アフリカで「手作り生理ナプキン」 #サポチョコで女子を支援

#サポチョコ

エチオピアの小学校 ガールズクラブの女の子たち

OTEKOMACHIは今年も2月に、東京・銀座の百貨店「松屋銀座」と国際NGO「プラン・インターナショナル」と協力して、途上国の女の子たちを応援・サポートするキャンペーン「#サポチョコ」を実施します。キャンペーンの詳細は、記事「バレンタインに世界の女の子をサポート! 今年も『#サポチョコ』」でご覧いただけます。

「#サポチョコ」などで寄せられたお金は、具体的にどんな支援につながっているのでしょうか。プラン・インターナショナルのプログラム部職員、中島泰子さんは、アフリカ東部のウガンダを中心としたプロジェクトで活動しています。先ごろ一時帰国した中島さんに、都内で話を聞きました。

アフリカで「手作り生理ナプキン」支援…中島泰子さん

――ウガンダは世界の最貧国のひとつでありながら、アフリカ最大規模の難民受け入れ国となっています。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、受け入れた難民の数は138万人を超えています。中島さんはどんな活動に携わっていますか。

プラン・インターナショナルのウガンダ事務所に駐在して2年目が終わるところです。ウガンダのほか、隣接するエチオピアとスーダン、南スーダンの4か国が担当で、難民を支援するプロジェクト全体をコーディネートしています。プロジェクト分野は保健関連で、各国に定期的に行きますし、日本にも年に2回戻ってきて支援者に現地報告をするので、本当に移動が多い生活ですね。

――アフリカと言っても、気候や状況は様々ですね。

ウガンダの首都カンパラは一年中、気温が20度から30度くらいで、過ごしやすいです。ただ、よく行くエチオピアは首都が標高2000メートル以上で、かなり寒くなるときもありますし、南スーダン国境付近だと「世界で一番暑い」と言われるくらい暑い。私の担当するプロジェクト実施地はだいたい、どこも暑いです。

南スーダンは内戦や部族間の紛争の影響で治安が悪化し、難民の人たちがなかなか帰れない状況が続いています。エチオピアとスーダンも、それぞれ政治的な問題や自然災害などもあって、それぞれの厳しさがあります。

スキルを身につけ自信を持つ女性たち

――具体的には、どんな活動をしていますか。

井戸を掘ったり、トイレを作ったりするところから始まり、手洗いのトレーニングや農業訓練、母親向けに母乳で育児をするためのトレーニングなどをしています。ほかにも病院に薬を配ったり、人々の栄養状態を観察したりと幅広く取り組んでいます。

ウガンダの建設現場で地方政府関係者らと話す中島さん

エチオピアでは個人の方から集めた寄付で行っている「女性性器切除(FGM/C)から女の子を守るプロジェクト」も行っています。また女の子の活躍を促すために、月経衛生管理を広める活動にも力を入れています。女の子がより衛生的に健康な生活を送る手助けをしたり、「ナプキンがない」という理由で学校に行けないという状況を改善するための活動です。

アフリカの多くの地域では「女性は教育を受けなくていい」という考え方が普通です。その上、生理がある年齢になってもナプキンが手に入らなかったり、売っていても高価で買えなかったりするため、生理期間中に学校に行けなくなる。それが毎月1週間続くと、勉強についていけなくなって学校をドロップアウトせざるを得なくなるんです。だから、ほとんどの学校で小学4年生くらいまでは児童の男女比が同じなのですが、それ以降になると圧倒的に女子が減るんです。

――生理の期間中、女の子はどうしているのですか。

ボロボロの古着や木の葉っぱを当ててしのいでいると聞きましたが、もちろん、それでは経血が漏れてしまいます。ウガンダでは、ずっと砂の上に座っていることもあるそうですが、いずれにしても衛生面でとても問題があります。

そこで私たちのプロジェクトでは、ウガンダとエチオピアで、何度でも洗って使える「再利用可能な生理ナプキン」を作るトレーニングをしています。女性グループに布ナプキンを手作りしてもらうのです。布を何枚か重ね、その間にビニールを入れて染み出ないようにして、ショーツに付けるスナップを付けます。初歩的なデザインですが、洗って干して、何度も使えるようになっていて、出来上がったら自分たちで使うこともできるし、売ることもできます。

自分で作った「再利用可能な生理ナプキン」を持つエチオピアの少女

――トレーニングの現場はどんな様子ですか。

普段、男女がいるところで話を聞くと、男性ばかりが話をして、女性は下を向いてしまうというのが典型的なのですが、女性たちだけでトレーニングしている場に行くと、皆さんすごくイキイキしていて、笑顔も見られるんです。ものづくりのスキルを身につけるということが女性にとって自信になるし、さらに作ったナプキンを売って収入を得られるようになると、家の中での発言力も格段に上がるんです。それが、その人の尊厳が守られ、自己評価が上がることにつながる。そういった過程を実際に見られると、とてもうれしい気持ちになりますね。

――ただ、女の子への差別をなくすためには、女性側の努力だけでなく、男性側の理解も必要ですよね。

そうなんです。何かを変えようとすると、まず男の人が「いや、そんなものは必要ない」と文句を言ってきて、女の人は黙る。次に男性が「そんなことして、何の得があるんだ」「金くれるのか」と言い始める。でも、同時に学校では子供たちにトレーニングをして、そうすると子供たちが家に帰って新しい考え方について話すようになる。そして、政府や地域の宗教指導者を巻き込んだりして、徐々に徐々に理解をしてもらう……やはり時間はかかります。

私たちも、たとえば「会合に来たらソーダがもらえる」とか、ちょっとしたインセンティブを用意して、粘り強くお話しします。すると、次第に変わってくるんです。何度か参加した男性たちは次第に「何が良いことで、何が良くないことか」が分かるようになる。たとえば「『女は学校に行かなくていい』という発言はアウトだ」ということが分かってくるんです。そうして少しずつ浸透してくれれば、それを言うのが許されていた時代とは根本的に違ってきます。

――活動の手ごたえを感じるときはありますか。

ある学校でガールズクラブのリーダーの少女に会ったとき、彼女が私たちの月経衛生管理のトレーニングで話したことをすっかり覚えていて、同級生たちに上手に説明してくれていたんです。若い人が抱える悩みを同世代の仲間が相談役になって解決していく姿を見て、「着実に根付き始めたんだなー」と感じました。あと、「ナプキンのおかげで、学校に来られなくなる子が減りました!」と話してくれる人もいて、うれしくなりました。

プラン・インターナショナルがトレーニング費用を支援し、作り方を身に着けた

正しいことを言うときは大声で

――中島さんは学生時代、どんな勉強をしましたか。

アメリカの大学院で「開発とジェンダー」を専攻していました。高校生の頃からこの分野に興味はあったのですが、どうしたら携われるのか分からなくて……。なので、まずは大学に行き、民間企業で働きました。でも、3年たっても「やっぱり、専攻分野に関わりたい!」との思いが消えなくて、5年目で会社を辞めて留学しました。

その後、日本のプラン・インターナショナルが「ウガンダ駐在員」を募集しているのを知って応募しました。開発分野の勉強をした人なら誰でも知っている大きな団体ですし、ジェンダーへの取り組みについて、ここまではっきり言っている団体は珍しいので、自分の関心が生かせると思いました。

ウガンダの難民居住区で子供たちに折り紙をプレゼント

――実際に飛び込んでみて、分かったことはありますか。

正直、この仕事に就くまでは、「女の子のために」と主張すると反感を持つ人もいるんじゃないかと躊躇ちゅうちょする気持ちもあったんです。日本だと、なんだか言いにくい。たとえば、「フェミニズム」というのも全然悪い言葉じゃないはずなのに、ヘンな意味にとる人がまだ多くて……。でも、プラン・インターナショナルに関わるすべての人が「女の子の平等のために働く」ことを大前提にしていて、自然に声を上げています。私も周りの人たちに励まされて、「正しいことを言うときは大声で言わないと正当性が伝わらない」と自信が持てるようになりました。

――お休みの日はどう過ごしていますか。

ウガンダの家にいるときは、動画配信サービスや電子書籍を見て過ごしています。何も考えたくないときは、ドラマを見ますね。最近、テレビドラマシリーズ「ブレイキング・バッド」を全部見ました。もう2回目なんですけど(笑)。あと、ウガンダは気候がいいので、植物がぐんぐん育つんです。安くて大きいアボカドがあちこちで売られていて、食べ終わった後のタネを水栽培して、楽しんでいます。

――今、日本の皆さんに知ってほしいことは何ですか。

友人などに話すと、やはりアフリカの女の子たちの生理を巡る状況について、びっくりされますね。あと、女性性器切除の問題について知らない人も多いです。世界の一部の国では、女性が性的に自立しないように性器を切除することが平気で続いているんです。女性は男性の所有物みたいに扱われていて、女性の側も人にコントロールされることが積み重なることで、「自分はできない」「自分には権利がない」って思ってしまうようになるんです。だから、「自分の体のことは、自分だけが決めるべき」ということが理解されないと、その人の尊厳に関わる問題になります。

そうした女性を取り巻く理不尽な状況があると知っている人が増えたら、世界はどんどん変わっていくのではないかと思っています。私は現地でのプロジェクトを実施する役割であるのと同時に、現状についてリポートする役目もあるので、常に寄付をお寄せいただく方々の興味・関心を知って、より分かりやすくお伝えしていきたいと思っています。

◇◇◇◇◇

愛する人と一緒に、あるいは自分へのご褒美で、チョコのおいしさを味わいながら世界の女の子たちも応援する「#サポチョコ」。今年は皆さんも銀座で参加してみてはいかがでしょうか。

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(取材・文/メディア局編集部 李 英宜)

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