夏バテ予防に! 「飲む点滴」ひんやり甘酒の効能

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今年の夏は全国的に猛暑と予想されています。厳しい暑さが続くと、食欲不振や体調不良になりがちですが、そんな季節にこそ飲んでみたいのが、米麹(こうじ)で作った甘酒です。「飲む点滴」といわれるほど、栄養が豊富な発酵食品。寒い日に温かい甘酒を飲むイメージもありますが、本来は夏の飲み物で、俳句の世界では、甘酒は夏の季語とされています。「夏の甘酒」について、甘酒に関する情報サイトを運営する「甘酒探求家」の藤井寛さんに話を聞きました。

栄養価が高く、健康や美容にも良い発酵食品

藤井さんによると、甘酒は「米麹甘酒」と「酒粕(さけかす)甘酒」の2種類に分けられます。「米麹甘酒」にはアルコールが含まれていないのに対し、「酒粕甘酒」には微量ながらアルコールが含まれています。この違いは、甘酒が日本酒の醸造過程で作られることによります。

「麹カビの酵素で米のでんぷんが糖化され、その糖を食べた酵母がアルコール発酵して日本酒になります。でんぷんが糖化した時にできる甘い液体が米麹甘酒です。これに対し、日本酒のもろみを圧搾した後に残った酒粕で作るのが酒粕甘酒です。米麹も酒粕も発酵食品なので、たんぱく質やビタミン類、必須アミノ酸、葉酸など、さまざまな栄養素が含まれ、美容や健康に良いといわれています」と藤井さんは解説します。

写真はイメージです

米が原料の甘酒が美容や健康に良いのは、特にビタミンB群の働きによるといいます。「ビタミンB群は、炭水化物やたんぱく質、脂質を細胞内でエネルギーに変換するので、ダイエットに効果があり、アミノ酸代謝にも大きく作用します。また、甘酒は麹菌によって分解されているので、食べた時に消化する必要がなく、腸管から吸収されやすいというメリットがあります。「飲む点滴」といわれるのは、栄養価が高いだけでなく、効率よく吸収できるので、胃腸にやさしく、体への負担が少ないからでしょう」

また、甘酒に含まれるコウジ酸は、しみなどの原因となるメラニンの生成を抑える効果もあり、ビタミンB群の一種であるビオチンは、コラーゲン生成を助けてくれるそうです。

夏に食べたい ひんやり甘酒のスイーツ

米麹甘酒と酒粕甘酒は、糖分にも違いがあります。酒粕は糖分がなく固形なので、甘酒にする場合、お湯で溶かして砂糖を加えます。自然の甘みがある米麹の甘酒の方が飲みやすく、カロリーも低めです。また、ノンアルコールなので、お酒が苦手な人や子供には、米麹の甘酒が適しています。

ブドウ糖やオリゴ糖が含まれる米麹甘酒は、砂糖の代わりの発酵甘味料としてスイーツにも使えます。

「スイーツには、糖度の高い甘酒をオススメします。希釈した甘酒も売られていますが、甘みが足りないかもしれません」と藤井さんはアドバイスします。甘酒の糖度は炭水化物量が目安で、甘酒100ミリリットルのうち炭水化物が32グラム以上だと「濃い甘酒」になります。

甘酒で作ったひんやり冷たいスイーツは、熱中症や夏バテを防止する効果も期待できそう。発酵食品メーカー・マルコメ(本社・長野市)が考案した、米麹甘酒を使ったスイーツレシピを紹介します。

<甘酒のひんやりスイーツ>

トロピカル米麹甘酒スムージーボウル

【材料】
・市販の米麹甘酒(希釈していないもの)…100ml
・冷凍マンゴー…150g
・パイナップル…150g
・バナナ…1/2本
・氷水…200ml
・飾り用(ライム、ミント、冷凍マンゴー)…各適量

【作り方】
(1)バナナの皮をむいて4等分にし、冷凍しておく。
(2)フードプロセッサー(またはミキサー)に、(1)、冷凍マンゴー、パイナップル、米麹甘酒、氷水を入れて滑らかになるまで攪拌(かくはん)する。
(3)ボウルに入れて、輪切りのライム、ミント、冷凍マンゴーを飾る。

米麹甘酒のクラッシュコーヒーゼリードリンク

【材料】
・市販の米麹甘酒(希釈していないもの)…125ml
・アイスコーヒー(無糖)…100ml
・粉ゼラチン…小さじ1
・水…小さじ1

【作り方】
(1)小さめの耐熱容器に水を入れ、粉ゼラチンを加え、ふやかしておく。
(2)米麹甘酒は冷やしておく。アイスコーヒーはグラスに入れる。
(3)電子レンジを500Wに設定し、(1)を15秒間、加熱して溶かし、(2)のアイスコーヒーに加えながら混ぜ合わせる。
(4)(3)のグラスを冷蔵庫で2~3時間冷やし、固める。
(5)(4)に(2)の米麹甘酒を加え、スプーンやストローなどでゼリーを崩しながらいただく。

米麹甘酒ヨーグルトバーク

【材料】
・市販の米麹甘酒(希釈していないもの)…80ml
・プレーンヨーグルト…200g
・ラズベリー…15粒
・キウイ…1/2個
・オレンジ…1/2個
・ブルーベリー…15粒

【作り方】
(1)ヨーグルトは半量になるぐらい、しっかりと2時間水切りをする。
(2)ラズベリーは半分に切る。キウイは皮をむいて輪切り、オレンジは房に切る。
(3)米麹甘酒を(1)と混ぜ合わせ、バットに流し入れる。フルーツを全体に彩りよく飾り、冷凍庫で3時間しっかり冷やし、固める。
※バットは22×15.5×高さ5センチのものを使用

レシピ提供:マルコメ

藤井寛(ふじい・ひろし)
甘酒探求家(甘酒ソムリエ)

 1985年、東京都新宿区生まれ。祖父の漬けた漬物や手作りのみそ、母親が作っていた甘酒など、幼いころから発酵食品に親しみのある環境に育つ。その後、発酵食品を作る微生物に興味を持ち、東京農業大学応用生物科学部醸造科学科に進学。2013年に同大学大学院を修業後は食品関連の研究職を経て、現在は、甘酒探求家として全国の市販甘酒をレビューするほか、至高の甘酒づくりにも奮闘中。20年2月に甘酒の固造りを応用して作った発酵あんこのレシピ本『発酵あんこのおやつ』(WAVE出版)を出版。

あまざけ.com

『発酵あんこのおやつ』

WAVE出版/1650円・税込み