2月9日(日本時間10日)に行われた第92回アカデミー賞は、韓国映画「パラサイト 半地下の家族」がアジア映画初の快挙となる作品賞など4部門を受賞したほか、女優の松たか子さんが日本人として初めて歌唱を披露するなど、今年も話題が尽きませんでした。参加者たちが華やかに競演するレッドカーペットでは、サステナビリティー(持続可能性)やダイバーシティー(多様性)を訴えるセレブが印象的でした。

「スキャンダル」で助演女優賞にノミネートされていたマーゴット・ロビーは、シャネルの1994年春夏のオートクチュールコレクションで発表されたドレスをまとっていました。ネイビーのオフショルダーのシルクのシルエットは、20年以上も前のデザインとは思えないくらい、新しさを感じます。彼女について、米ヴォーグ誌は「ビンテージなアプローチをした」と評しています。
ケイトリン・デヴァーは、鮮やかなクリムゾンレッドのオフショルダーのロングドレスを身にまとっていました。このルイ・ヴィトンのドレスは、環境に配慮したシルクサテンで作られていて、スワロフスキーのクリスタルが飾られています。

話題作「ジョーカー」で主演男優賞を初受賞したホアキン・フェニックスが着ていたのは、ステラ・マッカートニーのタキシード。彼は今年の授賞式シーズン、ずっと同じものを着用しています。
「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」の演技で主演女優賞にノミネートされたシアーシャ・ローナンのグッチのドレスは、デコルテを大きくVシェイプにデザインした黒のサテンのトップスにラベンダーのスカートが特徴。このトップスは、彼女が先週末の英国アカデミー(BAFTA)賞で着ていたドレスの余り布で作られたものだそう。
今年のアカデミー賞の監督部門では女性監督がノミネートされませんでしたが、アカデミー賞のプレゼンターとして登場したナタリー・ポートマンは彼女なりの方法で、ノミネートされなかった女性監督たちをたたえました。ゴージャスなドレスの上に黒いディオールのタキシードケープを身につけていましたが、その端には金糸でグレタ・ガーウィグ、ルル・ワン、マリエル・ヘラーら女性監督の名前が刺しゅうされていました。
ただ美しく着飾るにとどまらない、セレブたちの強い主張があふれたレッドカーペットでした。
(メディア局編集部 杉山智代乃)
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