新型コロナ感染防止、子どもの入院・通院どうする?

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新型コロナウイルス感染防止のため、医療機関で入院治療を受ける子どもの付き添いや面会を制限する動きが出ている。一方で、多くの患者が出入りする医療機関で外来診療を受ける子どもが感染するリスクを懸念する声も。子どもが受診する際、親はどんな点に気をつければいいのか、専門家に聞いた。

付き添い制限で負担 感染リスク懸念の声

名古屋市の男の子(1歳)は、指定難病の後遺症治療のため、3月中旬に愛知県内の病院に入院した。同病院は、新型コロナウイルス感染防止のために入院時の付き添いを1人だけに制限し、入院中の面会も禁止していた。

男の子の両親は、交代で休憩しながら24時間態勢で付き添う予定だったが、父親は帰宅せざるを得なかった。1人で看護した母親(32歳)は「満足に食事や睡眠をとれなかった。仕方ないこととはいえ、本当に大変だった」と振り返る。

感染を恐れ、通院を避けたいという保護者もいる。東京都の女性会社員(32歳)は、ぜんそくの持病がある娘(2歳)の薬を処方してもらうため、親子で定期的に大学病院へ通っている。女性は「感染を避けたいので、薬を処方してもらうためだけに病院へ行きたくない」と、本音を漏らす。

また、娘(2歳)が食物アレルギーだという埼玉県の男性会社員(31歳)は「大学病院でアレルギーの検査をするため、かかりつけ医に紹介状を書いてもらったが、今は行くのが怖い」と話す。

まず相談、電話での処方も

厚生労働省は医療機関に対し、必要な場合には面会について一定の制限を設けたり、面会する人に熱があれば断ったりするなどの対応を求めている。首都圏の小児科クリニックの院長は「新型コロナウイルスに感染した患者が出た場合、その医療機関全体の診療を停止しなければならない可能性も考えられる。慎重に対応せざるをえない」と、明かす。

親はどう対応すればいいのだろうか。小児慢性疾患にも対応する「保坂こどもクリニック」(東京都文京区)院長の保坂篤人さんは「感染リスクを避けるために付き添い人数を制限する医療機関もあるが、不安や負担があるのなら主治医に付き添い方を相談しては」と、アドバイスする。

慢性疾患を持つ子どもの通院については、「治療方針が定まり、病状も安定しているようなら、電話診療での処方やまとめて薬を出してもらうことが可能か、尋ねてみましょう」と話す。ただ、病状が悪化した場合は、治療方針を変更しなければならないこともあるので、必ず主治医に受診方法などを聞いてほしいという。

風邪のような症状が出たら、「呼吸が苦しい、薬や食べ物を経口摂取できないなどの場合、すぐ医療機関を受診した方がいい」という。軽いせきが出る程度なら、すぐに受診せず、自宅で様子を見ることを勧める。「例えばインフルエンザなら、発症後すぐには正確に診断できないこともある。みんなの健康をみんなで守るために、軽い症状なら、ある程度様子を見ることも必要です」

スマートフォンなどを利用して医師の診察を受ける「オンライン診療」を導入する医療機関もある。オンライン診療は一般的に、慢性疾患の治療に向いているという。

オンライン診療用のビデオ通話アプリ「クロン」を開発したMICIN(マイシン、東京)によると、約1800の医療機関がクロンを導入している。今年になって、利用患者数が大幅に増えているという。同社の担当者は「オンライン診療なら感染症のリスクを避けることができる。使い方は医療機関によって異なるので確認してほしい」としている。

医療機関での感染防止のために親が気をつけたいこと

保坂さんの話などをもとに作成
・子どもが長期入院する場合などは、医療機関に親の付き添いについて相談する
・慢性疾患で病状が安定しているなら、電話での処方や、長期の分をまとめて処方ができないか聞いてみる
・軽い風邪のような症状なら、まず自宅で療養して様子をみる
・原因不明の発熱が続く、呼吸が苦しい、水分や食べ物を経口摂取できない、ぐったりしているなど症状が重そうな場合は医療機関を受診する

(読売新聞生活部 渡辺達也、野口季瑛)

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