災害時の飲み水を家庭で備蓄するには?

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自宅に小型貯水タンクを設置

災害などで断水した時の飲み水を確保するため、小型貯水タンクを自宅の空きスペースに設置する動きが出ている。日常の水道水利用で水が入れ替わる仕組みのため衛生的で、戸建て住宅の軒下や床下、マンションのベランダなどへの設置が進んでいる。

政府は、災害に備え1日あたり1人3リットルの水を3日分、家庭で備蓄するよう呼びかけている。ほかにトイレを流すなど生活用水も必要となる。家庭用の貯水タンクは、容量が数十~500リットル程度で、数日分の飲料水や生活用水の確保に対応できる。

水道管につないで設置する。普段は水道管の一部としてタンク内を水が流れ、入れ替わりながら新鮮な水がたまっている。災害時は弁を閉め、足踏み式などのポンプで取水する。電気を使わないため、停電時でも利用できる。ペットボトルのように持ち運んだり、入れ替えたりする手間もかからない。

住宅リフォームに合わせ、外壁の脇に設置されたタンク(浜松市内で)

浜松市の自営業男性(40)は一昨年、戸建て住宅のリフォームに合わせ、約50万円かけて外壁脇に直径32センチ、長さ2メートルのステンレス製タンクを設置した。「実家が2016年の熊本地震で水の確保が大変だったと聞いた。飲料水を慌てて確保する心配がなくなり、気が楽になった」と話す。

男性宅に設置されたのは、貯水タンクメーカー、アクアリザーブ(東京)の「マルチアクア」。容量120リットルで、4人家族の3日分の飲料水と生活用水に対応する。同社の鶴谷真平さんは「昨年は千葉県内で台風による停電に伴い断水が続いたこともあり、水の確保への関心が改めて高まっている。貯水タンクがあれば余裕を持って水を確保でき、災害時に自宅で避難生活ができる」と話す。

住宅メーカーも貯水タンクの活用を呼びかける。

トヨタホームは昨年から、戸建ての新築やリフォームでマルチアクアの活用を提案している。積水化学工業も昨年から「セキスイハイム」ブランドに、容量24リットルのポリエチレン樹脂製タンクを床下に置く「飲料水貯留システム」を採用している。

マンションのベランダにも

マンションに導入するケースもある。1級建築士事務所のフューチャードリーム(千葉)は、マンションにも置きやすい縦置きの貯水タンクを昨年から販売している。長野県飯田市の「ミヤコー」が製造したもので、容量は40リットル。ベランダやメーターボックス内に設置する。

マンションのベランダに設置された縦置き型タンク

貯水タンクの普及活動を行う「小型非常用貯水槽協会」(東京)の串田俊之さんは「旅行などで家を空け、何日間か水道を使わなかった場合は、タンクの水は風呂水などの生活用水に使い、水が入れ替わるまでは飲用にしないほうがよい」と話す。

マンションに設置する場合は、事前に管理組合や管理会社に相談する。防災関連の商品を購入する際に補助金が出る自治体もあるので、問い合わせてみるとよい。

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