大量にソースを作る夫、やめてと言ったら逆ギレ! どうしたらいい?

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夫が食事の仕度をしてくれるのは大歓迎ですが、男性独特のこだわりで、1種類の料理を大量に作って食べきれなくなるケースもあるようです。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、夫がトマトソースを大量に作って食べきれなくなった、という投稿が寄せられました。時として妻たちから迷惑がられる“男の料理自慢”。どうしたら解決できるのでしょうか。

50食分のトマトソースが冷凍庫に

「大量に作る夫。やめて欲しいと思う私はひどいですか?」のタイトルで投稿したのは、トピ主「焼きなす」さん。結婚10年で子供もいる主婦です。夫は学生時代からサークルメンバーに料理を振る舞っていた自慢の腕で、時々、業務用スーパーの2.5~3キロ入ったトマト缶を数個買ってきて、トマトソースやミートソースを1回に50食分も作り、小さな密閉容器に入れて冷凍していると言います。

写真はイメージです

おかげで、冷凍庫は満杯で、他の食材が入らず、霜だらけになった容器がたくさん残っています。そんな状態でも、夫は構わず、定期的にソースを作ってしまうため、「苦痛を感じるようになってきました」とトピ主さん。ある日、夫が「そろそろトマトソースを作ろうか」と言い出し、トピ主さんはあわてて、「お願いだから、やめて」と言ってしまいました。夫は「喜んでもらおうと思って、一生懸命作ったのに、迷惑だったのか」と激怒。冷凍庫に残っていたソースを捨ててしまったそうです。「我慢して夫の好きなようにやらせるべきだったのでしょうか?」と、発言小町に問いかけました。

夫にとって料理は釣りやゴルフと同じ

この投稿には、180通以上の反響がありました。「材料費や光熱費がもったいない」(「ねこ」さん)、「自己満足の押しつけ」(「こばと」さん)など、トピ主さんに同情する声が多く寄せられました。

似たような体験をしている女性もいました。「ゆうこ」さんからは「うちの夫の場合は『そば打ち』。最初は週末の昼食を任せられるし、夫の数少ない趣味だから……と喜んで応援していたんですが、だんだん私が耐えがたい苦痛を感じるようになりました。キッチンは粉まみれで汚れるし(後始末は私任せ)、『大量に作らないと感覚が狂う』と言って夫婦2人なのに一度に10人前くらい作るし、素人だから味も食感もまずくて消費しづらくて……」という体験が寄せられました。

「おばちゃんのぼやき」さんからは、「『男の料理』は別格。女が作る家庭料理とはレベルが違うと信じている男性っていますよね。うちの夫も、包丁をそろえて、男性が作る料理番組は食い入るように見ているのに、腕はまったく上達しません。調味料の用途をよくわかっていないし、使い方も『?』レベル。でも自分にはセンスがあると言い張ります」と男の料理に批判の声も。

「猫舌」さんは、「料理好きな夫はどこにでもいますが、一回で50食分って尋常な量ではありません。何か訳があると思うのですが」と疑問を投げかけました。

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妻たちから迷惑がられる“男の料理自慢”。何か解決方法はあるのでしょうか。「パパの料理塾」を主宰している料理研究家の滝村雅晴さんに聞いてみました。

滝村さんは「男性の場合、確かに料理を趣味的に楽しむ傾向があります。釣りやゴルフと同じなんです。家庭料理は、『家族に食べさせたい』『家族の喜ぶ顔が見たい』という“思い”が基本にあるのですが、趣味の延長ですから、料理自体がイベント化して、たとえば“こだわりのソース作り”を楽しみたいなどの気持ちが強くなりがちです。これでは、なかなか妻の共感を得にくいですね」と話します。

滝村さんによると、夫が妻の気持ちに気づかず、むしろ、「自分は料理をして家事を手伝っている。妻は喜んでいる」と思い込んでいるのも問題です。妻から「もう、やめて」と言われて激怒してしまう背景に、そんな夫婦の気持ちのすれ違いがあると言います。

「料理に必要なのは技術ではなく、相手を思いやる気持ちです。フルコースを作るより、朝のみそ汁を準備する方が妻は喜んでくれるものです。お互いに、相手がいま何を食べたいのか想像することが大切です」と滝村さんは話します。

夫を責めずに頼ってみる

大量のソースを作る夫と、それを迷惑がる妻。発言小町では、トピ主さんに「角が立たないよう、黙って捨てればいい」(「はっは。」さん)という意見もありました。一方で、「捨ててしまえば食品ロスになる」(「こばと」さん)という指摘もありました。

滝村さんは、夫の料理でもめ事が起きた時、夫を責めるのではなく、まず「いつもありがとう、うれしい」と感謝の気持ちを伝えるようアドバイスします。その次に、「たくさん作る理由」について穏やかに聞いてみます。「たくさん作った方がおいしい」とか「保存するため」など、理由があるはずです。その事情がわかってから「(これまでの状態では)ソースの量が多すぎて、どうすればいいのかわからない」と具体的に相談します。「あなたならどんな料理を作る? 一緒に考えて」と夫を頼りましょう。メニューを一緒に考えていけば、ソースの消費量もわかり、夫も適切な量が実感できるはずです。

「料理は“思いやり”。せっかくの手作りソースですから、無駄にしないで、おいしく食べようという気持ちになってもらえれば」と滝村さん。

料理ができる男性はステキですよね。それに、作ってくれる気持ちだけでもうれしいものです。でも、もっとこうしてくれれば……と思うことも。そんなときは、一緒に取り組んで、直してもらいたいことをさりげなく伝えてみたらどうでしょう。

(読売新聞メディア局編集部 後藤裕子)

▽大量に作る夫。やめて欲しいと思う私は酷いですか?

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滝村雅晴(たきむら・まさはる)
パパ料理研究家、株式会社ビストロパパ代表取締役

 京都府生まれ、神奈川県在住。唯一の「パパ料理研究家」として、世の中を豊かにしていくための活動および事業を展開。食育、男女共同参画、WLB、働き方改革を男性の家事料理参画から推進する。農林水産省食育推進会議専門委員、大正大学客員教授、日本パパ料理協会会長飯士。現在、子どもと参加できるFamCookオンライン料理教室を開催している。