テーマは復興、台風に見舞われた長野の善光寺を彩るイルミネーション

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三浦正基撮影

長野市の善光寺や周辺を光で彩る「長野デザインウィーク 善光寺表参道イルミネーション」のメインイベントが2月22日、始まりました。昨年10月の台風19号で市内を流れる千曲川の堤防が決壊するなど、甚大な被害を受けた長野市。昨年度に続き2回目となる今回は「復興の光」をテーマに、初めて善光寺の本堂内陣でも光と音によるインスタレーションが行われています。

本堂内でも初実施、幻想的な空間演出

同イベントは、復旧・復興を優先させるため一度は中止が決まりましたが、「市民を元気づけ、復興の後押しになれば」と開催されることになりました。

演出は、空間デザイナーの長谷川喜美さんが担当。今回は、善光寺の本堂外観や山門に加え、初めて本堂内陣にも演出が施されています。本堂内陣では、音楽にあわせてチョウ、ハスの花、クジャクなどをモチーフにした光が約3分間映し出され、幻想的な空間が広がります。欄間の来迎二十五菩薩ぼさつ像にもスポットライトが当たり、唯一菩薩が乗っていない雲にだけ照明を当てる演出もあります。この雲は、参拝者が極楽浄土に行く時に乗るものとされています。インスタレーションを通じて、普段は見過ごしがちな美しい装飾や彫像、そしてそれらが持つ意味に気付かされます。

加瀬部将嗣撮影

本堂外観、本堂前の石畳、山門も、ハスの花などをモチーフにした光の演出で、参拝者の目を楽しませてくれます。

長谷川さんは「善光寺の内部は天井などに細かい美しい装飾がありますが、普段は薄暗くて見えない。そこに光をあて、引き立たせることを工夫しました。暗いニュースが多い中、善光寺から復興の光、希望の光を照らせることを願っています」と話していました。

22日は、時折雨が降る天候にもかかわらず大勢の人が訪れ、本堂内陣にチョウやハスの花が浮かび上がると「すごい」と歓声が上がりました。近くに住むという50代の女性は「善光寺には何度も来ているが、普段は味わえない雰囲気で新鮮」と満足そうでした。

イルミネーションが終わると静かに手をあわせ、本堂を後にする人々の姿が印象的でした。親しみをこめて、「善光寺さん」と呼ぶ地元の人もいます。市民にとって、善光寺は心のよりどころなのだと改めて感じました。

今年は暖冬で、長野市も例年ほど寒くはありません。イルミネーションを楽しみながら、善光寺周辺をそぞろ歩きしてみてはいかがでしょうか。

イルミネーションは、3月1日までの午後5時~午後8時に点灯。観覧無料。問い合わせは、善光寺表参道イルミネーション実行委員会(026・224・8316)へ。

(読売新聞東京本社 山村翠)

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