勤務時間外なのに仕事のLINE…そんな上司への対応法は?

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職場単位でグループLINEを作るケースが増えています。非常時を含め、いつでも連絡が取りやすい利便性の高さが評価されてのことですが、読売新聞の掲示板「発言小町」には、「勤務時間外なのに反応するのが嫌だ」「面倒な人間関係に巻き込まれそう」「スタンプがストレス」といった疑問や反発の声が寄せられています。家族でも友人でもない、職場のメンバーだからこそ知っておきたいグループLINEのマナーについて、専門家に聞きました。

「時間外でも仕事のLINEをしてくる上司」のタイトルで投稿したのは、会社員のトピ主「hanako」さん。プロジェクトチームのメンバーの間で、連絡手段としてグループLINEを使っていますが、上司である部長が、勤務時間外にもかかわらず仕事の連絡を送ってくるので閉口しています。夜中の23時過ぎに「僕が代わりに作業したから明日確認して」という内容の連絡を受けたこともありました。

急ぎの用でもないのに、夜中になぜ?

「内容は別に急を要することではありません。意味がわかりません。他の人たちは、上司に気をつかってか、時間外でも返事をしていますが、私は翌日、営業時間になってから確認しています。一度、部長の下にいるチーム長から『LINEの返事が遅いと部長が言ってる』と言われました。時間外のLINEの返信を強要するのは問題にはならないのでしょうか?」と、「hanako」さんは疑問を投げかけました。

「職場のライングループについて」というタイトルで投稿したのは、同じく会社員のトピ主「ぽち」さん。在宅勤務体制になったのに伴い、同じ部署13人のグループLINEができました。上司からこれを「必ず確認するように」と指示があったため、「確認いたしました」などと返信するメンバーが多数いて、着信音が頻繁に鳴るようになりました。

休暇中なのに、それほど緊急性の高くない案件で、一斉連絡が来ることも。「ぽち」さんは「プライベートと仕事が分けられていない気がします。今まで、あえて連絡先を教えていなかった同僚も含まれているので、今後、面倒な人間関係に巻き込まれないか心配です」と不安を打ち明けています。

一人だけ参加したくない人の言い分

シフト制で全員が同じ時間に集まることが難しいため、上司の指示でグループLINEを作るようになった、という職場もあります。トピ主の「リーダー」さんは、グループLINE活用推進派ですが、職場の中には、グループに参加していない人が一人いるそうです。その人からは「仕事の連絡だけならいいが、いちいち『誰々が反応しました』だったり、個人への質問や返信スタンプが入ってくるのがストレス」「(自分に関係のない内容の)未読が何十件もつくのがイライラする」などと参加したくない理由を言われました。「でも、その人だけ個別に違う方法で連絡するのも負担です」と、「リーダー」さんは対応に困っています。

緊急性低い勤務時間外連絡はマナー違反

LINEのユーザーは、2019年に国内で約8200万人に上ると推計され、SNSの中でもとりわけ普及率が高いことで知られています。家族や友人との連絡手段として普及してきたLINEを職場でも始めるに当たって、どんなことに注意すべきなのか。企業でのハラスメント研修を手掛ける「インプレッション・ラーニング」(本社・東京)代表の藤山晴久さんに聞きました。

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「SNSは東日本大震災のときから非常時の安否確認などで役立つことがわかってきて、職場単位で個人的に活用する人が増えてきました。今回の新型コロナ対策でも、利便性の高さから導入したいという職場が増えています」と藤山さんは話します。

ただし、緊急性が低いのに勤務時間外に連絡したり、反応を強要したりするのは、マナー違反にとどまらず、積み重なると法的な問題に発展する可能性があります。「集団浅慮と言って、集団での基準は低きに流れる傾向があります。職場の大半の人が追随するからといって、それが正しいとは限りません。代替手段がある場合は、距離感の近いSNSでの連絡よりも、電話やメールなど他の連絡手段を活用すべきでしょう。会社側もリスクマネジメントの観点から、早くルール化しないといけないと思います」と指摘します。

インプレッション・ラーニングが、全国の管理職・非管理職の男女計1000人を対象に実施した「ハラスメントのグレーゾーンに関する調査」(2019年)では、「職場で SNSによるハラスメント問題がありますか」という質問に対し、「ある」と答えた人は約12%に上っています。

上司の立場を心配……時間外の不都合を訴える

勤務時間外の上司からのLINE投稿に困っている「hanako」さんは、どうすべきでしょうか。まずは上司に「グループLINEへの連絡を閲覧して反応するのは業務でしょうか」と尋ね、上司の言質を確認しておくこと。上司が「業務の範囲内だ」と答えたら、「就業規則も確認したんですが、勤務時間外での業務となるようです。この場合、残業代はどう考えたらいいんでしょうか。残業代未払いの申し立てもできるようですし、部長のことが心配になってきました」などと、やんわり問いただすことが効果的だそうです。

それでも改められない場合は、会社や労働局などの相談窓口に相談することを考え、証拠を残しましょう。LINEの投稿は、投稿者自身が消すことができるので、スクリーンショットを撮ることなども有効です。

やってはいけないNGな行動とは?

もっとも、そこまで問題をこじれさせないために、藤山さんは「グループLINEを導入する際、職場の共通認識として、次のことなどを話し合っておいたほうがいい」と言います。

(1)就業時間外の連絡は、災害時など緊急性の高いものだけに限る

(2)仕事の用件のみを簡潔に表現する

(3)一方的にレスポンスの時間を強要しない

(4)相手が勘違いする表現は避ける(ハートマークなどの絵文字の乱用はNG)

(5)悩みごと系、相談ごとは書かない

「『既読がついたら即レスしてくれるはずだ』と思ってしまいがちですが、それも私たちの先入観で、相手に強要することではありません。利便性を重視するなら、最低限のマナーは守りましょう。同じ職場のメンバーにイヤな思いをさせないためにも配慮してほしいです」と藤山さんは強調します。

SNSは便利なだけに、マナー違反が起きていないか、点検しながら使うことが大切のようです。

(読売新聞メディア局編集部 永原香代子)

【紹介したトピ】
時間外でも仕事のLINEをしてくる上司
職場の連絡方法について
職場のライングループについて

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