ジェーン・スー、発言小町の魅力を語り尽くす

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写真提供:中央公論新社

読売新聞が運営する掲示板サイト「発言小町」が昨年10月に20周年を迎えたのに合わせ、「なぜ『発言小町』を見始めるとやめられなくなるのか?」というテーマで、「婦人公論」が座談会を行いました。コラムニストのジェーン・スーさん、婦人公論の三浦愛佳編集長とOTEKOMACHI編集長の小坂佳子が、記憶に残るトピや発言小町から見える家族や社会の変化などを語り合いました。

20年の“名作”トピ

座談会にあわせ、OTEKOMACHI編集部では過去の発言小町のトピック(トピ)の中から、時代を映し出すようなトピを20件ピックアップしました。

オレの飯、まだなんだけど(2019年)
義理の母親の出す食事が自分だけ、少なくされる(2019年)
このクラシックのタイトルを教えてください(2018年)
何とか結婚出来ないものでしょうか(2017年)
19歳でホームレス生活。限界を感じています。(2014年)
私のせいでママ友が角刈りになってしまいました。(2014年)
毎日イライラ子育てが一転、ニコニコ笑顔になりました(2013年)
スキニーはくと岡っ引き(駄)(2012年)
こんなときにイケメンだなんて。(とても駄)(2012年)
ウメミヤを探して…(2012年)
子供を亡くしました。昔話を探しています。(2011年)
お義母さま、それはもうネタですか?(愚痴)(2011年)
40歳、初めてのお見合い(2011年)
他人の何気ない一言に助けられた(2010年)
「ハゲはセクシー」と彼女は言うけれど(2010年)
「禁句」を連呼するセキセイインコ・・・どうしたら?(2009年)
長い片思い(2008年)
出産。義理父に分娩を見られるのが嫌です。(2008年)
片づけで幸せになりたいと思ったのに(2008年)
亡くなった主人の子を産むべきか(2007年)

座談会では、これらのトピについて語り合いながら、発言小町の魅力について考えました。発言小町に関するコラムを書いていたこともあるスーさんは、利用者は自分の常識がずれていないか、掲示板で確認しようとしているではないかと指摘します。トピックを見ていくと、時代によって常識が変化していくことも読み取れます。「世の中のリアルな意見の集合体から多数派が見えてくるのが、掲示板の良さなんでしょうね」と、三浦編集長は言います。

私だけじゃない、共感や連帯感

また、スーさんは、「私だけじゃない」がキーワードだと言います。「『なんで私がこんな目に……』と思って検索すると、同じような悩みが腐るほど出てくる(笑)。『なるほど、私だけではない』という意味で共感もするし、少し冷静にもなれる」と、スーさん。三浦編集長は、「まさに『婦人公論』もそういうお悩みが詰まっていますよ。過酷な体験をつづった読者手記を読んで、『私よりもつらい立場にいる人が頑張っている』とエネルギーをもらえたりも」と、続けました。女性たちは、掲示板で正解を得ようとしているのではなく、共感や連帯感を得ようとしているのでしょう。

たわいもないけれどクスッと笑えるトピック「駄トピ」や発言小町独特の表現についても、座談会で話題に上りました。さらにスーさんは、男性が本音を吐露しているトピに関心を持ったそうです。三浦編集長も、「『男だからっていう理由で何かを強いられるのは理不尽です』って男の人が言うのはすごく画期的だと思いました」と言います。「男の人が弱音を吐くと死んじゃうというか、なかなかできなかったものが、『こっちだって疲れてるんだよ』って、手ぶらで言えるのはすごく新しい」と、スーさん。「男性が自分の内面を話せる男性版『発言小町』が出てきたら、世の中も変わってくると思います」。

発言小町には属性も年代も多様な人の意見が集まり、ポイント還元などの特典もないのに多くの人がレスを書き込んでくれる。「女性の“お節介力”というか、世話好きな性質ゆえなんでしょうね。ほら、かつてはご近所や親戚にいたでしょう?“お見合いおばさん”とか。地縁血縁のつながりが薄くなった現代、インターネットという仮想空間で人は助け合っているのかもしれません」と三浦さんは話していました。

座談会の詳細は、婦人公論.jpへ。

ジェーン・スー
コラムニスト・作詞家

1973年東京都生まれ。作詞家としての活動に加え、TBSラジオ『ジェーン・スー 相談は踊る』などでパーソナリティーとして活躍中。2015年、『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』で講談社エッセイ賞を受賞。著書に『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』『生きるとか死ぬとか父親とか』『今夜もカネで解決だ』など。

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