育ちがいい人だけが知っていること…婚活やお受験で気になる「育ち」とは?

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なんとはなしにノーブルな雰囲気を漂わせ、そこはかとなくスマートな振る舞い、そして、誰からも好かれる人たちは「育ちが良い」と言われることがあります。「育ちの良さ」は、由緒ある家柄、親のしつけなど、生まれ育った環境で決まると思われているため、はなからあきらめてしまいがちですが、大人になってからでも身に付けられるのでしょうか。「『育ちがいい人』だけが知っていること」(ダイヤモンド社)を出版したマナー講師の諏内えみさんに聞きました。

――「育ちの良さ」というのは身に付けられるのでしょうか?

婚活や子供のお受験などの場面で、「育ち」を気にする方が多くいらっしゃいます。「小学校受験をさせたいけれど普通の家なので」と悩まれるご両親もいれば、「知り合った男性のお家柄が良くて萎縮いしゅくしてしまう」と戸惑う女性もいます。

家柄、しつけ、裕福さなど、生まれ育った環境は変えることができませんが、大事なのは、「大人になってから、どのように過ごしてきたか」です。大学生や社会人にもなって、箸の持ち方がおかしいと指摘されたときに、「親が教えてくれなかった」なんて言い訳は通用しません。このように、人が言う「育ちの良さ」というのを意識すれば、直すことも身に付けることもできます。

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普段から「お」を付けたい言葉

――それは、いわゆるマナーとは違うのでしょうか?

「マナーは思いやりです。相手の気持ちを考えましょう」。こんなふうに言うマナー講師がいますが、そんなこと当たり前です。マナーは型ですから、具体的なやり方や手順があります。たとえば、フランス料理などをいただく場合、フォークやナイフの使う順番や持ち方はマナーで決まっています。

ただ、食事中に魚の骨が歯に挟まったら、どう対応すればいいでしょう。目の前に置いてある爪楊枝を使っていいのでしょうか。様々な場面で実は、マナーとしてこれが正解というのがない場合が多くあります。そういうときの振る舞い方にこそ、その人の「育ち」がにじみ出るものです。

――具体的に「育ちが良い」とされる振る舞いの例を教えてもらえますか?

普段の言葉づかいで印象ががらりと変わることがあります。
「ちょっと、化粧直してくる」→「ちょっと、お化粧直してくる」
「そこのしょうゆ取って」→「そこのおしょうゆ取って」
改まった場面であれば、言葉づかいに気を配る方でも、オフィスや仲間うちになると、つい、おろそかになってしまいがちです。何気ない日常の中で、身近な言葉に「お」を付けるだけでぐっと好感度が上がります。

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「こんにちは。本日はお忙しいなか、ご足労いただきありがとうございます」。取引先の方とお会いした際、ほとんどの人はこんなふうにマナー通りのあいさつができます。これに、「春らしいお色ですてきなネクタイですね」「暖かくなって、過ごしやすくなりましたね」などと、会話を広げる一言がさらりと出てくるといいですね。決まり切ったあいさつにとどまらず、気の利いた言葉が続けられると好印象につながります。

相手の目を見て話しなさい?

――どうすれば、そのような「育ちが良い」振る舞いはできるようになりますか?

大切なのは、素直さと俯瞰ふかん力です。年齢や性別に関係なく、アドバイスをまっすぐに受け止め、すぐに行動に移される方は、どんどん変わっていきます。自分のコンプレックスを認め、望ましい振る舞いのコツを知ることで、自信と余裕が持てます。そうすると、他人を妬んだり、ひがんだりすることがなくなります。「すてきなバッグ。どこで買ったの?」「美人だからうらやましいわ」……。こんなふうに他人を素直に褒めることができるようになります。

俯瞰力というのは、周囲の状況をきちんと認識する力です。相手がどのような立場の方なのか、どのような場でお会いするのか、といったことを把握し、その場に合った振る舞いができることです。マナーの正しさではなく、周囲の方たちの雰囲気に合わせた服装をしたり、会話の内容を変えたりする対応力とも言えます。

「育ちの良さ」について語る諏内さん(東京都品川区で)

――直したほうがいいと思う振る舞いはありますか?

最近、特に気になるのは、相手の目を見すぎたり、距離が近すぎたり、圧が強かったりする方ですね。おそらく、子どもの頃に「人の目を見て話しなさい」と言われ、それを忠実に従っているのでしょう。

ただ、じっと見続けられると、戸惑ってしまう方もいます。話をするときに、ぐっと近づいて話される方もいます。いずれの場合も、相手がどうすれば心地良いかを考えていません。うなずきや相づちの回数が多すぎる方も目立ちます。「はい、はい、はい」「なるほど、なるほど、ですね」などを頻繁に繰り返すと、相手に不快感を与えることもあります。マニュアルに固執しすぎてしまうと、それはそれで品性を疑われかねません。

家柄、しつけ、裕福さといった育った環境は変えられませんが、「育ち」は大人になってからの生き様なのです。「育ち」が気になったら、そのときが変わるチャンスなのです。

(聞き手・メディア局編集部 鈴木幸大)

諏内 えみ(すない・えみ)
「マナースクール ライビウム」「親子・お受験作法教室 ライビウム」代表

VIPアテンダント業務、アテンダント育成を経て、ライビウムを設立。上質マナーや美しい所作を始め、会話術、婚活、お受験マナーの講座も人気。映画やドラマでも、女優やタレントのエレガント所作指導に定評。テレビ出演も多数。近著に「『育ちがいい人』だけが知っていること」(ダイヤモンド社)。