SNSは不仲のもと!? 夫婦間で緩く決めておくべき利用ルール

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スマートフォンの普及で、LINEやツイッターなどのSNSが身近なものになりました。夫婦間でLINEから「帰るコール」をするなど、連絡を取り合うことも手軽にできます。一方で、裏アカウントを作って、夫や妻に対する愚痴を吐き出してしまうケースもあるようです。読売新聞の掲示板「発言小町」には「裏のある夫との付き合い方」という投稿も寄せられています。夫婦間では、SNS利用についてどんなルールを作ったらいいのでしょうか。専門家に聞いてみました。

友人同士、妻の悪口で盛り上がり

トピ主「ももこ」さんは、31歳の主婦。同い年の夫がSNSで妻に対する愚痴を書いているのを、夫の友人からのメールで知りました。夫のSNSを見たその友人は、「(あなたは夫に対して)厳しい仕打ちをしすぎだ」と言うのです。

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検索してみると、夫のSNSがすぐに見つかりました。トピ主さんが作った料理の写真が、あたかも自分が作ったように投稿されていて、友人同士で妻の悪口で盛り上がっていました。夕食のメニューを夫にLINEで送っただけなのに、「また強制帰宅命令だ」。帰宅途中にジュースを買って帰ってほしいと伝えると、「ヘトヘトなのに買い出し命令」と、そのSNS上に記述されていたそうです。問いただすと、夫は「俺はどこで愚痴を言ったらいいんだろうと思ってしまう」と言う始末です。

結婚して4年になる39歳男性「もじお」さんからは、「妻にラインをブロックされて3年半経ちます」という投稿が寄せられました。結婚半年のときに、妻とLINE上でけんかになり、ブロックされてしまいました。数日後にブロックは解除されたものの、その後またけんかをして、以来3年半、ずっとブロックされたまま。妻からは「一生ブロックする」と言われてしまっているそうです。

電話やショートメールは使えるものの、妻からは年に数回、連絡が来るだけで、「もじお」さんは「すれ違いによる家庭内別居2か月目。離婚を考えています。ライン一生ブロックとかあり得ますか?」と憤っています。

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「夫の『自称イクメン』にうんざり!」という投稿も寄せられています。トピ主「真理子」さんいわく、「夫の育児レベルは、お手伝い程度」。それなのに、夫はSNS上に「子供のお風呂は俺の担当!癒やしの時間です」「俺の作った昼食を、子供がおいしいと食べてくれました。来週はコロッケに挑戦だ!」などと書き込んでいるそうです。「真理子」さんは「嘘ではないけど、事実を書いていません。注意して育児のヤル気がなくなるのも困ります。これは放っておくしかないのでしょうか?」と問いかけています。

愚痴を読んだ相手がどう思うか想像力を

夫婦関係に悩む人にカウンセリングを行っている夫婦問題カウンセラーの渡辺里佳さんに夫婦間のSNSについて聞きました。

「通信手段が進化したことで、夫婦間のトラブルのきっかけも、この10年で、メールでのやり取りから、LINEでのやり取り、SNSへの書き込みまで、どんどん変わってきています。関係がうまくいっているときは良いのですが、互いに悪口を言いたくなったとき、本当にやっかいですね」と渡辺さんは話します。

テレビのワイドショーで、夫の悪口を書き込む専門の「旦那デスノート」というサイトが取り上げられたこともありました。渡辺さんは「私も読んでみましたが、心がすさむような内容ばかり。悪口を言うことで、日常生活で気持ちが軽くなるのなら、はけ口の場として利用してもいいのですが、悪口が止めどもなく出てきてしまうとき、その心理の裏側に何があるのか。なぜそんな悪口を言いたくなってしまうのか。原因を突き止めないと、なかなか本当の解決にはなりません」と指摘します。

対面カウンセリングなどを行っている夫婦カウンセラーの渡辺里佳さん

裏アカウントを作って、相手に対する愚痴を吐き出してしまう夫婦の場合、渡辺さんは「ネット空間では、内容がエスカレートしやすいです。実名を隠していても、いろいろな条件を頼りに探そうとすれば、突き止められてしまうのがSNSです。その愚痴を読んだ相手がどう思うかまで想像力を働かせてみましょう。自分が嫌なことは、相手にしない。その気持ちさえあれば、ある程度は自制できると思いますよ」とアドバイスします。

とくに、「ももこ」さんの夫のように、「かわいそうな俺」を演出したい場合は、正面から相手にしないのも一つの解決方法。「こんな一面もあるのか、と思えばいいです。ねじれた愛情表現なので、『へぇ~』と感心してみせる。それとは別に、相手の良いところを小さなことでもいいので、10個挙げて、言葉に出して相手に伝えてみる。これも実践してみると関係が変わってきますよ」と強調します。

夫婦間であっても、「お互いのスマホやパソコンは見ない」「SNSアカウントのフォローはあえてしない」なども、緩く決めておくとよいそうです。「SNSは、自己表現の場。100組の夫婦があれば、100通りのルールがあります。お互いに緩く決めて、状況が変わったら、そのルールも変更していけるような、常に夫婦で話し合いができる穏やかな関係でいられるといいですね」と渡辺さん。

本人に面と向かって言えない。でも、だれかに伝えたいマイナス情報。夫婦間のトラブルを避けるためにも、知恵を出し合いたいですね。(読売新聞メディア局編集部・永原香代子)

【紹介したトピ】
裏のある夫との付き合い方
妻にラインをブロックされて3年半経ちます。
夫の「自称イクメン」にうんざり!

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渡辺里佳(わたなべ・りか)
夫婦問題カウンセラー。対面カウンセリングのほか、サイト上で専門家を見つけることができる女性専用の匿名電話相談サイト「ボイスマルシェ」などで、カウンセリングをしている。共著に「カウンセラー物語~心に寄り添う21人の軌跡~」(湘南社)。自身のブログ「夫婦問題に悩み、頑張りすぎているあなたへ」(https://ritan8822.com/blog)でも、夫婦関係に悩む人に向けて発信している。

「カウンセラー物語~心に寄り添う21人の軌跡~」(湘南社)