「すみません」「でも……」自信なさげな口癖を直すには

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会話の中で本人も意識しないままに使ってしまう口癖。とくに、「すみません」「でも……」などは、自信がないような印象を相手に与え、軽く見られてしまうことも。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、自分の口癖を直したいという30代の女性から投稿が寄せられています。口癖はどうしたら直すことができるのでしょうか。また、直すことで、どんな効果が得られるのでしょうか。

軽く見られる・都合よく扱われる

しんの強い女性になりたい」のタイトルで「発言小町」に投稿したのは、トピ主「ミカン」さん。もともと内向的で人付き合いが苦手。子供の頃から母親を怒らせないよう顔色をうかがってきたため、「いつもオドオドしています。『すみません』が口癖です。そのせいか(他人の)イライラのはけ口にされる、都合良く使われるなどの経験ばかりしてきました」とつづっています。

そして、「すごく悲しいのが、私には人を人と思わないような対応をする人が、他の人には優しい態度を取ることです。間近で見ると悲しくなります。いくら仕事で成果を出しても変わりません。一番のコンプレックスの『すみません』の口癖を直したいです。どうすれば一本の強い芯が通った女性になれますか?」と問いかけました。

同じことに悩んでいた

この投稿に対し、様々なアドバイスが寄せられました。

「(私も)同じことで悩んでいた。自分に対してだけ向けてくる態度があるんだよね。理不尽だよね本当に。でもそれを言っても仕方ないから“よろい”を身に着けよう。 自分に自信が持てる、髪形・メイク・服装・持ち物を見つけて身に着けるだけで気持ちは変わるよ」と書き込んだのは、「チョコバナナ」さん。

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「ミカコ」さんからは「(口癖を言ってしまう前に)一度のみ込み一呼吸おくことからスタートしてみたら」というアドバイスがありました。職場の新人研修で、話し始めに必ず「えっと」を付けてしまう研修生にそうアドバイスしたところ、やがてこの研修生はスムーズに会話ができるようになったそうです。

代わりの言葉を選んで使う

「『すみません』は便利な言葉です。あらゆる状況に対応できます。ということは、そう、思考停止していても使える手抜きの言葉です」と言うのは、「ひろ」さん。状況に応じて、「すみません」に代わる言葉を選んで使うことを勧めます。「謝るときは、プライベートなら『ごめんなさい』、仕事なら『申し訳ありません』。お礼を言うときは『ありがとうございます』。なにかもらったときなら『うれしいです』と付けるとナイス。なにか頼んだときは『お願いします』。何か話しかけて反応が薄かったら、『あー、ご都合が悪いですか。じゃあまた後で』。以上の全部を『すみません』でやっていませんか」と指摘しました。

トピ主さんについて、「自身の長所に気付けていないのでは」と推察するのは「パピ粉」さんです。「なにより仕事を続けられていること。人の気持ちがわかること。他にもたくさんあると思います。まず、それを書き出してください。とても難しい作業です。いかに人間は自分の欠点ばかりに目が向くかがわかると思います。一度でいいからご自分の意見を通す勇気を持って下さい。へこたれても気を取り直し、思っていることを口にできる場を少しずつ増やして下さい」とトピ主さんを励ましています。

前置きで「でも……」というケースも

このほか発言小町には、同じく30代女性の「けー」さんから、「口癖で、会話の返しの際に『あー、でも……』と言って話し始めてしまうことがあります。この口癖を直す方法について、アドバイスをいただけないでしょうか」と尋ねる投稿も寄せられています。相手に対して否定的なことを言うわけではないのに、前置きとして「あー、でも」が入ってしまうといい、「結論をズバッと言うのが苦手な深層心理が、なんらかの前置きの言葉を必要としているのか?」と自己分析しています。

ドイツの臨床心理士、クラウス・ベルンハルトさんの著書「敏感すぎるあなたへ 緊張、不安、パニックは自分で断ち切れる」(CCCメディアハウス)の翻訳者・平野卿子さんに、どうすればネガティブな口癖を直せるのか、話を聞きました。

15年ほど前に脳科学に出会い、これまで様々な文献を読んできたという平野さんは「1990年代半ばまで、脳は成人したら発達しないものとされてきましたが、今ではずっと発達し続けることがわかっています。つまり、わたしたちはいくつになっても変わることができるのです。絶えずネガティブなことを考えていると、脳にネガティブな回路が増え、ついネガティブな言葉を口にしてしまいます。逆に、意識的にポジティブな回路を作っていけば、『こうありたい』と思う自分に近づけることになります」と話します。

否定語を含まない言葉を書いてみる

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「敏感すぎるあなたへ」で紹介されている「ポジティブな脳の回路を作る方法」の一つは、「こうなりたい」という気持ちを紙に書いて心の中で繰り返すことです。10個の文章を書く「テンセンテンス法」などです。その際、特に大切なのは、文章にネガティブな言葉を含めないことと、すでに実現できているとイメージすること。例えば、「私はもう不安を感じたくない」という気持ちを、「私は勇敢で自信がある」というように表現することを勧めています。

「ミカンさんの場合は、『すみません』を言わないようにしようと書くよりも、『私は相手に元気に返事ができる』『私は誰とでも対等に話せる』といったポジティブなイメージを紙に書いて、そのフレーズを繰り返し音読してみることです。それだけでも『すみません』と言わなくなる効果があります。ぜひ試してみてください」と平野さん。

口癖を直すことで、自信が持てるようになるといいですね。ヒントにしてみてはどうでしょうか。

(読売新聞メディア局編集部 永原香代子)

【紹介したトピ】
芯の強い女性になりたい
口ぐせ「でも…(否定的ではない)」を直したい

【紹介した本】

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