本当は迷惑!? 職場の飲み会「子連れ参加」のマナー

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忘年会に新年会と、職場の飲み会が多くなるこの時期。子どものお迎えなどがあって普段は出られないというワーママの中には、この時期ぐらいは飲み会に参加したいという人も少なくないようです。最近は社内保育施設の増加もあってか、お迎え後にそのまま子連れで飲み会に参加するワーママやワーパパが珍しくなくなり、「子連れ歓迎」をうたった飲み会を開く会社も出てきています。その一方で、ネット上に「子どもを大人のお酒の席に連れて行くのはいかがなものか」といった批判的な声が上がることもあります。子連れで職場の飲み会に参加する場合、どんなことに気をつけたらよいのでしょうか。

周囲の本音は「参加を控えてほしい」?

ずは、会社勤めをしている都内在住の男女数人に、子連れで職場の飲み会に参加することについて意見を聞いてみました。

30代の会社役員の男性は、飲み会の席に子どもを連れてくるのに賛成の立場です。「『子どもがいるから出られない』と遠慮されて参加人数が減るよりも、子連れOKにしてみんなが参加できる方がいいと思う」と話します。

こうした意見がある一方で、辛口な意見もありました。都内の60代の管理職男性は、子連れ参加は反対だと話します。「会社の飲み会というのはいろんな立場の人がいて、例えば、子どもを産めなかった女性もいます。子連れで来た人には悪いですけど、あまりいい雰囲気にならないことがあるんです」。女性活躍や子育て世代の働きやすさに注目が集まる昨今なので、表立っては言えないものの、子連れでの飲み会参加は控えてほしいというのが、この男性の意見です。

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同じく都内で働く20代の女性からは、こんな本音が聞かれました。「お子さんはかわいいのですが、子どもが来るとどうしても話題がお子さんの話になりがち。チームの士気を上げるための飲み会のはずが、ぜんぜん仕事の話ができずに終わったことがあります。ワーママさんたちが大変なのも分かるのですが、こちらは時短で帰るワーママやイクメン社員の尻拭いをしている気分になっているのも事実。普段もそうで、飲み会の席でまでお子さんに気を使わないといけないのかというのが、正直ちょっと……」

このほかにも、「子どもがいると、タバコが吸えない」といった意見も聞かれました。忘年会や新年会は、それぞれ年に一度の親睦の場。参加者が不愉快にならずに過ごすためには、どのようなことに注意したらよいのでしょうか。

幹事におうかがいを立てるのが礼儀

青山学院大学非常勤講師で、ビジネスマナーの授業を担当するマナー研究家の福島由美さんは「まずは幹事に『子連れで行っても大丈夫ですか?』と、おうかがいを立てるのが礼儀でしょう」と話します。もともと招待状に「子連れ歓迎!」などと書かれてある場合を除き、必ず聞くのがマナーだと、福島さんは言います。

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さらに福島さんは「会場によっては、高価な装飾がある所や、子どもの入場を歓迎していない所もあります。子どもが来ることを想定していない会場の場合、連れて行くのが危険なこともあるからです」と指摘します。例えば、大きな壺が飾ってあったり、テーブルがちょうど子どもが頭をぶつけやすい高さだったりと、会場のしつらえ自体が子ども向きにはなっておらず、ケガをする心配があるそうです。

「幹事さんは『子連れでもいいですか?』と聞かれた時、子どもが来ては危険だと思われる会場の場合は、その理由をきちんと伝えて、子連れを控えてもらうのもいいでしょう。また、子ども連れでもぜひ参加してほしいという場合は、会場選びの段階で子連れOKの場所を選び、お店の方にも何歳くらいの子どもが参加すると伝えておくといいです。他のお客様の迷惑にならないように、離れた席にしてくれるお店もあります」

また、どのようなタイプの飲み会なのかも大きく関係すると、福島さんは説明します。「自分の部署だけの小規模な飲み会と、外部の方を招いての大規模な飲み会では意味も違います。特に外部の方を招いての飲み会の場合は、こちらはホストになりますから、子連れでの参加は控えるのがよろしいかと」

子連れで参加するかどうかを決める時、最も大事になるのが、子どもの年齢と性格です。乳児のうちならば、泣いた時だけ席を外すことも可能ですが、歩き始めている幼児の場合、歩きたがっているのを静止して座らせておくのは、子どもにとってストレスが大きく、親も結局、子どもにばかり気をとられてしまい、飲み会に参加している気がしなくなることもあるそう。

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「こうなると、親も子どもも、そして周りの人たちも不快な思いになりかねません。幼児期のお子さんが騒ぎ始めたら、何とか静かにさせて最後まで付き合うのではなく、お先に失礼するのがマナーですね」

ネット上では「飲食店で子どもを野放しにしている親が目に余る」といった意見もよく目にします。多くのワーママが気をつけていても、たった一人の子連れママの心ない言動によって、子連れママみんなが連帯責任のようにバッシングを受けてしまうことさえあります。お互いが相手を思い合える関係を保つためには、親しい職場の人たちとの飲み会にも、一定のマナーは必要なようです。

(取材/フリーランス記者 宮本さおり)

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宮本さおり(みやもと・さおり)
フリーランス記者

 元地方紙記者。結婚により退社、主婦歴15年。5年間の専業主婦生活を経てフリーランスのライター・記者に。夫の転勤帯同で地方、海外含めて6回の転居を経験、その間、2人の子どもを授かり「子育ても仕事もダブルに楽しむ」をモットーに地道に執筆活動を続けている。バリキャリでもゆるキャリでもない「ナチュラルキャリア」の拡散を願い、自らも実践にチャレンジ中。