「テレワークの娘にストレス限界」、新型コロナで家族に悩みの声

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新型コロナウイルスの感染拡大防止もあって、政府が企業に強く推進を呼びかけている「テレワーク」。全社挙げて在宅勤務などのテレワークを行う会社も出てきましたが、受け入れる家族には、突然のことに不満や戸惑いもあるようです。掲示板サイト「発言小町」には、「テレワークの娘にストレスの限界です」という投稿が寄せられました。家庭では、どんなルール作りが必要なのでしょうか。

食卓を奪われた母「こんなに長く続くとは……」

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トピ主の「木目込み人形」さんは、夫と社会人3年目の24歳の娘と3人暮らし。娘の勤め先が、新型コロナウイルスへの対応で、3週間ほど前から在宅勤務へと切り替えられました。娘は、朝食後から夕方6時ごろまで、4人掛けのダイニングテーブルにパソコンや資料を広げて仕事をしています。このため、家族の昼食もソファテーブルのところまで運んで食べ、トピ主さんがふだん熱中していた人形作りのスペースがなくなってしまいました。

「(娘のテレワークが)こんなに長く続くとは。本当にストレスがたまります。今日も『どうにかならないのか』と言いましたが、(娘から)『文句があるなら会社に言って』と言い返されました」と不満をつづっています。

始めてみると、問題が多数発生!

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この投稿には、300通以上の反響がありました。

「通りすがり子」さんは「私の会社でもテレワークになりました。会社は大変な調整を頑張ってくれたことだと思いますが、いざテレワークが始まると、娘さんのように長時間仕事をするスペースがない、家族に邪魔されるなどの問題が多数発生しています」と書き込みました。

「通りすがり子」さんの場合も、執務スペースは同じようにダイニングテーブルで、パソコンを持ち込んで仕事をしていますが、テーブル上には休校中の子供の宿題やドリルなどが散乱。テレビ会議をするときは、子供がうるさいので部屋を移り、子供が遊んでいるゲームの音があまりにうるさいときは、「自分の部屋に行け! 仕事中だ!」と叱らなくてはなりません。

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「うちの場合は、私が家計を担っているから、そういうふうに堂々と言えるわけですが……。慣れない場所での長時間の仕事に、肩こりはひどくなるし、体中かたくなります……」と「通りすがり子」さんは打ち明けています。

「甘えでは?」「家族への配慮も大事」

一方で、トピ主さんの娘の甘えを批判する意見も多数寄せられています。「住まわせてもらい、食べさせてもらっておきながら、その態度。なんなんでしょう。会社がテレワークしろと言っても、親には関係のないことです」と書いたのは、「じこちゅうちゅう」さん。「ne2kai」さんは、「テレワークをしている規模の会社なら、お客様窓口ありますよね。長期間テレワークを続けるなら、サテライトオフィススペースを設けるなど、社員の家族の負担軽減についても、考慮してほしいと伝えたらどうでしょう」と提案します。

「猫丸」さんからも「テレワークなんだから仕方ない(家にいる人が我慢すべき)っていう考え方は同意できません。まずは家族の協力が必要だと思うからです。娘さんは、実家に住まわせてもらっている身なのだから、最初に家にいるトピ主さんに理解を得るべきです。普段平日昼間に家にいないんだから、テレワークをする側が、家族が不快にならないように配慮すべきです」という意見がありました。

「テレワークあるある」で情報提供

先進的にテレワークに取り組んできた企業の中でも、さまざまな声があります。

2017年からテレワークを始めたICTインフラトータルサービスの「ユニアデックス」(本社・東京)の研究部門「未来サービス研究所」では、今月ホームページ上に「テレワークあるある こんな時みんなどうしてる?」というコーナーを設けました。

社内外のテレワーク経験者の生の声を集め、自宅でテレワークを実施する際に戸惑ったことや家族との調整の仕方など、問題解決のヒントを掲載しています。同研究所の主任研究員・八巻睦子さんは「話してみると、みなさん同じような悩みを持たれていることが多いですね。でも、同僚が身近にいるオフィス環境と違って、テレワークでは、例えばランチ中などにちょっとしたおしゃべりをしながら悩みを共有するということが難しいんです。だから、『悩んでいるのは、あなただけではない』と伝える必要があると思いました」と話します。

「テレワークあるある」では、オフィスのように長時間のデスクワークを想定した机やいすがそろう家庭は少なく、腰痛を訴える人がいることを紹介。「クッションの当て方を工夫したり、休憩を兼ねて軽くストレッチを」とアドバイスしています。

また、テレワークに当たっては、ふだん自宅にいる妻との調整が一番難航したという男性の声を紹介。「一番は、昼ごはん! (妻と)一緒に食べるかどうか? もし一緒のときは何時にするか? 二番目は、通勤が無くなるので、朝ごはんの時間変更。それにいつ外出するのか???  結局、一週間のスケジュールを妻に提出し、承認をもらうことになりました」とこの男性はつづり、「テレワークを始める前に、何時から何時までが仕事なのか、特に静かにしていてほしい時間帯はいつか、お昼はいつ誰ととるか、など一日のタイムテーブルを家族で共有しておくことがベストです」と語っています。

「テレワークあるある」は、「2~4」とシリーズ化していて、「2」では、共働き家庭の夫婦が同じ時期にテレワークになってしまい、「(家庭内の)ベストポジションをめぐって、争奪戦が起きた」というエピソードも紹介しています。

家族でタイムテーブルを共有、話し合いで解決を

「日本の住宅環境ですと部屋数は限られていますから、通信環境や冷暖房などの条件から、リビングやダイニングテーブルが執務スペースに適していると考える人は少なくありません。同居家族は生活スペースを奪われることになるので、不満を持ちやすいです。テレワークを始める前に、一日のタイムテーブルを家族で共有し合って、不満を最小限にすること。家族それぞれのその日の予定を、紙に書きだすのもよいと思います。とくに仕事内容については、テレビ会議があることや、静かなところで集中したい資料作成などの作業、リビングで雑音に囲まれながらでもできそうなルーティン作業……と細かく仕分けして、この時間帯はだれがどこを使うなど調整するといいですね」と八巻さんは強調します。

ユニアデックス未来サービス研究所の主任研究員・八巻睦子さん

八巻さんによると、これまでのテレワークは「一人につき、週に2回まで」「子供が熱を出した場合に」など、連続する働き方というよりは、いわば“点”として運用される傾向がありました。しかし、今回のコロナウイルス感染拡大防止によって「毎日、さらに数週間連続」など“線”として運用する例が目立つようになってきました。

「“点”の時には、腰痛など体の不調や家族の不満・ストレスもあまり問題にならなかったのかもしれませんが、連続した“線”としての展開となると、不調や不満が積み重なってトラブルを引き起こす可能性が増えます。多くの人と情報を交換しあうなかで、それぞれの家庭で工夫できるポイントが見つかるといいですね」と八巻さん。

テレワークには、通勤時間からの解放や家族との時間が増えるなどの良い面もたくさん指摘されています。ただ、今回は、コロナウイルス感染拡大防止という必要に迫られての事態。自宅というプライベート空間に仕事を持ち込む以上、身近な家族の戸惑いや不満を解消できるようにしっかりとコミュニケーションをとりたいですね。

(読売新聞メディア局編集部・永原香代子)

【紹介したトピ】
テレワークの娘にストレスの限界です
【紹介したHP】
テレワークあるある:ユニアデックス株式会社 未来サービス研究所

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