7月からレジ袋有料化、指名買いしたい「アップサイクル・バッグ」とは

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使用済みタイヤチューブや使い古された消防服といった頑丈な機能性素材をおしゃれなおでかけバッグに生まれ変わらせた、「アップサイクル・バッグ」が注目を集めています。7月からのレジ袋有料化で高まってきた環境への問題意識が、おでかけバッグにも広がってきているそうです。

廃タイヤチューブやトラックのほろを活用

アップサイクルは単なる再利用ではなく、廃材の個性を生かして、より魅力的な商品に作り替えて価値を「アップ」させる工夫を指す言葉です。

シュライフのバッグ

2018年に日本に上陸したスイスのブランド「シュライフ」は、中米エルサルバドルで放置されていたトラックやバスの廃タイヤチューブを、男女それぞれに向けたバッグやバックパックに仕立てています。

ゴムチューブは、つややかで上質感さえあります。チューブ曲面を生かした、優雅なカーブを描くデザインも特徴です。材料の選別からカット、縫製まですべて手作業のため、中心価格帯は1.5万~4万円と安くはありません。それでもデザイン性を評価され、百貨店などで販売を伸ばしてきました。

昨年秋からは、新規取引の問い合わせが急増しているそうです。「使い捨てストローやレジ袋の問題が話題になり、おでかけバッグにもエコ意識が及んできたようです」(輸入代理店)。

フライターグ

こういったバッグの先駆け的な存在が、1993年創業で日本では96年から展開している、スイスの「フライターグ」です。

材料はトラックのほろ。防水性の頑丈な素材で、男女を問わず使えるデザインのカバンを作っています。中心価格帯は2万5000~3万円。口コミで人気が広がり、現在は日本で直営・取扱店が合わせて40店ほどに成長しました。

ほろにプリントされた柄を生かすため、デザイナーがほろを一枚一枚手作業でカットし、「一点物」を生み出しています。最初から使い込まれた「ビンテージ感」が楽しめるのも人気の理由です。

長く使ってもらうため、縫い目がほつれてきたら店で縫い直してもらうこともできますし、同社のホームページでは、利用者同士が異なるデザインのバッグを交換するのを仲介するサービスも行っています。

事故に遭わなくて「yoccatta」

日本のブランドも負けていません。

MODECO

「MODECO」(名古屋市)は、消防服などを仕立て直したカジュアルなバッグが人気です。銀色に輝く反射材や、自治体名の漢字プリントを目立つように配置したモデルもあります。
燃えにくくて頑丈、摩擦にも強い消防服の特殊合成繊維は、バッグにぴったり。フライターグと同様に、機能性素材と一点物のビンテージ感が、人気を呼んでいるようです。

yoccatta TOKYO

「yoccatta TOKYO」(東京都)は16年から、事故なく使命を終えた車のエアバッグとシートベルトをバッグにして販売しています。ブランド名は、事故に遭わずに「ヨカッタ」という意味だそうです。

軽くて薄手なのに、張りとコシのあるナイロン素材。びっくりするほど小さく折りたたむことができます。シワ感や、独特の染めムラ感があるのも特徴です。大小二つの持ち手付きで、手持ちでも肩がけでも使えるのが便利です。中央の収納部はボタンとジッパーで簡単に閉じられ、両脇も収納スペースがあり、仕事用のトートバッグにも、乳幼児用品を収納するマザーズバッグにもよさそうです。

アップサイクル ラボ

「アップサイクル ラボ」(奈良市)は廃棄された消防ホースや、工事現場などで使われる多目的シートの端材を使います。どちらも樹脂コーティングされた頑丈な布地で、粗さとつやを併せ持つ素材感が魅力です。

実は19年までのブランド名は、経年変化を意味するラテン語「パティーナ」でした。発売当時、「アップサイクル」を名乗ろうとしたところ、販売店関係者から「聞いたことがない単語で、お客さんが関心を持たない」と言われ、断念したそうです。

「頑丈な珍しい素材」が話題になって販売を伸ばしてきたのですが、最近になって売れ方が「エコな上に機能的でおしゃれ」に、変わってきました。そこで昨年、ブランド名をアップサイクルに「戻した」ということです。

(読売新聞経済部 庄野和道)

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