外出自粛で盛り上がるSNSリレーの「お宝」と「落とし穴」

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外出自粛生活が続き、自宅で過ごしている芸能人らが、SNSで歌やダンス、お笑いネタなどをリレー形式でつないでいます。テレビではしばらくご無沙汰だった往年のアイドル、普段はあまりお目にかかることのないメイクアップアーティスト、海外セレブら、顔ぶれは様々。彼らの背後に垣間見える自宅の様子、インテリアなどにもファンは興味津々で、貴重な動画として楽しまれています。

まるで魔法のように変身

メイクアップアーティストで僧侶の西村宏堂さんと、化粧筆ブランド「SUI TOKYO」代表の有賀友美さんは、同じ化粧筆を使うメイクアップアーティストやモデルに声をかけて、メイクのリレー動画を制作しました。メイクアップのリレー動画は、まるで魔法のよう。ノーメイクの女性が自ら化粧筆を動かすと、パッとメイクアップされた顔に。そして、化粧筆をバトンのようにして、次の人がまたメイクをし、変身するのです。

パリ在住の有賀さんは動画を作った理由について、「外出できず、友人にも会えない。おうち時間を楽しく過ごそうと、メイクの研究にいそしんでいます。こういうときでも、楽しくハッピーな気持ちになれるということを伝えたかった」と話します。

西村さんも、「おしゃれやメイクによって、その日をどう過ごすかが変わってくるはず。ずっとパジャマ姿でニュースばかり見ているのではなく、クリエイティブに過ごすためにもメイクやおしゃれは大切です。誰かのためのメイクではありません。今日を良い一日にしたいという自分に力を与えてくれるものなのです」と語ります。

80年代のアイドルずらり

1983年にアイドル歌手としてデビューしたタレントの松本明子さんは、「アイドルうたつなぎ」を企画しました。デビュー曲の「♂×♀×Kiss(オス・メス・キス)」を披露すると、バトンを森口博子さんに渡しました。同じ時代にアイドルとして活躍した荻野目洋子さん、西村知美さん、渡辺美奈代さんらもこれに続きました。さらに、中山秀征さん、長江健次さん、大沢樹生さんら、かつての男性アイドルも懐かしい歌声を披露しています。

松本伊代さんは、「センチメンタルジャーニー」を当時の振り付けで歌い、2人の息子と思われる男性がバックダンサーとして登場していました。企画した松本明子さんは、テレビ番組の中で、中森明菜さんや小泉今日子さんらにも登場してもらいたいとラブコールを送っていました。

こうしたSNSリレーは、アーティストや歌手による「#うたつなぎ」、お笑い芸人による「#ギャグつなぎ」、スポーツ選手らによる「#いまスポーツにできることリレー」、所属事務所が同じタレントでつなぐ「ホリプロしりとり」など、様々なテーマ、顔ぶれで行われています。

SNSリレーに参加するワケ

テレビコラムニストの桧山珠美さんは、「今は、ドラマやバラエティーはもちろん、トーク番組やお散歩番組のロケも撮影が難しい状況で、時間を持て余しているタレントらがたくさんいるのでしょう。もちろん、同じように外出を控えている視聴者やファンのために何かしたいという欲求もあるでしょう」と説明します。

一部の仲間内でバトンをつなぐことで、テーマやクオリティーを保てるメリットがある一方で、“招かざる人”を排除する作用もあると分析します。星野源さんの「うちで踊ろう」のように、「だれでも一緒にどうぞ」というスタンスの動画配信は、“奇跡のコラボレーション”が生まれる反面、桧山さんは「どうしても“招かざる人”が利用するリスクが生じます」と振り返ります。

「自宅で撮影されたと思わせる普段着、インテリア、ペットや家族の映り込みは、“お宝”とファンの間では盛り上がりますが、テレビでもリモート出演が当たり前になると、それらの希少性も失われていくばかりか、映り込むものによっては『あざとい』と批判されかねません」と桧山さん。「こんなときだからこそ、手軽な数珠つなぎに参加するだけでなく、本当にファンが喜ぶようなアピールの方法を考えてほしいですね」としています。

(メディア局編集部 小坂佳子、鈴木幸大)

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