ジャニーズの神対応、エンタメの力感じたYouTube配信

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ジャニーズの動画配信の画面

新型コロナウイルスの感染拡大で、コンサートや舞台の中止・延期が相次いでいます。こうした中、ジャニーズ事務所は3月29日から4日間、YouTubeのジャニーズ事務所公式チャンネルでライブを配信。ジャニーズJr.から嵐まで大勢のタレントが出演し、手洗いを呼び掛けるオリジナル楽曲も披露しました。ファンに寄り添った「神対応」はジャニーズの底力を感じさせ、大きな反響を呼んでいます。

関ジャニ、キスマイ、セクゾ、相次ぐ公演中止

ジャニーズ関係で中止・延期となった公演は、2月下旬から4月中旬にかけての関ジャニ∞、NEWS、Sexy Zone、ジャニーズWESTなどの全国ツアー、Kis-My-Ft2の東京ドーム公演、堂本光一さん主演舞台「Endless SHOCK」など。多数のタレントを抱え、春休み前後は様々なイベントが開催される時期だっただけに、影響は甚大です。振り替え公演の開催など、今後の対応が未定のものも多数あります。

そんな中、ジャニーズのタレントによるYouTubeでのライブ配信「Johnny’s World Happy LIVE with YOU」が3月29日~4月1日に行われました。感染予防を呼び掛け、ファンに少しでも笑顔になってもらいたいと企画されました。当初は3日間の予定でしたが、配信期間終盤に「調整中」とアナウンス。急きょ1日も配信が追加され、嵐が全員そろって登場するなど、大いに盛り上がりました。

29日午後4時に始まった最初の配信。トップバッターを飾ったのは、全国ツアーの大阪や長野公演などが中止になったSexy Zoneです。出演するタレント以外の情報は出ていなかったので、ドキドキしながら画面を見つめていると、誰もいない横浜アリーナの客席にペンライトを思わせる青い電飾が点灯しました。そこへ白いスーツをまとったSexy Zoneのメンバーが登場。中島健人さんが「YouTubeをご覧の日本の皆さん、そして世界中の皆さん、僕らジャニーズが、Sexy Zoneが皆さんを笑顔にします!」とキラキラの笑顔を見せ、ライブがスタートしました。

その次に登場したHiHi Jetsは「僕たちの名前を呼んでくださーい!」「もっともっとー!」「聞こえないー!」などと元気いっぱいに繰り返しあおり、コンサート会場にいる気分にさせてくれました。同時に、そのがむしゃらさが胸を打ちました。

その日の配信の最後は、今年デビューしたばかりのSixTONES。歌唱力の高さを見せつけ、「皆さん、負けるなよ! 笑顔を大切に」と締めくくりました。

各グループの個性光るステージ

その後も1回の配信につき3グループが出演し、各グループ15分ほど歌を披露しました。15分のステージとはいえ、グループによってアプローチや演出が異なり、個性豊か。時に「ジャニーズはグループが多すぎる」と言われることもありますが、配信を通じ、それぞれのカラーが確立していることを実感しました。

Sexy Zoneは「希望や元気を与える」という配信の趣旨から選曲し、メッセージ性のあるステージを作り上げました。「Cha-Cha-Cha チャンピオン」「勇気100%」など応援ソングをメドレーで披露。もっとグループを売りたいと思えば、新しい曲ばかりで構成することもできたはず。しかし、自分たちが今すべきことは何かを考えて構成し、誠実で聡明なSexy Zoneらしさが詰まったパフォーマンスを見せました。中止となったコンサートで披露するはずであっただろう最新アルバム内の楽曲「MELODY」も歌い、公演に行かれなくなったファンへの配慮も感じました。

3月29日の夜の配信では、関西勢のグループがそろいました。なかでも、ジャニーズWESTは関西らしさが光りました。デビュー曲「ええじゃないか」を「ひとつひとまず『手を洗おう』」「ふたつこまめに『うがいしよう』」などと替え歌で歌いました。さながら「ええじゃないか」の新型コロナ対策バージョンといったところで、ファンの笑いを誘いました。明るさを振りまいた後は、昨年のコンサートツアーで好評だったクールなダンスナンバー「YSSB」を披露。「ジャニーズWEST=盛り上げ隊」ではなく歌って踊れるグループでもあるという側面を見せつけ、ギャップえした視聴者も多かったことでしょう。

3月30日夜の配信に出演したKAT-TUNは、炎やスモークを多用した演出など、一切の妥協がないステージ。暗めの照明の中、3人が登場し、「治安の悪さ」がさく裂していました(褒めています)。配信で亀梨和也さんが「ライブを見ているかのような緩急をつけてやりたい」と説明したとおり、前半は懐かしい名曲を披露しました。その後、自己紹介ソング「We are KAT-TUN」を「みんな、うがい、うがい、うがい」などと歌詞を変え、ノリノリで熱唱。ステージ上のスクリーンにも大きく「うがい」「手を洗って」と表示され、中丸雄一さんが「Please wash your hands」と歌うと、上田竜也さんが「(骨)折れるまで~」と合いの手を入れるなど、ユーモアあふれる、印象に残るステージでした。

公開された「Johnny’s World Happy LIVE with YOU」のワンシーン

配信を見たファンからは「元気づけられた」「免疫力が上がった(笑)!」といった声が相次ぎ、記者も気づいたら笑顔になっていました。どのグループも、無観客とは思えないほど熱のこもったパフォーマンスを披露。笑顔を振りまき、元気や希望を届けるというアイドルの役割を全うしていました。準備する時間もあまりなかったと思いますが、ステージのクオリティーの高さにも感心させられました。

手洗いダンス、手作りマスク、啓発もばっちり

ライブの合間には、手洗いダンスや手作りマスクの動画が流れ、啓発もばっちり。特に手洗いの重要性を訴えるオリジナル楽曲「Wash Your Hands」は、ジャニーズの楽曲ではおなじみの松井五郎さん、馬飼野康二さんのペアが制作したそうで、事務所の「本気度」がうかがわれました。

子どもでも覚えやすいキャッチーな歌詞にポップな曲調で、Eテレでも放送できそう。タレントたちは歌に合わせ、手をこすり合わせたり手首まで洗ったり。厚生労働省が推奨する手洗い手順を踏まえたダンスを、様々なグループが次々に踊ります。仲良く、おちゃめに手洗いダンスを踊るアイドルたちに、ほっこりしました。政治家が感染防止策を訴えるより、アイドルの手洗いダンスのほうが、効果があるのでは……とさえ感じました。

無料なのが申し訳ないほど、大満足の配信でした。配信の会場となった横浜アリーナは、NEWSとSnow Manのコンサートを予定していた場所。それをキャンセルせず、ステージにセットを組み、客席に電飾を施し、タレントのスケジュールを調整して……。新型コロナウイルスで不安が高まっている今こそエンターテインメントの力を発信した事務所、スタッフ、タレントたちに大きな拍手を送りたいです。これだからジャニーズファンはやめられません。

(読売新聞東京本社 山村翠)

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