喪中に息子が反対を押し切って結婚…悪い女性につかまった?

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結婚のスケジュールを決めてから、身内が亡くなってしまうケースがあります。「喪中なのに結婚や披露宴をしてもいいのだろうか」と気になるでしょう。「非常識だ」と反対する親族もいるかもしれません。読売新聞の掲示板「発言小町」には、夫を亡くした女性から、「まだ喪中なのに息子が反対を押し切って入籍した」という投稿が寄せられました。喪中の結婚はどう考えたらいいのでしょうか。専門家に聞いてみました。

息子から何度も「死ね!」

発言小町に投稿したトピ主の「しの」さんは、20年近く連れ添った夫を1年半前に亡くしました。当時25歳の息子は、前夫の子ですが、亡くなった夫に6歳のときから育ててもらっていました。その息子が夫の死後2週間で、数か月前から同棲している女性と結婚したいと言い出しました。

「しの」さんは、思わず「妊娠したの?」と聞きましたが、結婚を急ぐ理由は、そうではなく、結婚相手の女性を扶養に入れることで国民健康保険や国民年金の保険料を軽減したいという説明でした。「そんなことなら、喪が明けるまで待てばよいのでは」と反対したところ、息子は「しの」さんに何度も「死ね!」とののしる始末。結局、夫の死去3か月で息子は婚姻届を出し、今も絶縁状態が続いているそうです。

「しの」さんは、「育て方が悪かったのだと思うしかない。でもやりきれません。気の持ちようを教えて下さい」と尋ねました。

写真はイメージです

このトピに対し、200件を超える意見が寄せられました。

「トピ主さんの考えは間違っていないと思います」とつづったのは、「ふみふみ」さん。「結婚自体に反対していたわけではなく、ただ少し時期が早すぎるのではという気持ちは、きちんと本人に伝わっていたのですかね」と疑問を投げかけます。そして、「息子さん夫婦は色々と非常識なように感じますので、今後苦労するのはお二人です。もう二人はいないものと思い、無駄に気をわずらわせず、ご自身を大切にしてほしいなと感じます」と励まします。

「まや」さんも、「私がトピ主さんなら同じように『もう少し待って』と伝えたと思います」と書き込みました。「自分を育ててくれた父親が亡くなり、母親は毎日人生で一番寂しく辛い状況の中で生きている。まだ死を受け入れられずに、色の無いグレーの毎日をなんとか生き延びている状況かもしれません。自分が親なら、何でこんな子に育ったのだろうと情けなくなります」と「しの」さんの心情を思いやります。

「じゃあ、いつまで待てば良いのか」

一方、「喪中」に対する考え方を疑問視する意見も多数寄せられました。

「『せめて半年、一年は……』というのは、それは〈トピ主さんのご主人への思い〉であって、四十九日経過しているなら、(息子さんは)もう何やっても良いんじゃないですかね?」と書いたのは「ハチ」さん。

「むいむい」さんも、「結婚したのは、結局3か月後ですよね。数か月待ったではありませんか」と指摘します。さらに、「息子さんとしては、闘病中の養父と看病している母親を気遣い、さすがに結婚の相談は出来なかったけど、彼女を同棲状態で待たせているのも心苦しく、生活も苦しかったのかと。四十九日にこれでもう良いかと思ったら、まだ何やかやと言われた。じゃあ、いつまで待てば良いのかと」と推察します

喪中は「一周忌まで」?

冠婚葬祭に詳しい現代礼法研究所代表の岩下宣子さんに聞きました。

喪中というと、「一周忌まで」と考える人が多いのですが、故人との関係別に喪中・忌中の期間を定めた1874年(明治7年)に制定された服忌令(ぶっきりょう)をもとにした考え方を参考にする人もいます。

この服忌令によると、服喪期間は両親と夫が13か月で最も長く、祖父母の場合は父方で150日、母方で90日、妻・兄弟姉妹は90日。今回のケースのように、亡くなった方が継父の場合は、30日となっています。

ただ、この法令は1947年(昭和22年)に廃止されているので、あくまで参考程度に考えるべきでしょう。

喪中に避けるべき行動

喪中は、華やかな振る舞い、行動を避けるべきとされています。具体的には、結婚式、披露宴、竣工式、記念式典などの開催、出席、年始のあいさつ、神社への参拝などを遠慮します。

服喪期間の中でも、近親者が亡くなった直後で、外出を控え、祈りを捧げる期間を「忌中」と言います。四十九日法要をもって「忌明け」とする考え方が一般的です。

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喪中でも婚姻届の提出は構わない

喪中の結婚については、次のようなケースは延期を考えたほうが良いかもしれません。
〈1〉 本人の悲しみが深く、結婚式当日まで気持ちが癒やされない場合
〈2〉 周囲が「喪中の結婚は縁起でもない」と反対する場合
ただし、故人が生前に日取りの変更を望まない意思を示していた場合などは、延期しないほうが良いとされています。

また、結婚式は、神様や人々の前で結婚を宣誓する式典、披露宴はお祝いの宴席ですので、「喪中もしくは忌中なので望ましくない」とする考え方もあります。しかし、婚姻届を役所に提出するいわゆる「入籍」については、法律上の手続きと割り切れば、喪中でも構わないという人もいます。

岩下さんは「遺族の中には『大切な人を亡くし、悲しくて、一生喪に服したい』ということもあるでしょう。喪中の期間や考え方については、それぞれの事情を話し合い、相手の気持ちをくむことが大切です」とアドバイスします。

身近な人の死は、決められた期間で癒やされるものではないでしょう。服喪期間に決まりはなく、あくまで目安です。残された家族の思いを大切にしながら、新しい関係をつむいでいくしかないのかもしれません。

(読売新聞メディア局編集部 鈴木幸大)

【紹介したトピ】
喪中なのに息子が結婚

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