そうめんの食べ方「氷水に浸ける」か「水を切って盛る」どっち?

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暑くなると、ツルツルッとしたのどごしのそうめんが恋しくなりませんか。でも、そうめんを食卓に出すときの作法で、家庭内でもめてしまうこともあるようです。「深いお皿に氷水に浸したまま出す」か「水を切って平皿に一口ずつ盛る」か、夫婦で意見が割れているという投稿が読売新聞の掲示板サイト「発言小町」にありました。どっちがおいしい食べ方なのでしょうか。専門家に聞いてみました。 

夫婦でもめるそうめんの食べ方

トピ主の「キャンディ」さんはこの時期、いろいろなつゆを用意して、そうめんを楽しんでいます。ただ、夫とちょっとしたもめ事になっているのが、食卓への出し方。「私→水を切り、平皿に一口ずつ盛る 夫→水は切らずに、深いお皿に氷水に浸したまま出す」と互いの食べ方を主張し合います。

氷水に浸したままだと、「びしゃびしゃだし、つゆの味が薄くなる」とトピ主さんが批判すれば、夫のほうも水を切って皿に盛ると「そうめんが固まってしまう」と一歩も譲りません。そこで「みなさんのお宅ではどうですか」と問いかけました。

写真はイメージです

このトピには、「我が家全員、氷水派です。そんなにお味にうるさくもない家庭なので冷たく食べられたらそれで満足」(「そら」さん)という意見がある一方で、反対派も。「昔、店でそうめん頼んだら、ガラスの器に氷水とそうめん、缶詰のミカンやパイナップルが2、3個、笹の葉が少し添えられて出てきましたね。見た目はきれいだし涼しげだけど、味的に良いことない気がします」(「はやぶさ」さん)、「産地では氷水には浸かっていません」(「さくら」さん)などの書き込みもありました。

どっちがよりおいしい食べ方なのか。「簡単!極旨!そうめんレシピ」(扶桑社)などの著書がある、そうめん研究家のソーメン二郎さんに聞いてみました。

そうめんはのどごしが命

――ゆでたそうめんはどのように盛りつければいいですか?

そうめんは、のどごしが命です。ゆでた後は、水洗いをして油のぬめりを取り除きます。氷水にさっとくぐらせて麺を締め、再び水道水にさらし、水を切って器に盛ります。このとき、あまり冷たくし過ぎないこと。飲み物やフルーツもそうですが、キンキンに冷やした状態だと味がぼやけてしまいます。15度くらいの水道水で戻したほうが、小麦の味をおいしく感じられます。時間がたてばどうしても固まってしまいますので、食卓に並べたら、さっといただいてしまいましょう。

氷水を張った器にそうめんを浸す人もいますが、水分をたくさん吸ってしまうと、そうめんの持つ小麦本来の風味が損なわれてしまいます。そればかりか、麺が伸びてしまい、大切なのどごしもいまひとつとなりかねません。そうめんは、麺を冷やすのではなく、めんつゆやめんつゆのボトルを冷やして召し上がって下さい。

――そうめんは、たくさんの種類や産地があります。

そうめんは「手延べそうめん」と「機械式そうめん」があります。手延べそうめんは、小麦を縄状にして一本に延ばし、熟成された職人技のそうめんです。細く非常にコシがあります。

知名度の高い播州ばんしゅうそうめんの「揖保乃糸」(兵庫県揖保郡)は、ご存じの方も多いブランドでしょう。そうめんの発祥と言われ、1200年の歴史がある三輪そうめん(奈良県桜井市)は、高級そうめんとしてお中元などの贈答品として喜ばれます。

島原の乱(1637~38年)の後に、小豆島からの移民によって作られたと言われる島原そうめん(長崎県南島原市)、特産のごま油を使って作る小豆島そうめん「島の光」(香川県・小豆島)も歴史あるそうめんブランド。半田そうめん(徳島県)は、極太の麺がひときわ異彩を放っています。それぞれ特徴のあるそうめんですから、ぜひ、食べ比べをしてみてください。

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――そうめんの保存方法は?

袋から出して余ったそうめんは、保存容器に入れ、冷蔵庫で保存してください。直射日光の当たる暖かい場所は、カビの生える危険があります。ゆでて残ったそうめんは、チャンプルーにしてみてください。フライパンにバターを溶かし、ゆで残ったそうめんと缶詰のツナをあえるだけ。みそ汁や豚汁にボリュームアップの具材として、そうめんを入れるのもおすすめです。

――とても簡単でおいしそう。もっと教えてください

ゆでたそうめんに、青味を感じられるエキストラバージンオイルを3回まわしかけ、ハーブ塩などの天然塩を少々振って召し上がってください。そうめん自体のうま味やのどごしを、ひときわ強く感じられます。

もう一つおすすめは、室町時代に食されていたとされる、とっておきの再現レシピです。ごまドレッシングにお酢少々、からし少々、細かく刻んだニンニク少々を混ぜてごまダレを作ります。これを、冷やしたそうめんにかければ、室町時代風ごまダレそうめんのできあがりです。応仁の乱に思いをはせ、歴史とともに味わってください。

様々な食べ方が楽しめるそうめん。それぞれ好みのレシピ、盛りつけで食べるのがいいかもしれませんね。麺が長く、切れないことから、そうめんは「ご縁が切れない」といういわれもあります。みんなで仲良く食べたいものです。(メディア局編集部 鈴木幸大)

【紹介したトピ】
(駄)そうめん

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ソーメン二郎
ソーメン 二郎(そうめん・じろう)
そうめん研究家

三輪素麺の里、奈良県桜井市生まれ。著書に、そうめんレシピ本『簡単!極旨!そうめんレシピ』(扶桑社)、そうめん絵本『そうめんソータロー』(ポプラ社)。そうめんの歌『そうめんソータロー』『赤い糸 白い糸』(フォーライフミュージックエンタテイメント)が発売中。

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