孫の面倒で“コロナ疲れ”も…親に子を預ける時に気をつけること

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新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、政府が全国の小中高校などに一斉休校を要請してから2週間余り。働く女性の中には、子供を学童保育に預けたり、自宅で留守番をさせたりと、子供の居場所づくりに苦労している人も多いでしょう。我が子の面倒を見てもらうのに、自分の親はとても頼りになりますが、長期間にわたって孫を預かって疲れが見えたり、持病などを理由に孫の面倒を見るのを嫌がる人もいるようです。お互いにどんな点に注意すればいいのか、専門家に取材しました。

預け先、約半数は祖父母や親戚頼み

ママ向け動画メディア「mama+(ママタス)」は、子育て中の女性を対象に、今回の休校措置に関するアンケート調査を実施しました。同調査では、休校にどう対処するか、仕事を持つ女性に尋ねたところ、「子供だけで留守番」が43.8%で最も多く、次いで「子供を預ける」が41.0%に上りました。

写真はイメージです

子供の預け先は、「(子供の)祖父母・親戚」が48.4%で最も多く、「学童」(37.2%)、「学校など今回特別措置の公共の場所」(5.3%)、「ママ友・子供の友人宅」(2.1%)と続きました。仕事に行かざるを得ないママにとって、親が心強い預け先であることがうかがえます。

食事もいつもより1、2品多く……疲弊する祖父母

神奈川県に住む60歳代の女性は、小学校2年生の孫を自宅で預かっています。女性は「孫はかわいいけれど」と前置きしたうえで、「そろそろ疲れてきました」と愚痴をこぼします。ずっとテレビばかり見せるわけにもいかないので、宿題を見たり、公園へ遊びに行ったり。時には車を運転してショッピングモールなどに連れて行き、おもちゃを買ってあげるなど、孫中心の忙しい毎日が続いています。

子供が好きなオムライスやハンバーグ(写真はイメージです)

献立を考えるのも一苦労です。夫婦2人だけの生活では、献立は野菜や魚が中心ですが、今はハンバーグやオムライスなど孫が好きなメニューも作らないといけないため、「いつもより1、2品は多く作っている」と言います。趣味のテニスに出かけることもできず、運動不足にもなっています。「娘も仕事を休めないので、しょうがないのはわかるのですが、長く続くと結構大変ですね」と話します。

持病があり、孫に来てほしくない

読売新聞が運営する掲示板「発言小町」には、持病があるため新型コロナに感染しないように人との接触を避けているのに、娘や孫が訪ねてくるので困っているという人からの声が寄せられています。

娘の家族はいつも外に出歩いていて感染リスクが拭えないので、「こんな時ぐらい来てほしくない」と伝えるのですが、娘は「神経質」だの「大丈夫」だのと言って理解してくれないそう。「私たちが自己中で神経質なのでしょうか。孫がいる方々は平気ですか?」と尋ねました。

少しでも楽になるように

新型コロナ感染拡大の影響下での祖父母と孫の付き合い方などについて、祖父母や地域住民らの子育て協力を提唱するNPO法人「孫育て・ニッポン」理事長の棒田明子さんに聞きました。

孫の世話をする祖父母について、棒田さんは「普段と異なり、生活リズムや食生活が孫中心になります。特に孫が小学生以上だと『あれが食べたい』『どこに行きたい』などと希望を言うので、それに応じるのも大変です」とした上で、「レトルト食品を利用したり、孫に家事を手伝ってもらったりするなど、少しでも楽になるようにしてください」とアドバイスしています。

出費がかさむ祖父母に前もってお金を

小学生以上になると食べる量も多く、祖父母がいつもは買わないおやつやジュースなどを買う機会が増えるため、出費もかさみます。「このまま春休みまで突入すれば、預かり期間は何週間にも及びます。子供を親に預ける場合は、前もってお金を渡すなどしておきましょう。祖父母も『今日は疲れたから外食にしようか』と考えることもできるはず」と言います。

「子供を預かってくれる親に感謝の気持ちを伝えるのはもちろんのこと、『仕事は調整して休むから、しんどかったら遠慮せず言ってね』と声をかけるなど、気遣いを忘れないようにしてください」と話していました。

感謝の心を忘れずに(写真はイメージです)

預かりを断る勇気を持って

高齢者や持病のある人については、「孫の預かりを断る勇気をもってほしい」と棒田さんは強調します。「報道によると、ベルギー政府は、感染すると重症化しやすい高齢者が子供の世話をしないように呼び掛けたそうです。万が一、孫がコロナに感染して祖父母にうつし、重症化したら、もっと大変です。預ける方もそのリスクをちゃんと把握する必要があります」と指摘します。

拡大し続けるのか、収束するのか、まだ先が見えない新型コロナウイルス。親に子供を預かってもらう場合は、ちゃんとお礼の気持ちを伝える。祖父母が孫の訪問を断る場合は、その理由を丁寧に説明するなど、家族でコミュニケーションを取り、みんなが気持ちよく過ごせるようにしたいものです。

(取材:読売新聞メディア局編集部 山口千尋)

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