高田千明さん 人生笑ってタノシメ

国際女性デー

生まれた時から視覚に障害があり、20歳頃に完全に視力を失いました。中学校から社会人になるまでずっと盲学校に通い、ゴールボールやトランポリン、水泳など様々なスポーツに親しみました。盲学校を卒業してから、企業内でマッサージ師として勤め始めましたが、「風を切って全力で走りたい」という思いが抑えられず、障害者の陸上競技大会に出場しました。そこで出会った人から「全く訓練していないのにそのタイムはすごい。本格的にやったら日本代表になれるんじゃない?」と言われ、初めてパラリンピックの存在を知ったのです。クラブチームに入り、アトランタオリンピック陸上短距離の日本代表・大森盛一さんに出会って、本格的に取り組み始めました。

最近、「ダイバーシティー」「多様性」という言葉をよく耳にします。私は目が見えませんが、障害の有無を意識したことはありません。人生は1回しかないから、やりたいと思うことを口に出し、行動に移して、達成していくようにしています。いつも大事にしている言葉は、「人生笑って楽しめ」。目が見えないことを嘆いても何も変わりません。人種や性別は関係ない。「何をするか、何をしたいのか、そのためにどう行動するのか」が大切だと思います。「楽しいことないかな?」「いいことないかな?」が口癖。人生の最期は笑って迎えたいですね。

小学5年生の息子がいます。幼い頃、泣いている子供を置いて練習に行ったこともありまし た。3歳くらいの時、「ママは目が見えないけれど、他のお母さんと変わらず何でもできるんだよ」と自慢げに話してくれました。子供にも協力してもらっているから中途半端にはできません。キラキラが大好きな息子。金メダルを取って、世界一のママを見せてあげたいですね。

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高田 千明(たかだ・ちあき)
パラリンピック陸上競技選手

1984年生まれ、東京都出身。東京パラリンピック陸上日本代表。走り幅跳び、100メートルの日本記録保持者。2016年リオ大会の走り幅跳びT11クラス(全盲)で8位入賞、17年世界パラ陸上で銀メダル、19年11月のドバイで開催された世界パラ陸上選手権では4位に入賞し、東京パラ大会の代表に内定。ほけんの窓口グループ株式会社所属。スポーツ分野などでの人材育成を手がける一般社団法人「HDP」(ホシノドリームズプロジェクト)の支援選手。夫の高田裕士さん(トレンドマイクロ所属)は、聴覚障害者の大会「デフリンピック」日本代表選手。