コロナ心配で不眠に、知っておきたい3つのこと

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新型コロナウイルスの感染が拡大し、心配で寝つきが悪くなるなど体の不調を訴える人が目立っています。読売新聞の運営する掲示板サイト「発言小町」にも、女性たちから「なかなか寝つけない」「早朝に目が覚めてしまう」といった声が寄せられています。外出自粛中で運動不足にも陥りがちな今、どうすれば睡眠の質を上げられるのでしょうか。専門家に聞いてみました。

「コロナで精神的に不安定です」というタイトルで投稿したのは、トピ主「はなこ」さん。夫と二人暮らしで、今月に入ってからテレワークになり、朝の散歩と買い物以外で自宅から出ることはなくなりました。ぜんそくの持病があり、新型コロナウイルスのニュースに不安を募らせています。

寝つけず、「メンタル弱い人」認定された私

「はなこ」さんは、知人から「(コロナ感染者に)なったらなったで仕方がないよね。私はあまり気にしていない」「緊急事態宣言で習い事に行けなくなってつまらない」などと楽観的に言われましたが、とても同意する気になれません。おかげで周囲から「メンタルが弱い人」と認定されてしまったそう。夜、寝床に入ってからも、心臓の鼓動がやや激しいように感じてしまい、「寝つけないことが多いです」とつづっています。

「免疫力を付けるには?」というタイトルで投稿したのは、「七瀬」さん。パートの仕事を辞めてしまうほど新型コロナウイルスに恐怖を覚え、自分でも「自律神経の乱れが大きいのでは」と感じているアラカン(60歳前後)の主婦です。「毎日寝つけず、就寝は午前1時くらい。1時間ごとにトイレに起き、午前4時ごろから眠れなくなる」「胃潰瘍の薬を常用し、昨年肺炎をやっているので、時々息苦しく感じる」として、「この状態では、本当にいつかは大きな病気になってしまいそう。同世代以上で、健康的に過ごせている方、ぜひぜひ、免疫力をUPする方法をご指南ください」と発言小町で呼びかけました。

ウォーキング、ヨガ、瞑想……

この呼びかけに、「体の調子がよくないと心も下向きになってしまいがちだけど、不調は年齢とともに誰もが通る道だと割り切って」(「ほのぼの」さん)、「私の場合は、ウォーキング、ヨガ、瞑想でした」(「黒猫のママ」さん)などと、具体的な体験談を交えながら励ます声が相次いでいます。

メンタルヘルスに詳しい「たまきクリニック」(東京・自由が丘)の玉木優子院長は、「東日本大震災のときも『眠れなくなった』と訴える人が多かったように、今回も新型コロナウイルスの影響で社会不安が広がり不眠を訴える方が増えてきています。睡眠は健康のバロメーターであり免疫力と深く関わっていることも分かっていますので、ぜひ十分な睡眠がとれるように工夫したいところですね」と話します。

玉木院長によると、睡眠障害の症状には、次の4つのタイプがあります。

<1>入眠障害…寝つきが悪い。入眠までに時間がかかる。スムーズに眠れない。
<2>中途覚醒…スムーズに入眠できても深夜に途中で目覚めてしまう。
<3>早朝覚醒…早朝に目が覚めてしまい、その後寝たいのに眠れない。
<4>熟眠障害…十分な睡眠をとっているのに、寝た気がしない、疲れが取れない。

寝つきの悪さは自律神経の乱れから

入眠障害を訴える人の中には、仕事のストレスやプレッシャーなどで夜になってもイライラや不安・興奮が収まらず、自律神経のバランスが崩れて、「交感神経」が優位になっているケースが多いそうです。この交感神経優位を、リラックスモードの副交感神経優位にするために玉木院長は、次の方法を挙げます。

<1>就寝直前までテレビやスマートフォンを見ていると、脳がいつまでも覚醒モードになってしまうので、就寝前は基本的に見ないようにし、心地良い気分を味わう時間にします。

<2>体質や気温低下によって体が冷えている場合も、眠気を催さないことが多いので、入浴や軽い運動で体を温めます。温かい寝具にくるまって幸せな感覚をイメージするのも良いでしょう。

<3>朝起きて日の光を浴びると体内時計がリセットされます。だから、毎日だいたい決まった時間に起きるようにしましょう。就寝時間も一定にしたほうが良いです。寝る前にストレッチなどして体をほぐしたりするのも良いでしょう。

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プレッシャーは禁物、それぞれに合った方法で

こうした生活改善を指導する一方で、同クリニックでは、薬物療法も行っています。「不眠に悩んでいる人に精神論だけを言っても余計、プレッシャーになってしまうので、その方の状態に一番合った方法で改善をめざします」と玉木院長は話します。

漢方を処方することもあります。睡眠改善のための代表的な漢方薬としては、「酸棗仁湯(さんそうにんとう)」「抑肝散(よくかんさん)」「加味帰脾湯(かみきひとう)」などがあります。いずれも保険適用薬ですが、薬局でも購入できます。「漢方薬は、その人の全身の状態を見て、冷えや寒さなどを感じているのか、ほてりがあって暑がっているのかなど、それぞれの『しょう』(その人の体の状態)に合ったものを処方する必要があります」。不眠で悩んだときには、漢方薬について医師や薬剤師に相談してみるのも良いかもしれません。

投稿の中にあらわれた新型コロナウイルスに対する不安感。心のゆとりを取り戻すためにはどうしたらよいのでしょうか。玉木院長は「例えば、ある時間帯のニュースにはチャンネルを合わせるけれども、それ以外の時間は楽しい音楽を聴くなど、自分なりに時間管理をしてみましょう。我慢すると反動が生まれてしまいますが、『ちょっと離れる時間を作る』と考えると抵抗感は少なくなります。不安に振り回されるのではなく、ご自身に向き合う時間と割り切って考えることが大切です」と提案します。

外出自粛で、「おうち時間」が増えています。従来、日本の女性は男性に比べて睡眠時間が短いと言われてきましたが、人付き合いも飲み会も自粛の今こそ、生活習慣を見直し、睡眠時間を取り戻せたらいいですね。

(読売新聞メディア局編集部・永原香代子)

【紹介したトピ】
コロナで精神的に不安定です
免疫力を付けるには?

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