触れてほしくない…夫婦で「スキンシップ」に温度差、解決法は?

News&Column

写真はイメージです

「夫婦なんだから、当たり前」と思っていることが、時として、相手にとっては受け入れ難いことがあるようです。読売新聞の掲示板サイトには、夫婦間のスキンシップについて、「ボディータッチが苦手」「拒むと相手はすねてしまい、面倒くさい」などと、相手と温度差があることに悩む投稿が寄せられています。どうやったら悩みを乗り越えられるのでしょうか。専門家に聞いてみました。

あいさつのキスはするけれど…

「妻とのスキンシップが嫌だ。やめてほしい。」のタイトルで投稿したのは、妻との関係に悩むトピ主「なおき」さん。妻とは現在、仕方なく「行ってきます」のキスはしているトピ主さんですが、元々、友人同士でも肩を組むなどの身体的接触が苦手なタイプ。日常生活の中で、妻から不意にボディータッチをされることに違和感を覚えるそうです。

その都度、「やめてほしい」と伝えていますが、妻は「夫婦なんだから、良いじゃない」「やめてとか言う方がおかしい」と取り合いません。そこで、「触れられることが嫌でも、夫婦だったら我慢しなければいけないのでしょうか? 私にとっては、他人に無理やり触れられるのと同じように感じます。みなさん、どう思いますか」と発言小町に問いかけました。

この投稿に、150通近い反響がありました。

夫に批判の声、一方で「妻による家庭内DVでは?」の意見も

写真はイメージです

「他人と妻は違うでしょう?」「(妻を)生理的に嫌ってことですよね。それってひどいな」「奥様がかわいそう。離婚しかありませんよ」などと、トピ主さんを批判する意見が目立ちます。しかし、その一方で、「嫌だと意思表示しているのにやめないのはDVです」「セクハラは夫婦間でも成立します」といったように、トピ主さんを擁護する意見も寄せられました。

「トピ主さんの言っていること、私は分かります。ただ一つ違うのは、私は女性で、ホルモンバランスによって無性に触られたくない、ハグもされたくない時期があることです」と書いたのは、「イヤで何が悪い?」さん。夫に「今は嫌だ」と言っても理解されず、一方的にスキンシップを強要されることがあるといいます。拒むと夫は、子供のように駄々をこねるそう。「(私は)『人が嫌がることはしない』と育つ中で教わりました。なのに、それが『夫婦間のスキンシップ』となるとなぜ形が変わるのか分かりません」と、「イヤで何が悪い?」さんはつづっています。

唐突なスキンシップは苦手、でも愛情はある

「私の夫もトピ主さんと似たタイプ」という人もいました。「研究者の妻」さんは「(夫は)私からの唐突なスキンシップや声かけは好みません。突然、襟に手を伸ばして直されるのも嫌、乱れた髪を整えられるのも嫌、考えごとをしているときに声をかけられるのも迷惑。皮膚感覚とか聴覚とか嗅覚とかがすごく敏感で神経質。結婚当初は戸惑いましたけど、もう30年も連れ添ってきました。スキンシップがなくても、夫は十分に好意を伝えてくれますし、大事にしてもらっていると感じています」と振り返ります。

二人の問題として話し合いを

夫婦間のスキンシップでの悩みに、何か処方箋はあるのでしょうか。「ラブライフアドバイザー」の肩書で、多くの女性やカップルの相談に乗っているOliviAさんに聞きました。OliviAさんは、今年5月に「セックスが本当に気持ち良くなるLOVEもみ」(日本文芸社)を出版。人生をより豊かにするスキンシップ・コミュニケーションを提唱しています。

「まず知っていただきたいのは、夫婦といえども、スキンシップへの価値観は人それぞれ違うということです。『夫婦だから当たり前』といった思考だと、そこから認知のゆがみが生じます。自分の考えを相手に押し付けて、無理強いするなど、夫婦関係を悪化させてしまいます。どんなスキンシップなら互いに快適なのか、関係を維持できるのか、二人の問題として話し合うことから始めてほしいです」とOliviAさん。

親密さの12段階、互いにどこまでが心地良いか

写真はイメージです

スキンシップの例を、OliviAさんは著書「LOVEもみ」の中で、親密さの度合いで12段階に分けて示しています。

第1段階の「目をカラダに」は、「相手のしぐさや表情をよく見て、小さな変化にも気づけるように」。第2段階の「目を目に」は、「携帯やパソコン、テレビから目を離し、相手の目を見つめ、にっこり微笑みましょう」。第3段階の「声を声に」は、「おはようやおやすみの挨拶を大切にして、1日の出来事を話す時間をもちましょう」……と続きます。

「さらに、『手を手に』『腕を肩に』など段階を追うごとに親密さは高まっていき、第12段階を性交としています。どの段階が好ましいと思うのか、安心してくつろぐことができるのか、お互いに考え方を合わせていくことが大切です。『この段階のほうがワクワクする』『挑戦してみたい』などと、互いの求めるスキンシップについて、具体的に話し合っていきましょう」と強調します。

膝まくら・ヘッドマッサージなども

写真はイメージです

セックスレスやスキンシップレスなどの相談をしてきた女性たちに、OliviAさんがおススメするのは、日常生活の中でのマッサージです。相手がリラックスできる一日の終わりなどに、「マッサージするよ」と声をかけてみます。準備段階として、相手に触れる前に、自分の手を温めておくことや、相手の肌に触れるとき、離すときには、とりわけ慎重に優しく、ごく軽いタッチで呼吸を合わせていくと良いそうです。

「触れるときは、相手への愛と尊重する気持ちを思い起こしてください。そうするだけで、触り方は変わっていきます。ほかにも、膝まくらやヘッドマッサージなど、いろいろ試してほしいものはありますが、無理をせずに、できることから少しずつ積み重ねて、互いの愛情を確認していってほしいです」とOliviAさんは強調します。

もちろん、触れられたくないと言って拒否する相手に無理強いは禁物です。トピ主さんと同じように、ボディータッチに違和感を覚える人はどうしたらいいのでしょうか。「相手に対し、穏やかに断ることも大切です。できれば時期と見通しを示して、『今はこういう状態だからやめてほしい』と。ただ、もし3回連続で同じ言い方で断られたら、相手にとっては拒絶も同じ。二人の関係をあきらめてしまうことにもつながるので、ある程度、見通しは示してほしいですね」とOliviAさん。

夫婦と言えども、元は他人。気持ちの温度差を埋めるのは、相当努力が必要なのかもしれません。悩みを乗り越え、より豊かな夫婦のコミュニケーションが生まれるといいですね。

(読売新聞メディア局編集部 永原香代子)

【紹介したトピ】
妻とのスキンシップが嫌だ。やめてほしい。

【紹介した本】

【あわせて読みたい】
ヨーロッパにはいない!?セックスレスの夫婦
仲良し夫婦でもセックスレス…解消のためにすべきこと
乱暴な言葉遣い、つり上がった目 僕の知らない妻がそこにいた

オリビア
OliviA(オリビア)
ラブライフアドバイザー

 1980年生まれ。アロマセラピスト。2007年より性に関する総合アドバイザーとして活動開始。講演やテレビ・ラジオ出演、書籍出版、スクール運営など、多方面で「女性が幸せになるためのセックス」の情報を発信している。ホームページはこちら