東日本大震災から9年 手作りの「カワイイ」を買って復興支援

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東日本大震災から3月11日で9年。今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、震災関連の行事の多くが中止になるなど、活動の自粛を余儀なくされるなか、どこにいても参加可能な復興支援プロジェクトが注目されています。被災者が手作りした商品を買うことで支援しようというもので、各プロジェクトが取り扱うのは、色とりどりでカワイイ商品ばかり。親しい人へのプレゼントや、がんばる自分へのごほうびに、作り手の心のこもった品々を取り寄せてみるのはいかがでしょうか。

南三陸ミシン工房(宮城県南三陸町)

「南三陸ミシン工房」は、大津波に襲われた南三陸町の女性たちが、ミシンを仕事や生きがいにしていくために、ボランティアと共に立ち上げられました。スタート時、メンバーのほぼ全員の自宅が流されていました。途方に暮れる中、プロジェクトが全国からの支援金で購入した家庭用ミシンを仮設住宅に配布し、女性たちはお互いに教え合いながら縫製の技術を高めてきました。今では職業用ミシンに切り替え、9人の女性たちがそれぞれの能力に合わせた商品を請け負っています。

「【大判サイズ】がんばっぺし!!ポーチ」 各2,090円 (税込み)
イギリスのインテリア生地ブランド「CLARKE & CLARKE」の生地などを使用。
 →ウェブショップは こちら

誰が作ったかが分かる「製作者カード」が付いています
「ミシンでお仕事プロジェクト」として2011年10月に始まりました

Nozomi Project(宮城県石巻市)

「Nozomi Project」は、宮城県石巻市の女性たちが作ったオリジナルアクセサリーのブランドです。震災直後は、大津波で流された食器類やそのカケラをていねいに加工して、アクセサリーを作っていました。現在は、工房に寄付された食器や陶磁器も再利用して、ネックレス、ブレスレット、ピアスなどを手作りしています。すべてが、世界で一つだけのデザイン。売り上げは、材料費や人件費、運営費などに使われるほか、年間の利益の2割を地域コミュニティーや海外の人道支援団体へ寄付しています。英語サイトもあり、海外からの注文にも対応しています。

「Haruna ネックレス」 各5,000円(税込み)
フレームに陶磁器のカケラをはめこんでいます。スターリングシルバーチェーン付き。
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譲り受けた陶磁器に新たなストーリーを与えています

GANBAARE(宮城県気仙沼市)

宮城県気仙沼市は、古くから漁業や水産加工業が盛んな街。古くなった船の帆を腰に巻いたことに由来するといわれる帆前掛ほまえかけは、地元の人にとってなくてはならない仕事着でした。震災では大津波で数多くの仕事場が流され、人々は職を失いました。その時、縫製技術を持った職人たちが「何かできないか」と集まり、開いた小さな工房が「GANBAARE」の始まりです。商品のバッグやポーチなどは、デザインから縫製まですべて職人たちによる手作り。帆布や帆前掛けをアレンジしたものが特徴で、「気仙沼の人々が前に進むための新たな帆となるように」との願いを込めて作られています。

「ミニバッグ【縁和柄】」 2,750円 (税込み)
縁起の良い和柄に、気仙沼の特産品「フカヒレ」「カツオ」の模様をミックス。
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生地を裁断する場所によって柄の出方が異なります

EAST LOOP

「EAST LOOP」は、被災地で誰でも参加できる手仕事を生み出し、その商品を全国に届けて、売り上げを生産者グループに直接届けています。商品を編んでいるのは、震災被害が特に大きかった岩手県、宮城県の沿岸部の女性たち。彼女たちからは「家族を亡くし、寂しい思いをしている時に誘われて参加した」「落ち込んだ時、このブローチ作りで救われている」「購入してくださった方からのメッセージを、くじけそうになった時のお守りにしている」という声が寄せられています。商品の本体価格の50%が、生産者グループを通じて東北の人たちに届きます。

「ハートブローチ」  880円(税込み)
小さなハートを二つ重ねた「ハートブローチ」はEAST LOOPの代表的な商品。
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パッケージ裏面に作った人のニックネームと生産地が書かれています

大槌復興刺し子プロジェクト(岩手県大槌町)

東北では古くから、貴重だった布を大切に使う知恵がありました。厳しい寒さをしのぐため、布を重ねて刺し縫いする技術が広まり、やがて糸目で模様を描き出す刺しゅう「刺し子」に発展しました。岩手県沿岸部の大槌町で、大津波から逃れた避難所で始まったのが「大槌復興刺し子プロジェクト」。限られたスペースと材料でできる作業を、職や希望を失った女性たちに広めました。「刺し子をしている間は、嫌なことを忘れて夢中になれる。とても楽しいし、気持ちにゆとりが持てる」と話す人も。現在も30人以上の刺し子さんが集まり、「震災でほころんでしまった町を、もう一度つくろい、補強し、たくましい町にしていきたい」との思いで活動しています。

「『マチ付き』刺し子ポーチ」 各4,290円(税込み)
メイクポーチにぴったり。内側の両サイドにポケット付きです。
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ヘリンボーン柄の刺し子を両面に贅沢にあしらっています
一針一針「手で刺す」ことにこだわっています

※商品のサイズや購入時の送料などは、各ウェブショップをご確認ください。

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取材中、プロジェクトに携わる人たちから「予定していたイベントが3件、中止になりました」「東京での復興支援フェアに参加する予定だったのですが、断念しました」といった声が聞かれました。各プロジェクトで作られた品々には、生産者の思いと希望が込められています。一つ一つの商品との出会いが、作り手である被災者や支援者だけでなく、商品を手にした人の心まで照らしてくれそうです。これからも息の長い支援を続けていきたいですね。

(取材・文/読売新聞メディア局編集部 李 英宜)

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