森井久恵さん 前進あるのみ!

国際女性デー

スターバックスのチーフマーケティングオフィサー(CMO、最高マーケティング責任者)を務めています。日本国内にある店舗で出されるドリンクやフードの企画・開発、マーケティング、デジタル戦略に関して、トップの立場にいます。

私が就職した頃、スターバックスは日本に上陸したばかりでした。女性の就職というと、事務職、総合職といった区別がありました。日本企業に採用されましたが、男性ばかりの中で、どうやって、やっていこうかと悩んだこともありました。そんなとき、スターバックスのカップを持ち込んで会議に臨んでいました。なんとなく、強い気持ちになれました。当時、スタバはモダンで先進的、ワクワクする象徴でした。そういったブランドを持っているという自信を感じられました。

私のミッションは、次の20年に向けてブランドイメージを構築していくことです。20数年前は、女性の総合職というだけで、もてはやされるような時代でした。今はもっと違うステージで女性たちが活躍しています。これから先は、さらに変わっていくはずです。

そのとき、さまざまな強みを持った人たちの多様性を認めなければやっていけないはずです。国籍、年齢、ジェンダーにかまわず、意見を言い合えなければ、画期的な新しいアイデアは生まれません。タイで勤務していた経験もありますが、職場の9割が女性だと驚いていたら、そのうちの3割くらいはトランスジェンダーでした。とても自己主張が強かったけれど、クリエイティブで前向きでした。

これからの企業のリーダーやトップと言われる人たちは、多様な個性を認めつつ、必要に応じて「集約する」「決める」「却下する」という役割を求められます。判断軸は、「お客さんのためになるか」「パートナー(従業員)が納得できるか」「ビジネスとして成り立つか」の三つです。ロジカルであり、エモーショナルに説明することもリーダーシップに必要な要素となります。

止まっていたら、失敗すらできず、成長もありません。たとえミスをしたとしても、もう一度やり直せば、結果的に前に進んでいます。「これは間違ってもいいや」と思って決断することもあります。「やらかした」と悔やむことも。でも、何も決めずに動かなければ、何も変わりません。達成感や高揚感を得るには前進あるのみ!です。

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森井久恵(もりい・ひさえ)
スターバックス コーヒー ジャパンCMO

国際基督教大学卒業後、NTT東日本入社。2000年にブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンに移り、マーケティングと営業を経験。03年ユニリーバ・ジャパンに転職。「Dove」のブランドマネジャーやアジア担当ディレクター、中国・タイでのマーケティングバイスプレジデントなどを歴任。18年スターバックスに転職しCMOに就任、現在に至る。