レシピ通り作っているのに…なぜ「料理上手」になれないのか?

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クックパッド編集担当本部長の小竹さん

新型コロナウイルスによる自粛生活に伴い、料理をする時間が増えたという人も多いようです。ところが、読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、「味の薄いカレーになってしまった」「料理を楽しめない」などと、料理にまつわる悩みを打ち明ける書き込みが相次いでいます。料理上手になる方法について、料理レシピサービス「クックパッド」の編集担当本部長、小竹貴子さんに聞きました。

レシピ通りに作るから苦痛になる

――レシピを見ながら料理をしているのに、一向に上手にならずに悩んでいる人がいます。発言小町には、結婚を機に料理を始めたものの、まったく楽しめないという女性の声もあります。(発言小町のトピ「料理が好きになる方法を教えて下さい」

料理が楽しめない原因としては、レシピに書かれているコツを理解せず、書いてある通り作ることの繰り返しになっていると考えられます。レシピに書いてある通りに、中火でいためて、しょうゆを入れて……、一つひとつの手順の意味も分からずに、こなすような作業が続くと飽きてきます。

「やらなければ」という義務感にとらわれていると、台所に立つのも苦痛に感じるかもしれません。料理を楽しんでいる人は、「昨日よりも、おいしいものを作ろう」「今日は、冷蔵庫にあるもので工夫しちゃおう」というふうに、料理をクリエイティブな行為にしています。

私は楽しむための方法の一つとして、レシピを見ないで、自分なりの味で料理を作ることをおすすめしています。まずは、好きな料理を丸暗記してしまいます。味付けは、すべて大さじ1で決まるんです。サラダであれば、冷蔵庫にある野菜をなんでも、「オイル1、お酢1、あとは塩分は好みで」と覚えておけば、これだけで1品完成です。中華風なら、ワカメを戻して、それをごま油1とお酢1であえれば簡単にナムルができます。これも立派な丸暗記レシピです。そして、慣れてきたら自分好みの味を楽しんでください。

紫キャベツとニンジンのコールスロー(深澤慎平撮影)

見た瞬間に「おいしそう」と思わせる

――せっかく作った料理が「おいしい」と褒めてもらえないこともあります。(発言小町のトピ「料理の失敗について」

「おいしい」の基準は人それぞれ違います。自分ではおいしいと思ったものでも、パートナーや子どもの口に合わないということは珍しくありません。味も大切ですが、おいしい料理を作る方法として、見栄えを良くするという手があります。見た瞬間に、「おいしそう」と思い込ませて、笑顔をつくらせちゃう効果があります。

例えば、豚肉のしょうが焼きで考えてみると、キャベツを添えた皿になんとなく入れてしまいがちです。これを、キャベツと肉でこんもりと二つの山にして盛りつけるだけで、「わー、おいしそう」と声が上がります。

サラダもそうです。「同じ色のものをそろえるとおしゃれに見える」という法則があります。紫キャベツとニンジンをコールスローにします。アボカドとキュウリをサイコロ状に切って混ぜるだけでも、食欲をそそります。トッピングに黒米をあえれば、デパ地下のサラダ並みの仕上がりになります。

アボカドとキュウリと黒米のサラダ (深澤慎平撮影)

「家族のため」の義務では疲れる

――仕事や育児が忙しくて、料理に手が回らないという人も多いと思います。

仕事で疲れているときや、家事が面倒と感じているときに、無理に料理をするのはおすすめしません。苦痛に感じながら料理をしたら、それこそ料理嫌いになりかねません。

外食やテイクアウトをうまく活用してください。便利というだけでなく、いま流行の食材の組み合わせや味付けなど、学ぶべきことはたくさんあります。「これはおうちで今度作ってみよう」と参考にしてしまいましょう。

「家族のために」という義務だけで料理をしていると、いくら大切な人のためとはいえ、毎日では疲れてしまうでしょう。「やらなきゃいけない」という呪縛から解放され、わがままに、自分が食べたいものを作ってみることです。これが料理上手になるスタートラインだと思います。

毎日の献立に頭を悩ませる人も少なくありません。「今日の夕飯、何にしようかしら」といつも頭を抱えているよりも、「今日、何食べたいかな」と自らに聞いてみてください。そうすると、料理が楽しみになると思います。

「レシピを丸暗記すれば料理が楽になります」と小竹さん

まず身に付けたい「食材を切る」

――結婚を控えている女性の中には、料理上手になりたいと思っている人もいます。(発言小町のトピ「結婚にあたりマスターしておくべき家庭料理」

料理は、「食材を切る」「調味料をあわせる」「調理する」「片付ける」の四つのプロセスがあります。「調理」の部分を省くのは難しいですが、「切る」という手順をスムーズにできると、料理の時間を短縮することができます。さまざま切り方がありますが、多く使うのは、薄切り、細切り、みじん切り。練習を重ね、切り方のコツをつかんでおけば、手際良く料理ができるようになります。

まず、よく切れる包丁、まな板、計量カップ、計量スプーンをそろえましょう。料理に慣れていない人に共通する失敗例は、「サラダの味が決まらない」「いためものを焦がしてしまう」「揚げ物の油が怖い」など。つまずくポイントを知っていれば、失敗を恐れずに挑戦できます。パートナーに喜んでもらうことも料理のモチベーションになるでしょうが、何よりも自分が「できた」という経験の積み重ねが料理上手の近道です。

(メディア局編集部 鈴木幸大)

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小竹 貴子(こたけ・たかこ)
クックパッドコーポレートブランディング・編集担当本部長

1972年石川県生まれ。関西学院大学社会学部卒。博報堂アイ・スタジオでWEBディレクターを経験後、2004年にコイン(後のクックパッド)入社。12年に退社、独立。16年復職し現在に至る。著書に「ちょっとの丸暗記で外食レベルのごはんになる」(日経BP)。