれば、人数分そろえておくと鍋ものやパスタの取り皿としても活躍します。

■大鉢(写真の左下)
直径20~24センチ、深さ3~7センチほど。これより深すぎると側面の傾斜が急になるため、ボリュームのある料理を盛りつけづらくなってしまうそう。煮物やパスタ、カレーなども入れることができます。

〈3〉 リム幅が少ないタイプを選ぶ

左がリム幅の広いプレート、右はリム幅の狭いプレート

リムとは、器の縁の部分のことです。洋食器には、リムの幅が広く、メインディッシュを華やかで上品に見せてくれるものが多いですが、盛りつける部分が狭いのが難点です。ふだん使いの器を求めるなら、最初は、リム幅がないものか、あっても1、2センチのものがいいでしょう。

〈4〉 色柄を楽しみたいときの考え方
和食器には、絵柄のあるタイプも多くあります。白磁に藍色の柄もののほうが、洋食器と組み合わせても統一感が生まれるのでオススメです。豆皿は、銘々皿として取り分け用に使う場合もあります。プレートや大鉢にシンプルなデザインのものを選んでおくと、組み合わせる豆皿の色で遊ぶことができます。

〈5〉 基本は丸かだ円、手になじむ形のものを
メインの大皿を買うなら、まずは丸かだ円を。だ円は、幅が細すぎると盛りつけの仕方が限られてしまうため、カーブがゆるやかなものを選びましょう。角形の大皿は、ホームパーティーなどのおもてなしの一枚に向いています。

赤線で囲まれているのが「糸尻」

ごはん茶わんを選ぶとき、おススメなのが底にある「糸尻」がないもの。「カフェオレボウル」を代用すると、手になじみやすく、フリーカップとして使い回しもできます。スープやヨーグルトを入れることもできます。

料理をおいしく盛りつける鉄則とは

料理をおいしく見せるためには、盛りつけ方も大切。▽控えめに盛ることで、皿に余白を残す▽料理(特に和食)を高く盛りつけて立体感を出す――この二つを守るだけで、見栄えが良くなるといいます。

「なんとなく料理を作って、サイズ感の合った皿を手に取っていると思いますが、まずは料理の完成形をイメージしてみてください。『今日は、この皿にこんなふうに盛りつけよう』と決めて料理に取りかかると、素材の切り方や盛りつけ方法も変わってきます」と江口さん。「最初はイメージしづらいと思うので、レシピブックなどから盛りつけの手本を見つけ、それを再現することから始めてほしい」とアドバイスします。

さらに、「食器は、欠けたり割れたりしない限り、捨てづらいとは思いますが、一度自分の持っているものを見直して、潔く手放してはいかがでしょうか。心地よく暮らすためにも、気に入ったものだけに囲まれて過ごすのもいいですよ」と話します。

新型コロナ感染者の増加で、まだまだ自由に外出しづらい毎日が続きそうですが、おうち時間を利用して、ワンランク上の料理を目指してみるのも楽しそうですね。料理をおいしく見せる皿に気を配ることで、食事の時間がもっと豊かになるかもしれません。

(取材/読売新聞メディア局 安藤光里)

江口恵子(えぐち・けいこ)
フード&インテリアスタイリスト

女性雑誌や広告のレシピ提案、スタイリングなどで活躍。ケータリング、カフェ&デリ「ORIDO.」を経営するほか、料理教室の運営を柱とした“ナチュラルフードクッキング”を主宰。著書に『普段使いの器は5つでじゅうぶん。』(G.B.)、『作って伝える郷土ほっこりおやつ』(赤ちゃんとママ社)など。