「私はなんてセレブなんだ」…プチぜいたくで幸せスキル磨き

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将来の家計への不安に、昨秋の消費税率引き上げなどが加わって、消費者の財布のひもは固くなるばかり。その一方で、「自分へのごほうび」として、いつもより少しだけ高い買い物をしてストレス解消や気分転換を図る「プチぜいたく」と呼ばれる消費行動が定着してきました。読売新聞の掲示板「発言小町」には、「私はなんてセレブなんだ。」というタイトルで、日常生活でのプチぜいたくの例を挙げた投稿が寄せられ、共感の声を集めています。消費行動の研究者は、「大事なのは人との比較でなく、自分の基準。自分基準でプチぜいたくを楽しめる人は『幸せスキルが高い』」と話します。

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トピ主の「偽セレブ」さんは、買い物などで“ママチャリ”を乗りこなしながら暮らす庶民派の女性。「私の完全セレブなふり生活の一部です」として、「パン屋さんで1個140円のクリームパンを家族全員分買ったとき。子供の通院でタクシーを使ったとき。デパ地下のショーケースに並ぶ総菜を何種類か買ったとき……」などと、自分のプチぜいたく体験を並べました。そのうえで、「みなさんの『自己満セレブ生活』ありますか」と発言小町で呼びかけました。

このユーモラスな問いかけに、200通余りの反響が寄せられています。「私もセレブです!」と即答したのは、「ぴー」さん。「回転寿司で一貫200円のお寿司を手に取ったとき、洋服をセールではなく元値で買ったとき(ほとんどセール品を着ています)、チーズののった牛丼を頼んだとき……以上、100円で買った靴下を気に入って履いている主婦がお伝えしました」と報告しました。

「ぴよよ」さんは、「スーパーでミカンやバナナの方が安くても、あえてイチゴを買ったとき。職場の近くのステーキ専門店で200グラム1000円のステーキを、平日に一人で食べたとき」と書き込みました。

このほか、食品関係では「スーパーで、色が悪くなって半額になった『すき焼き肉』をゲットし、肉じゃがを作ったとき。びっくりするくらいおいしかった」(「化膿姉妹」さん)、「お高めのドレッシングやジャムや蜂蜜を買ったとき」(「Jun」さん)、「つい先ほど、自分の誕生日に到着するように、ネットでタラバガニを注文しました」(「ムーさん」さん)といったエピソードが寄せられました。

乗り物関係では、「どうしても座りたくてグリーン車に乗ってしまうとき。たった数十分だけどセレブ~な感じします」(「こっこ」さん)、「海外出張の際はエコノミークラスなのですが、マイルを使ってビジネスクラスにアップグレードした時」(「ラムネ」さん)など、座席をグレードアップしたという体験談が目立ちました。

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さらに、入浴を巡っては、「夫が出張中は真冬でもシャワーだけなのに、お風呂を張って、取って置きの入浴剤を入れたとき。からだが溶けていきそうです」(「花セレブ」さん)、「箱根湯本でヒノキの木片の入浴用のネットの袋入りを発見。買ってきました。丸っこい卵型の木片です。使い終わったらS字フックに掛けてつるしておけばOK。セレブな私は、自宅でも良い香りで入浴してます」(「あわ」さん)といったエピソードが寄せられました。

この投稿について、消費行動を研究する第一生命経済研究所・主席研究員の宮木由貴子さんに聞いてみました。

宮木さんは、「節約を志向しつつも、『ここぞ』というときにはグレードアップしたものを買い求める、いわゆるプチぜいたくは、長引いた不況で現れた消費行動です」と話します。「この投稿の中では、みなさんが人との比較でなく、自分の基準で発信していることがとても興味深いと思います。以前だったら、幸福を語るのに『収入が高いこと』『社会的地位が高いこと』など、一般的な基準で人との比較をしがちでした。しかし、今の時代は幸せやぜいたくのとらえ方が変わってきたのでは」と指摘します。

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宮木さんは、全国2万人の調査を踏まえて著した「人生100年時代の『幸せ戦略』」(東洋経済新報社)の中でも、「幸せかどうかは、人との比較でなく、自分の基準で決まる」「日常生活に楽しさ、面白さ、ワクワク感を感じられる人は、幸せスキルが高い」などと記しています。

「どんなときに幸せを感じられるかをネットで共有できるのは、幸せスキル・感性を磨くためにも意味あることです。楽しく語り合えたらいいですね」と宮木さん。この投稿を読むと楽しくなるのは、日常生活の中のささやかな幸せを振り返ることができるからかもしれませんね。(読売新聞メディア局編集部・永原香代子)

【紹介したトピ】
私はなんてセレブなんだ。

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【本文中でご紹介した本はこちら】
「人生100年時代の『幸せ戦略』」第一生命経済研究所編/著:宮木由貴子・的場康子・稲垣円