外出自粛中の「テレワーク飯」、無理なく楽しむ5つのコツ

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新型コロナウイルスの影響で、急速に広がってきたテレワーク。会社に通勤していたときは、社員食堂や外食などでランチを済ませていただけに、毎日の食事の支度がストレス……という人も多いのではないでしょうか。SNS上では、「#テレワーク飯」とハッシュタグをつけて、昼休みに作るメニューなどを情報交換する動きも。食材の仕入れから調理まで、初心者でも楽しめる料理のコツを取材しました。

テレワークで「料理熱」に高まり

勤め先の東京都内のWeb制作会社が2月末からテレワークを始めたという女性(28)は、「外出もできない中で、少しでも生活を楽しくしたいと思い、最近では『料理熱』が高まってます」と話します。スマートフォンのアルバムには、カフェのようなおしゃれランチの写真がずらり。野菜をたっぷり使ったメニューが多く、健康にも良さそうです。いずれも、テレワークが始まってからの自炊の記録です。

テレワーク以前は、ランチは外食ばかり。夜も職場や友人との飲み会が多く、毎日毎食自炊することはほとんどありませんでした。でも、2か月が過ぎた今では、買い物を週に1、2回に減らし、冷蔵庫にある食材を上手に使って、食事を作るのが楽しみになっているといいます。

ただ、昼休みは1時間しかなく、ゆっくり料理する時間はありません。そこで活躍しているのが、作り置きメニューや冷凍野菜などを駆使した時短レシピ。酒蒸しした鶏ささみの味付けを変えて使ったり、冷凍したマイタケを木べらでたたいて一瞬で砕いたり。工夫をこらして、15分以内で食卓につけるようになりました。

ある日のテレワーク飯。運動不足で太りやすい生活になっていることもあり、ナスやゴボウの作り置きメニューを添えて、野菜たっぷりのランチにしたそう。

余った休憩時間で、デザート作りも始めたそうです。「どうやったらもっと調理を簡単にできるか試してみるのは、実験のようでわくわくします。テレワークを始める前より食費もかなり減りました」と話します。

SNSで「テレワーク飯」が話題に、企業も応援

都内で夫と暮らす会社員の女性(27)は、1週間スーパーに行かずに自炊できるかにチャレンジし、昼ご飯と夜ご飯の写真をインスタグラムにアップしています。「友人たちに向けて、毎日こんな食生活を送っているよ、と報告しています。こういうミッションを作ることで、自粛期間を夫婦で明るく乗り越えられる気がして」と明かします。

買い出しして3日目のテレワーク飯。前日にグラタンの具を作って皿に移しておいたので、チーズを乗せて焼くだけで済んだそう。

SNS上では、「#テレワーク飯」とともに、毎日のランチや調理過程を披露する投稿も。
料理研究家が簡単メニューを紹介したり、フードを提供するカフェや企業が、看板メニューの秘蔵レシピを公開したりするなど、自炊を楽しんでもらおうという動きも広がっています。

買いだめで食材を無駄にしないために

ただ、人によっては失敗談もあります。「頻繁に買い出しに行けないから」と買いだめしたけれど、食材を使いきれなかったり、大量に作り置きした結果、何日も同じ料理ばかり食べ続けていたり。「テレワーク中は15分以上、席を離れるときには、報告しろと上司から言われています。1時間の昼食休憩がありますが、買い出しまでは無理。結果的にいつも同じ料理でごまかしてしまいます」(神奈川県、26歳女性)などの声もあります。

食材を無駄にせず、バラエティー豊かな食卓にするための5つのポイントを、料理研究家の今泉久美さんに聞きました。

〈1〉 冷蔵庫の中身は、いっぱいにしなくても大丈夫
「食材をダメにしてしまったり、使い切らなきゃと思ったりすることはストレスになるので、『コロナ疲れ』に拍車をかけることになってしまいます」と今泉さん。不安感から、冷蔵庫の中をいっぱいにしておきたくなりますが、冷蔵庫(特に野菜室)は、中身が半分あれば十分なのだそうです。

〈2〉 メニューをあらかじめ考えてから買い物をする
1週間分のメニューをある程度考えて、必要な食材をメモして買い出しにいけば、無駄な買い物をすることもありません。新型コロナウイルスが感染拡大している中、食材をすぐに選べば、スーパーに滞在する時間も短くすることができます。

〈3〉野菜は、5、6種類買えば十分
新鮮なうちに使い切りたい野菜。一人暮らしの人が買い出しをする場合、5、6種類あれば十分なのだそうです。足りなくなった時に、買い足しましょう。買う時に、自分のレパートリーで、その食材を使って3品作れるか考えるのも、無駄をなくすコツ。「スーパーで安く売り出されている野菜は、今が旬。お得に季節感を取り入れてみてくださいね」と今泉さんは、アドバイスします。

写真はイメージです

〈4〉食材は正しく保管し、鮮度をキープ
買ってきた野菜は全部、野菜室に入れる人が多いのではないでしょうか。でも、ブロッコリーやもやし、カットした白菜などは、野菜室よりも温度が低い冷蔵室で保存した方が、長持ちします。一方、サツマイモやタマネギなどは、寒さに弱いので、風通しの良い場所に保存するのが良いとのこと。キノコ類は、切って冷凍もできます。

〈5〉作り置きは2品あればいい
毎日同じ料理を食べ続ける事態を避けるためにも、「冷蔵庫には2、3回で食べきれる量の作り置きメニューが2品あればいい」(今泉さん)。例えば、きんぴらゴボウは、刻んでハンバーグに混ぜたり、卵焼きに入れたりするなど、一品でもいろいろなアレンジができます。

塩分の取り過ぎは、むくみの原因に

テレワークになり、体のむくみや体重増加が気になっている人もいるはず。塩分の取り過ぎはむくみの原因になります。しょうゆや塩などの調味料を使う量に注意し、甘塩鮭や塩サバなどは、食材の持つ塩味を生かした料理にするのがおすすめ。また、1日2回程度は、コメを主食にしてよくかんで食べると、甘みを感じ、お菓子などへの欲求も抑えられるそうです。

今泉さんは、「料理をしている間は手順などに意識が向くので、悩みや不安から離れられます。挑戦する回数が増えれば、『これが食べたかった』という発見や喜びを感じることもできるでしょう。自分に無理のない範囲で、続けることですね」と話します。

外出自粛で慣れない自炊に苦労することもあるかもしれませんが、せっかくならテレワーク飯を「おうち時間」の楽しみにしたいものです。

(取材/読売新聞メディア局 安藤光里)

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