安田菜津紀さん 「安心・安全」というバトンを手渡す

国際女性デー

フォトジャーナリストを目指していた学生時代、男性ばかりのフィールドでは、「男みたいにたくましいね」と言われることは、褒め言葉であるかのように思っていました。「“マイノリティー”が“マジョリティー”に合わせていくことが正解ではない。私は私」と思えるまでには時間がかかりました。こうした構造はジェンダーに限らず、障害やセクシャリティーなど、あらゆる場面で根強く残っているのではないでしょうか。

フォトジャーナリズムという限られた業界の中でも、この数年だけで性暴力やパワハラの告発が相次ぎました。学ぶための間口が少なく、力が1か所に集中しやすかったことも、問題が長年、解決されずにいた一因でした。こうした実態を前にしながら、迎合したり沈黙したりすることは、もはや問題の先送りにしかならないのだと思います。

次世代が安心して、安全に学びたいことを学び、自身の夢を追いかけられるための場づくりを続けていきます。それと同時に、差別や暴力に深く傷つき、「声を上げられない自分が悪いのかな」と、自身を責めてしまっている人たちに伝えたいことがあります。

悪いのはあなたではないし、顔、名前を出せなくても、できることはたくさんあります。でも、まずは自分の心身をしっかり休ませてほしい。大切なのは早く立ち上がることではなく、自分自身の心のリズムで生きられるようになることだから。

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