カビ発生! 欠かさず掃除すべき場所は? 梅雨時の対策

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梅雨の季節にとりわけ気になるのが、浴室などに発生するカビ。しっかり掃除をしているつもりなのに、気がつくと黒やピンクの汚れが付着していて、ウンザリした経験がある人も多いのではないでしょうか。高温多湿の日本でカビから逃れるすべはないのか、専門家に聞きました。

リンナイ(本社・名古屋市)はこのほど、全国20~60代の男女1000人を対象に、カビに関する意識調査を実施しました。それによると、カビに悩んでいる人は、「とても悩んでいる」「やや悩んでいる」を合わせて約8割。そのうちの約7割が、カビが最も気になる季節を「梅雨」と答えています。

さらに、カビに関してどんな悩みがあるかを聞いたところ(複数回答)、1位は「掃除をするのが大変」(80.8%)、2位は「水回りが汚くなる」(60.9%)、3位は「嫌な臭いがする」(43.7%)という結果になりました。カビは掃除をしてもすぐに繁殖してしまうため、多くの人がストレスを感じているようです。

リンナイ調べ
リンナイ調べ

「ピンク汚れ」はカビじゃないの!?

カビの増殖をできる限り抑えたいけれど、どうしていいのかわからないという人が多いのでは。そこで、カビに関する正しい知識を、矢口貴志・千葉大学真菌医学研究センター准教授に聞きました。

「カビは温度が20~30℃、湿度が60%以上で発生しやすくなり、75~90%で最も増殖しやすくなります。梅雨の時期はちょうどこの条件に一致します」と矢口さんは説明します。梅雨時の掃除に力を入れるのは当然ですが、梅雨時のカビを抑制するには、空気が比較的乾燥している梅雨前に、浴室などの水回りをきちんと掃除しておくことが大事なのだそうです。

間違った知識でカビ掃除をしているため、カビの悩みがなかなか解決しない人が多いと、矢口さんは言います。そこで、矢口さんに「カビ対策知識テスト」を作成してもらいました。カビの理解度をチェックして、カビ掃除の仕方を見直してみては?

【カビ対策知識テスト】

カビに関する質問について、正しいと思うものは○、間違っていると思うものは×を選んでください。

Q1.カビ退治には40℃程度のお湯をかけると良い
Q2.重曹はカビに効く
Q3.黒カビ退治はスポンジでこする
Q4.石けんカスは洗浄成分が入っているのでカビの栄養源にはならない
Q5.温度と湿度の条件がそろうとカビはどこでも生育する
Q6.浴室のカビ対策として入浴後に水をすべてふき取る方が良い
Q7.浴室のカビ掃除は天井が最も重要である
Q8.浴室内でピンク色の汚れを放置しておくとカビが発生しやすい
Q9.エアコンのカビ対策としてはフィルターを定期的に掃除すれば十分
Q10.カビは氷点下では生きられないため、冷凍庫では発生しない
Q11.カビは人の皮膚でも生息している
Q12.カビは水分を好むがダニは水分を好まないため、カビとダニは同時に発生しない

写真はイメージです

【答え】Q1.⇒×、Q2.⇒×、Q3.⇒×、Q4.⇒×、Q5.⇒×、Q6.⇒○、Q7.⇒○、Q8.⇒×、Q9.⇒×、Q10.⇒○、Q11.⇒○、Q12.⇒×

9問以上正解⇒カビ対策優等生
5~8問正解⇒合格点ですが、より正しいカビの知識を知ることで、カビ掃除の悩みを解決しよう
0~4問正解⇒間違った知識でカビ掃除をしている可能性大! ちょっとした工夫で掃除も楽になるはず

【解説】
(Q1~3)カビ退治には50℃以上のお湯をかけるのが効果的。重曹には洗浄効果はありますが、殺菌・除菌の効果はありません。カビ掃除にはクエン酸や酢がオススメです。スポンジでこするだけでは、目地の奥に入り込んだ黒カビを除去できません。カビ取り剤の上からペーパーでパックし、十分に時間をおいた後で洗い流しましょう。

(Q4~7)石けんカスはカビの栄養源です。しっかり取り除きましょう。カビは「湿度60%」「気温20~30℃」「人のアカなど栄養分」の3条件がそろうと発生します。水(湿気)を取り除くとカビは生えにくくなります。こまめに拭き取るか、換気扇を長時間かけることをオススメします。また、天井は欠かさず掃除しましょう。天井から降ってきたカビの胞子が原因で、床や浴槽にカビが発生してしまいます。

(Q8)浴室で見かけるピンクの汚れは、厳密にはカビではありません。「ロドトルラ」という赤色酵母です。空気中を浮遊している菌で、カビのように水分のあるところを好み、浴室やキッチン、トイレなどに繁殖します。カビのように根を張って定着しませんが、放置すると増殖します。見つけたら、洗剤をかけて除去しましょう。

(Q9~10)エアコンはフィルターだけでなく、送風機能を使ってエアコン内を乾燥させる必要があります。風通しを良くしましょう。冷凍庫など、凍っている所でカビは繁殖しません。しかし、製氷機の給水タンクを定期的に掃除しないと、中にゴミがたまり、カビの原因になります。

(Q11)人の顔の皮膚や頭皮には、「マラセチア」という常在菌が生息しています。マラセチアは余分な皮脂を食べることで、皮膚を酸性に保ち、細菌から守ってくれます。

(Q12)ダニはカビをエサにします。カビ対策をしないと、ダニも増えてしまう原因になります。また、カビはダニのフンや死骸をエサにするので、ダニが多いところにはカビも多くなります。カビとダニ、両方を退治することが大事です。

写真はイメージです

カビ専門家に聞く、梅雨時期のカビ対策3つのポイント

カビに対するストレスや悩みを少しでも解消するため、矢口さんに梅雨時期のカビ対策3つのポイントを聞きました。

1、換気、除湿を心がける

湿気のこもりやすい場所は、扇風機や換気扇などで空気の流れを起こして換気し、エアコン、除湿器で湿度を下げるようにしましょう。浴室は特に湿気がこもりやすいので、入浴後はしっかりと換気し、できれば換気扇をつけっぱなしにするのがオススメです。洗濯物を部屋干しする場合も、換気と除湿に気をつけましょう。

2、こまめに掃除し、カビの栄養源を取り除く

部屋の隅、家具の裏、電気の傘など、カビの栄養源となるホコリを取り除きます。浴室は入浴後に浴槽、壁、床などをよく洗い流しましょう。キッチンのシンクも同様です。意外に気づきにくいのは、シャワータイプの蛇口です。食器を洗うときに汚れがつき、カビが生えていることがあります。蛇口の裏もよく洗いましょう。

3、梅雨入り前にエアコン、浴室などの水回りをきちんと掃除する

梅雨前、比較的空気が乾燥しているときに、キッチンや浴室などの水回りの掃除をしましょう。事前に掃除することで、カビが生えにくい状態にしておくことが重要です。また、エアコンのフィルター、冷気の吹き出し口を掃除し、内部にたまったホコリを送風で吹き出してクリーンな状態にしましょう。

写真はイメージです

(読売新聞メディア局編集部・後藤裕子)

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矢口貴志(やぐち・たかし)
早稲田大学理工学研究科博士前期課程修了。明治製菓(現・明治)を経て、現在、千葉大学真菌医学研究センター准教授。生活環境のカビ、とくにヒトに病原性のあるカビを専門に研究している。身の回りのカビの危険性について、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)、「林修の今でしょ講座」(テレビ朝日)など多くのテレビ番組、雑誌などで解説している。