おせち料理、どこまで手作りにこだわる?

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お正月の食卓を彩る「おせち料理」。最近は、デパートやインターネット通販の「早割」などを活用してセットで購入する人が増えている一方で、年1回の行事として手作りにこだわる人も。掲示板「発言小町」には、この時期、「おせち」を買うか、手作りするかでさまざまな意見が寄せられます。女性たちを悩ますおせち問題。どのようにして解決すればいいのでしょうか。

おせち「卒業宣言」も

「年末年始 大嫌い」と題する投稿をしてきたのは、トピ主「イエローバルーン」さん。毎年、年末になると、大掃除とおせち料理に悩んできたと言います。「おせちはほぼ手作り。買ったことなんて一度もないし許されません。小さいころから祖母や母から『古くからの日本の伝統行事で大切だ』と教わってきました。でも、今はもう2人ともいません。全部、私1人でしないといけない。私も仕事しているので、結局大詰めみたいになってしまい、毎年大晦日おおみそかは、午前3時~4時まで掛かって作ってます。食べては美味おいしくないと文句いわれ……疲れました。ウンザリです」とモヤモヤした気持ちをつづっています。

この投稿に、20通近い反響がありました。

「我が家は、家族全員おせち欲しい派ですが、何万円もするおせちはもったいないので、私が適当にお重に詰めたものを、おせちとしております。中身は、かまぼこ、ハム、黒豆、海老、いか、昆布巻きなどで、全部お安めの市販品。手作りするのは、卵焼きくらいかな?」(「カマンベール」さん)

「『家族全員が好きで食べるものだけ』を作ってます。セットで買うと食べたくない物も入って高いので。(自分で作るのは)お煮しめとか、雑煮くらい。飾り切りと出汁だしとりだけ頑張りまして、三種のさかなも黒豆以外誰も食べないので作りません。おせちはもう、楽しくて作るの大好きな人か料亭や旅館が引き継げばいいんです」(「とおりすがり」さん)

頑張るトピ主さんを思いやるレスもあります。「イヤイヤ作るおせちにどんな意味があるの? 一年の健康なりなんなり願いながら作るものなのに、年始早々、心の健康を害しながら作るなんて本末転倒。やりたいところは、やりたい人が準備する。しなくていい人は、しなくていい。さあ、今回から『おせち卒業宣言』しましょう」(「めんこ」さん)

「すべて手作り」はわずか1割

ネット通販大手の楽天が今年9月、全国の20代から60代の男女1000人に実施した調査では、61.2%がおせちを食べる予定があると回答。おせちをどのように用意しているか尋ねたところ、「購入したおせち料理と作るおせち料理を組み合わせる」(28.8%)が最も多く、次いで「購入せず、何品か手作りする」(25.0%)、「重箱入りおせち料理を購入」(20.1%)の順になりました。「購入せず、重箱に詰める料理すべてを手作りする」と回答したのは、わずか10.3%でした。

おせちの料理教室は人気

「お持ち帰り料理教室~冷凍でおいしくなる手作りおせち~」の10品(ベターホーム協会提供)

手作りが少数派になったとはいえ、人気の出ているおせち料理教室もあります。全国17か所で料理教室を展開するベターホーム協会(東京・渋谷)では、今年初めての試みとして、新年まで冷凍保存できる手作りおせちの教室を実施したところ、キャンセル待ちが出るほどの人気になりました。

3時間15分のコースで作るのは、えびのグリル、ローストビーフ、紅白しゅうまい、カレーのしどり、まぐろの昆布巻、ほたてとクリームチーズのディップ、ナッツ田作り、たたきごぼう、飾り切りピクルス、黒豆スイートポテトの10品(約3人分)。

参加者は、これらを自宅に持ち帰って冷凍保存(ピクルスだけ冷蔵)し、正月に解凍して食卓に出します。参加費は1万5000円(税別)で、単発の教室としては決して安いとはいえませんが、あまりの人気に、同協会はコースを増設し、27日まで累計23クラス(約370人)を開くことになりました。

なごやかな雰囲気の料理教室(ベターホーム協会提供)

企画した同協会の越川藤乃さんは「初めておせち料理を作るという方でも、気軽に取り組めるように、和洋中の家庭らしい味付けにこだわりました。また、冷凍することで材料に調味料がしみ込みやすくなるため、たたきごぼうなどは味がしみて一層おいしく、昆布巻はしょうゆを減らして減塩もできました。新たな気持ちで迎える新年の食卓に、手作りならではの楽しみが広がれば」と話します。

参加者からは「これまで田作りは苦味があると思ってきたけれど、ナッツと合わせることで、カリカリおつまみとして手軽に食べられる」「冷凍や解凍の仕方も学ぶことができて役立った」などの感想も寄せられています。

一人前を皿によそったときのイメージ(ベターホーム協会提供)

品数厳選して「家庭の味」を

暮れの押し詰まった今、おせちを作るかどうか迷っている人向けの本も登場しています。

「12月31日だけでできるおせち」(エイ出版社)の著書があるフードコーディネーター・栄養士の太田静栄さんは、「食卓におせちが並んでいるだけで、『新年迎えたなぁ』って気持ちになりますよね。それが大事です」と話します。

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手作りをする心構えとして、太田さんがあげるポイントは、

<1>段取りを考えてから始めること

<2>自分にとって無理のない品数にすること

<3>作る工程と盛り付けは自分らしく、楽しむこと

の三つだと言います。

買い物リストをしっかり作り、それぞれの料理にかかる時間や工程などを頭の中でざっくり把握。煮込む時間、水に浸す時間、材料を切る時間などの「合間」にできることを自分で考えます。

最初はうまくいかないかもしれないので、無理をしない程度の品数に厳選し、野菜のカット、皮むき、あく取りなど、作る工程では手を抜かず、基本を守ること。そして、盛り付けはインターネットのレシピサイトや料理本などを見て、好きな盛り付け方をまねしてみることを勧めます。

「味見をしながら、砂糖や塩、しょうゆなどを足したり減らしたりして、『家族の味』を作りあげていく楽しみを味わえるのも、手作りの醍醐だいご味です。ぜひ挑戦してみてください」と太田さん。

手軽さを追い求めるだけでなく、「せめてこれだけは」という我が家の味にチャレンジしてみるのも良いかもしれませんね。 (読売新聞メディア局編集部 永原香代子)

▽紹介したトピ
年末年始 大嫌い

【本文中でご紹介した本はこちら】
「12月31日だけでできるおせち」著:太田静栄(エイ出版社)

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