これからの「キャリアの成功」とは?女性たちがワークショップで語り合う

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いきいきと働きたいと願う女性たちをサポートするキャリアカウンセラーによるワークショップ「仕事にいかす『自分らしさ』の見つけ方」が2月8日、読売新聞東京本社で開かれました。「どんな人に憧れているか?」「自分の長所とは何か?」「その長所を仕事にいかすには?」――。参加した女性たちは意見交換を通して、今後の仕事へ生かすきっかけとしていました。

講師は、女性のキャリア形成支援に取り組むエスキャリア(東京・渋谷区)代表の土屋美乃さん。土屋さんは冒頭、リクルートエージェント(現リクルートキャリア)での採用活動など自らの経験を紹介。これまで、1000人以上の女性の相談を受けてきたという土屋さんは、「さまざまなライフイベントを経験する女性は、自分らしさとは何かを考える機会が多い。本当の自分の気持ちに向き合うことが大切」と語りかけました。

キャリアの成功、基準は自分

参加者は5、6人のグループに分かれてワークショップを実施。各グループで、それぞれが自分の考えを披露するとともに、仕事や生き方について意見を交換しました。初対面の参加者が多いにもかかわらず、活発に会話を交わす様子に、「こういうふうにちょっと話をするだけで、すぐに打ち解けられるのは女性の能力の一つ。男性ばかりの幹部研修会だとこうはいきません。女性は、自分では気づかない魅力がたくさんあります」と土屋さん。会場は笑顔で包まれました。

ワークショップでは、「これからの時代のキャリアとは」「自分らしく働くために」「自分が持っている力を知る」などのテーマで、参加者それぞれが考えました。土屋さんは「キャリアにはアップやダウンといった考えはない。会社の中で昇進するのが成功という考えは昭和のおじさんだけ。自分の人生を充実させる基準を自ら持つようにしてください」とアドバイスしました。

良い偶然を引き寄せる

キャリアデザインを描く上で、土屋さんは、過去・現在・未来を考える方法を指南。「過去は変えられないと言う人がいますが、過去のとらえ方を変えることはできます」とも。仕事に熱心な女性に限って、過去を振り返ると、「あれができなかった」「もっとこうすれば良かった」などと「できなかった自分」を考えがちです。むしろ、「できたこと」にフォーカスをして、現状を見つめ、なりたい理想の自分を想像することが大切と指摘しました。

さらに、自分らしく働くために、〈1〉大きな方向感覚を持つ〈2〉偶然の出会いや出来事を大切にする〈3〉力強く行動する――の三つのポイントを紹介。自らのキャリアを動かすために、「好奇心」「持続性」「楽観性」「柔軟性」「冒険心」の五つの素養を求めました。土屋さんは「さまざまなものに興味をもって取り組むことで、チャンスが広がり、良い偶然を引き寄せることができる」と助言しました。

グループごとに意見を交換する参加者

参加して前向きになった

ワークショップに参加した千葉市の山本彩可さん(26)は「同世代の参加者と本音で語り合うことができました。自分では気づかなかった力を持っていることを知り、前向きになれました」と感想を述べていました。

都内の大学3年生の松尾みなみさん(21)は、土屋さんの「なりたい人にあなたもなれる」という言葉が強く印象に残ったそうです。「本格的な就職活動のスタートを控えて不安でしたが、『憧れの人のように自分もなれるかも!』と将来が楽しみになりました。自己分析もでき、貴重な時間になりました」と自信を持ったようです。

ワークショップ終了後には、土屋さんが各グループを回り、参加者から不安や悩みを聞く場面も。「すごくがんばっているんだから、そんなに心配しなくて大丈夫。胸を張って」と女性たちにエールを送っていました。

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土屋美乃(つちや・よしの)
国家資格キャリアコンサルタント、転職エージェント、エスキャリア代表取締役

1983年東京・八王子市生まれ。慶応義塾大学商学部卒業後、リクルートエージェント(現リクルートキャリア)入社。営業や自社の新卒採用担当として、転職や就職という人の人生の転機に関わる。リーマンショックを機に、「自分らしく生きる」ことをテーマとするキャリアコンサルタントとして独立。2011年東日本大震災後に自らの天職を形にすべく、エスキャリアを設立。主にライフイベント期の女性のキャリア支援を行う。