コートの袖のタグは取るのが正解…では何のため?

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大寒も過ぎ、防寒対策に厚手のコートが欠かせませんが、よく袖の部分などに素材の表記のあるタグを付けたまま着ている人っていませんか? 読売新聞の掲示板サイト「発言小町」に「コートの袖のタグは切るのが正解ですよね?」という投稿が寄せられました。わざわざ取る必要があるなら、いったい何のために付いているのでしょうか。調べてみました。

何アピールのために付けているの?

トピ主の「樫宮山羊子」さんは、職場の上司が着てきたコートの袖に、「Cashmere100%」と刺しゅうされたタグが縫い付けられたままだったのを目撃しました。Cashmereは、カシミヤを指しています。

「あれは、買ったら取るものだと思っていました。 注意したら野暮だと思って、見て見ぬ振りをしていますが、電車の中でも、『WOOL(ウール)100%』などをよく見かけます。いったい、何アピールなんでしょうか」と発言小町で聞きました。

この投稿に、20件以上の反響がありました。

「ん?」さんは、「しつけ糸で仮縫いされているものは取る前提ですね。タグを切るのではなく、四隅を外すだけです」という意見です。

「40代女性」さんからは「私もどうしたら良いのかいつも気になっていました。しつけ糸で縫い付けられている場合は取る前提だとわかりますが、普通の糸でしっかり縫い込まれている場合もありますよね? 糸だけうまく切るのに失敗して生地を傷めたら怖いし……。だからコートやジャケットの袖・ストールにタグが縫い付けられている商品は、買うのを避けています」という体験談も。

気づかずに付けっぱなしに

この問題について長年疑問に思っていたという「ミッキー」さんも、「(私の場合は)カシミヤストールのタグって、取るのが正解なのかどうかわからないまま、数年間つけっぱなしです」と書き込みました。

いつもタグの部分を奥にたたみ込んでストールを使ってきましたが、「やっぱりおかしいんですかね? ブランドの数万円するストールなので、後々フリマアプリなどで売りに出す日が来るかも、なんてセコいこと思ったりして……。決してアピールではないんです、私の場合。正解が知りたいです」と言います。

 

写真:三陽商会提供

「カカオ」さんも、「私もつけっぱなしだった!  恥ずかしいこととは知りませんでした。 普通のタグみたいな扱いをしてました…… コートとかストールとか気づいたものは外そう…… いいことを知りました」と書きました。気づかずに付けっぱなしだったそうです。

取るのが前提なのに、なぜ縫い付けてあるの?

タグは何のために付いているのでしょう。取るのが正解なのか、取らなくてもいいのかをアパレルメーカー・株式会社三陽商会、コート企画・石田 和孝さんに聞きました。

「『カシミヤ』や『ウール』は元々、生地メーカーが他社との差別化・ブランド化をするため、あるいは品質の良さをアピールするためにあるものです。生産地やメーカーの名前を開示することで、消費者に素材の確かさなどを伝える狙いもあります」と石田さんは話します。タグが袖のところについているのは、「売り場のハンガーにつるした状態で、見やすく、わかりやすい位置だから」という理由で、購入後は「基本的には切るのが正しいとされています」と石田さん。

たいていは購入後に、しつけ糸でタグの四隅を止めてあるだけなので、切りやすくしてあるそうですが、ミシンがけされている場合は、どうしたらよいのでしょうか?

「ごくまれに、デザインとして付けられているものもあり、その場合はしっかりと縫い付けられているので、切り取らずそのまま着用することを推奨しております。ストールの場合はコートと違って、そのまま着用してもよいと考え方もあるようです」と話します。

しっかり縫い付けられている場合など、判断に迷ったときは、「ショップのスタッフにご相談いただけると安心です」と石田さんは付け加えました。

売り場の対応は?

売り場ではどのように対応しているのか、英国のアウターウェアブランド「マッキントッシュ ロンドン」の売り場を担当する松屋銀座・紳士部の磯矢健太さんに話を聞きました。

「外側からよく見える袖にタグが付いていることについて、お客さまから、『クリーニング屋さんに出す時のために付けておいた方がよいのか』と、聞かれることがまれにあります。洗濯用のケアタグや品質表示のタグは袖口ではなく、服の内側に縫い付けられていたり、内ポケットの中に折り込んであったりします。ですので、基本的に袖に付いたタグを切るというのは正解です」と磯矢さんは話します。

ブランド名はステータス

マッキントッシュ ロンドン・松屋銀座で

「といっても、コートやジャケット、マフラー等にブランドロゴや、インポートの布地問屋のブランド名が書かれており、それがお好きだというお客さまもいらっしゃいます。こちらの商品では、『ロロ・ピアーナ』というイタリアの服地ブランドのものが使われており、それを着用することが、ステータスと受け取られる方もいらっしゃいます。素材表示のみの場合は取った方がよいと思いますが、ブランド名の場合は付けていても問題がないので、こちら側から積極的に『着用時にタグを切ってください』とは、お伝えしておりません。オーダーメイドでスーツを仕立てた場合は、タグを取ってしまうとテーラーの名前がわからなくなってしまいますので、タグやスペアのボタンを取って、内ポケットに縫い付けるというお客さまもいらっしゃいます」と話します。

本題とはそれますが、この投稿を見た人からは、「ジャケットを買ったときに裾の切り込み(ベンツ)に×印でしつけ糸で縫い付けられていたり、ポケットの入り口が縫い付けられていたりしていたのに、これを飾りだと思っていて、切らずに着ていました」(「うっかりはちべぇ」さん)という声も寄せられました。

マッキントッシュ ロンドン・松屋銀座で

「通販で買うと、注意してくれませんものね。 教えていただきありがとうございます。ポケットが使えると知ってうれしいです!」(同)と言います。

磯矢さんによると、ジャケットのベンツやポケットがしつけ糸で縫い付けられているのは、しわや、型崩れを防ぐためです。新しいジャケットを身に着ける前に、「布を傷めないように、細いリッパーという糸切りなどで、慎重にしつけ糸をお切りになってからお召しください」と磯矢さんはアドバイスします。

トピ主さんの上司がタグを知った上で付けているか、知らずに付けているかは判断がしづらいところですね。もし、忠告したほうがよいか迷ったら、この記事をさりげなく見せて話題にしてみてはいかがでしょうか。

(取材:メディア局編集部・遠山留美)

【紹介したトピ】コートの袖のタグは切るのが正解ですよね?
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