KinKi Kids 2年ぶり、愛あふれる唯一無二のコンサート

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KinKi Kidsが12月14、15日、東京ドームでコンサート「ThanKs 2 YOU」を行いました。堂本剛さんの突発性難聴などで、昨年は、毎年恒例だった東京ドームでのコンサートを見送った2人。2年ぶりの公演とあって、会場は開演前からファンの高揚感で満ちていました。コンサートは7月に亡くなったジャニー喜多川さん、ファン、そして互いへの愛が随所にちりばめられ、心温まるものとなりました。

ジャニーさんへの思い込めた構成

長年、ジャニーさんのエンターテインメントを間近で学んできた2人。ジャニーさんが亡くなってから初めてとなるコンサートは、ジャニーさんにちなんだ楽曲が多く、堂本光一さんは「どこかしらにジャニーさんを感じるセットリストになっている」と説明。剛さんも「ジャニーさんはいないけど、一緒にコンサートを作っている感覚でリハーサルを重ねてきた」と話しました。

コンサートは、剛さんが作詞し、光一さんが作曲した人気曲「愛のかたまり」からスタート。その後披露した「雪白の月」は、「さようならと言われるよりも 言う方がきっとツライ」など切ない歌詞が特徴です。歌詞をかみしめるよう叙情的に歌っていた剛さんは、歌唱後、「僕ら、ジャニーさんに『さよなら』と言ったけど、つらいよね」としみじみ。思い出深いデビュー曲「硝子がらすの少年」は、ステージに設けた噴水を使った演出で彩り、本編のラストは、ジャニーさんの意見がタイトルのきっかけとなった「Harmony of December」で飾りました。「君に会いたい いま会いたい」という歌詞、天を仰ぎながら歌う姿、2人の美しいハーモニーに、会場は大きな感動に包まれました。

アンコールの「ボクの背中には羽根がある」では、光一さんは「ジャニーさんが僕たちの背中に羽を授けてくれました。だからこそ、今日もステージに立たせてもらえている」と謝意を述べました。

ジャニーさんを慕い、そしてジャニーさんからも信頼されたKinKi Kidsにしかできない、琴線に触れる構成でした。

MCでも、ジャニーさんの思い出話に花が咲きました。光一さんは携帯電話にいまだにジャニーさんからの着信履歴が残っていることを明かし、「いずれは消えていくんだなあ」と寂しさをにじませました。ジャニーさんが亡くなったことについて、「ホンマにドッキリであってほしい」と言うなど、大きな存在を失った2人の喪失感が伝わってきました。

恩師を追悼するようなコンサートでありながら、笑いも交え、湿っぽくなりすぎずまとめた点は、2人のバランス感覚が光ります。コンサートの中盤で披露した「KANZAI BOYA」は、ジャニーさんが初めて2人に付けたグループ名にちなんだ遊び心のある新曲で、剛さんによると、「今こそ、この名前を大々的に広めるべく、急に作った曲」だそう。曲の最後はジャニーさんのモノマネをしながら光一さんが登場し、ファンからは笑いが起こっていました。MCでも剛さんが「ジャニーさんは天国では新人」と、愛のある空想話を面白おかしく披露しました。

公演から見えた2人の関係性の深化

今回のコンサートは、KinKi Kids自身の互いの尊敬や友情も大きなテーマのように感じました。耳の調子が万全とはいえない剛さんに考慮しながら、セットリストを考案。剛さんがギターを奏で、光一さんが踊る場面も多々あり、個性を生かしながら、今の2人ができる最善の在り方をみせてくれました。

アンコールで歌った「YOU… ~ThanKs 2 YOU~」は、剛さんが、ジャニーさんへの思いを込めて後輩グループの主演舞台のために書き下ろした楽曲がベース。KinKi Kidsのコンサートでは、ジャニーさんが火葬された日のことを切り取り、光一さんとの友情を歌ったバージョンを披露しました。ジャニーさんの死に、初めて涙を見せた光一さんと、光一さんの背中をさする剛さんの光景が目に浮かぶ歌詞に、涙する報道陣も少なくありませんでした。

実は、剛さんは今夏に行われた自身のソロコンサートで、「(ジャニーさんのお別れの場で)とあるやつが泣いていた」「その人の背中をさすった」などと話していました。泣いていた人は光一さんだった、そんな「答え合わせ」でもあったのです。

また、光一さんはファンに弱さは見せず、涙に関するエピソードは明かしたくないタイプだと思っていただけに、これを歌詞にして大勢のファンの前で披露したことに驚きました。光一さんの性格をよく知る剛さんが、涙を見過ごさずに手を差し伸べた――。ジャニーさんの死がきっかけで、2人の関係性に気付きや深化があったように感じました。

今回のコンサートでは、デビュー前にカバーした楽曲も盛り込まれました。構成を話し合う中、昔の思い出を振り返ったであろう2人の姿を想像すると、胸が熱くなりました。コンサートづくりは、30年近く前に出会った2人が積み重ねてきた時間を尊ぶ機会にもなったのではないでしょうか。

強固な絆で解散説をふっしょく

MCで盛り上がる2人も印象的でした。元々KinKi KidsのMCは長尺で知られていますが、記者が取材した15日の公演ではトータルで1時間半に及びました。時間がオーバーしていることを気にする剛さんの横で、「この話していい?」と話し足りない様子で話題を振る光一さん。たわいもない話に子どものようにはしゃぐ光一さんと剛さんこそ、2人で公演ができたことに喜びを感じているようで、会場には多幸感が漂いました。

最近、ネットニュースなどではKinKi Kidsの解散報道も見受けられます。しかし、公演を通じて、安定した実力とともに強い絆や友情を見せつけ、そうした報道をはねのけてくれました。コンサート終盤、光一さんは「今こうして2人が並んでいるということがすべて」と述べ、隣で真剣な表情でうなずいていた剛さん。今回はソロコーナーもなく、まさに2人でステージに立つことを強調した唯一無二の公演でした。

KinKi Kidsはジャニーさんの死去以降、楽曲を提供し、舞台やコンサートの演出を手伝うなど、後輩をサポートすることも増えています。「今」を受け入れ、自分たちがなすべきことを考えながら進む2人。頼もしい2人から、ジャニーさんの教えを継承する覚悟や、未来への明るい希望を感じずにはいられません。

(読売新聞東京本社 山村翠)

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