ジャニーズ「SixTONES」の感涙、本音……決意の全国ツアー開幕

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公演前に取材に応じたSixTONESの6人。田中樹さん、髙地優吾さん、ジェシーさん、京本大我さん、松村北斗さん、森本慎太郎さん(左から)

ジャニーズの6人組「SixTONES(ストーンズ)」の全国アリーナツアー「TrackONE-IMPACT-(トーンインパクト)」が1月4日、横浜アリーナで始まりました。X JAPANのYOSHIKIさんがプロデュースした楽曲「Imitation Rain」で、1月22日にCDデビューする6人。落涙しながら同曲を力強く熱唱するなど、デビューへの決意がにじむ公演でファンを魅了しました。

SixTONESは2015年、ジェシーさん、京本大我さん、松村北斗さん、髙地優吾さん、森本慎太郎さん、田中樹(じゅり)さんの6人で結成されました。グループ名は「ストーン=原石」と、「トーン=音」にちなみ、「音の6原色」という意味が込められています。ファンの間では「スト」の愛称で親しまれ、ジャニーズJr.を共にけんいんしてきた盟友「Snow Man」と、ジャニーズ史上初となる2グループ同時CDデビューを控えています。

4日のコンサートを取材する前、デビュー曲「Imitation Rain」をどう公演で生かすか、注目していました。ジャニーズのデビューコンサートでは、デビュー曲を繰り返し歌ったり、オープニングで披露したりするのが定番。しかし、繊細なピアノの音色が印象的で、壮大な世界観が広がるミディアムロックバラードの「Imitation Rain」はテレビの歌番組などで聴きましたが、オープニングに据えるのも、何度も歌唱するのも、しっくりこない気がします。

横浜アリーナの会場

苦悩を吐露し、デビュー曲披露

6人は、同曲を終盤で披露。前例にとらわれない構成に、まず心服させられました。

歌唱前、雨音が響き渡り、「いよいよ披露する」というファンの高揚感と共に、一気に静まりかえる会場。すると、これまでの苦悩を明かすメンバー一人一人の音声が流れました。

髙地さんは「いざデビューできると聞いた時、重圧に押しつぶされそうになった。自分より実力のあるJr.はいる」と告白。俳優の京本政樹さんの息子である京本さんは、「生まれつきの肩書ばかり取り上げられ、正直もっと俺自身を見てほしいと思うこともたくさんある。だからこそSixTONESで歌い続けるしかない」と言葉を紡ぎました。最後に、ジェシーさんが「デビューなんかできないと思いながら、粘って粘って、ジャニーズをやり続けてきた。SixTONESがラストチャンス。人生まさかの連続だよな。未来に何が待っているか分からないけど、俺たちとファンのみんなで一つになれば大丈夫」と語りかけました。

SixTONESは全員がジャニーズJr.として10年以上活動し、後輩が先にデビューするなど、辛酸をなめてきました。実力や人気が伴っているにもかかわらず、なかなか報われなかったことに対し、涙したファンも多いと思います。ようやくつかんだデビューに、これまであまり語られてこなかった本音があふれ出します。どこかはかなく、叙情的なデビュー曲をより引き立てる演出でもありました。

こうして披露された「Imitation Rain」。力強い歌唱やダンスはもちろん、ラップパートの前に感慨深げに一瞬、天を仰ぐ田中さん、感極まって歌えなくなり、イヤーモニター(イヤモニ)をラフに外す京本さん――。一つ一つの表情や動作が胸に刺さります。思い入れの強い曲で、この日がライブ初披露となっただけに、メンバーの目からは涙があふれました。歌い終わると森本さんがメンバーに穏やかな笑みを向け、自然と肩を組んだ6人。デビューを前に、また一つ決意や結束を強めた様子が伝わってきました。同時に、オラオラした雰囲気を漂わせながらも、絆や信頼関係が見え隠れする青春の1ページのような「エモさ」こそ、SixTONESの魅力なのだと体感しました。

ファンからはデビューという門出を祝福する熱い拍手が送られ、感動的な空間となりました。これまで彼らが抱いた悔しさや葛藤を、雨が優しく浄化してくれたようです。

完成度高いスタイリッシュな公演

6人は、公演前に取材に応じました。デビューの実感を質問されると、髙地さんは「(デビューCDが並ぶ)店頭に行きたい」と笑顔を見せ、京本さんは「カラオケも行きたいですね! 自分たちの楽曲をカラオケで歌えるのがすごく楽しみ」とワクワクした様子で話しました。

そんな初々しさをのぞかせていた6人でしたが、数年ぶりにSixTONESの単独公演を取材した記者は、デビュー前にもかかわらず、すっかり彼らの独自色が完成されていることに驚きました。自分たちの持ち歌と先輩の楽曲をまぜながら、クールでスタイリッシュにまとめたセットリスト。先輩の楽曲は時折アレンジを加え、持ち前の表現力で自分たちのカラーに染め上げてしまいます。ノリのよい楽曲が続くSixTONESのライブでは、「キャー!」ではなく、「フゥー!」と歓声を上げたくなりそう。他のグループでは見たことのない派手な舞台装置や演出も、公演に彩りを添えます。バックダンサーやソロコーナーに頼らず「6人」であることを強調し、ファンに謝意を伝えるよう客席をくまなく回る点も、デビューコンサートにふさわしいと感じました。

爆笑必至、男子校のノリのMC

MCでは、たわいもない話で盛り上がり、ワイルドでセクシーなパフォーマンスから一転、ギャップを見せます。

髙地さんの腰にボールチェーンの装飾が付いていることについて、メンバーがツッコミを入れると、髙地さんは「湯船につかっているよね(笑)」と切り返します。風呂栓に付いたチェーンにたとえた返答に、メンバーは大爆笑。田中さんは「風呂に入っている時、(足の)親指と人さし指の間に(チェーンを)挟んで遊ばなかった?」と、髙地さんの衣装に付いた装飾を使って、その様子を実践しようとします。

どうしてもメディアの取材が入る公演ではMCがかしこまってしまうグループもいますが、SixTONESは自分たちらしさを貫き、爆笑トークを展開。物おじしない、強心臓ぶりを頼もしく思いました。

6人の軽妙なやり取りは、男子校の休み時間をのぞき見しているようです。ファンたちは「男子ってバカだなぁ」なんて言いながらも、それをほほ笑ましく見守っている……といったところでしょうか。6人もメンバーがいると、1人ぐらいあまりしゃべらない人がいてもおかしくないのですが、全員が話に加わる点も好ましいと感じました。

格好良さも、笑いも、感動も詰め込んだ公演。見た人に、「陽気で小粋な兄ちゃんたち」と興味を抱かせるのに十二分な内容でした。六つの原石がどう磨かれていくか、今後が楽しみです。

(読売新聞東京本社 山村翠)

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