忘年会スルー、職場の飲み会に参加したくない理由

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職場の忘年会に参加しないことを意味する「忘年会スルー」が、ネットで話題になっています。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」にも、忘年会にまつわる悩みが多く寄せられています。会費の高さやアルコールが苦手という意見のほかに、2次会なんてゴメン、という声も。うまく断る方法はないのでしょうか。専門家に聞いてみました。

全員出席は「暗黙のルール」?

「忘年会のことで揉めています」と題する投稿をしてきたのは、トピ主の「薄毛」さん。

職場では飲み会の参加費を全員で毎月積み立ててきましたが、この積立金が底をつき、今回の忘年会については「1人7、8000円のコースを予約したので、半額分は自己負担を」と言われました。幹事が決めた会場について「そんなに高い会場でやる必要がない」などと欠席を希望する社員が出ているそうです。

「強制参加ではありませんが、長年の暗黙のルールで、できれば全員参加が望ましいんですが……」とトピ主さんは考えています。

このトピに対して、多くのレスが寄せられました。

「悪い習慣だと思う」と答えた「うーん」さんは、「正直つまらない行事に大金を払いたくない」と言い切ります。「ペクペクII」さんも、「会費が高いから参加しないというのは、十分立派な理由だと思いますけどねえ」とレス。一方、「ゆきこ」さんは、「私なら今回はしゃーないと思って参加します」と寄せました。

ほかにも、発言小町には忘年会にまつわるトピが、いくつも立てられています。

「会費が6000円もして驚愕きょうがくしました。どうせなら自分の大切な人たちと豪華なものを食べたいです。みなさんの会社の飲み会の会費がいくらか教えて」(「りん」さん)

「お酒を飲む席が嫌いです。欠席すると告げるとお局が、これも仕事のつきあいじゃないの?と意見してきます」(「転職組」さん)

「昔から飲み会を楽しめない性格でした。面白い人の席にみんなが移動するので私はぼっちです。会話に入れないのも、入るのもつらいです。私と似たような方、飲み会をどう乗り切っていくのか教えて下さい」(「タンバリン」さん)

「二次会は捕まらない限り帰ります。そうすると、『朝まで飲んで睡眠時間0だろうが、次の日何事もなかったように仕事をして一人前だ』等、説教されます。私はお酒が強くないので酔えないし、体力もないので本当に苦痛です。つまらない飲み会に朝まで参加するくらいなら、朝まで仕事をして残業代をもらえた方がまだマシだと思ってしまいます。私の考え方はゆとりですか?」(「もん」さん)

いわゆる「飲みニケーション」が苦手だったり、参加費を高く感じたり……出席したくない理由はさまざまですが、「暗黙のルール」や「仕事の一環」だからという断りづらい雰囲気を感じ、悩んでいる人も多いようです。

強制参加の飲み会は「仕事」

そもそも、職場の飲み会は「業務」なのでしょうか。

社会保険労務士の庄司英尚さんは、「『強制参加』と明示された飲み会は業務ですが、任意の場合は業務ではありません」と話します。

庄司さんによると、会社が業務命令として参加を強制する場合は労働時間になるので、労働時間外に開かれる場合は残業代をもらえるのが基本。任意の場合は仕事ではないため、本来なら断っても問題はないといいます。

ただし、「強制参加というと残業代が発生してしまうため、会社としては表立っては言えないのでしょうが、参加はしてほしい。そうして暗黙のルールができて、断りづらい状況が生まれているのではないでしょうか」と庄司さんは推測します。

会費や労働時間外の拘束といった負担を減らそうと、ケータリングサービスを利用して勤務時間内に社内で飲み会を開いたり、社内にあるレストランやバーで開催したりする企業もあります。庄司さんは、「『仕事は仕事。私生活も大事にしたい』とはっきり線引きする風潮が広まりつつあります。企画する側も、社員が参加したくなる工夫を凝らすのが大切です」とアドバイスしました。

理由はササッとシンプルに

そうはいっても、どうしても参加したくないときはどうしたらよいのでしょう。ビジネスマナー講座などを手がけるクリエイト(東京)の講師・松尾明さんに、「断り上手」になる方法を教えてもらいました。

松尾さんによると、三つのポイントがあるのだとか。

<1> まずは感謝の気持ちを伝えること
<2> 「出席したいが、できない」ニュアンスをにじませること
<3> 出席できない理由を、具体的に短く伝えること

まずは「お誘いいただきありがとうございます」と誘ってもらった感謝の気持ちを丁寧に伝えましょう。そうしたら、相手も悪い印象を持つことはあまりないでしょう。お断りのフレーズは、「出席することがかないません」「出席が困難です」など、会の趣旨には賛同しているように配慮することが必要です。

また、出席できない理由は、「娘の送り迎えがあって」「実家に帰らなければならず」など、家族の予定を伝えるのが効果的。年末年始の飲み会シーズンは、「以前からの先約が入っていて」と伝えるのもいいかもしれません。松尾さんは「いずれの場合も理由をこまかく説明してしまうと、ウソをついている印象を与えるおそれがあります。一番大事なのは『誠意を持った言葉遣いや態度に気を付けること』」と強調します。

「『欠席するのも自由でしょ』という気持ちが表れてしまうと、相手も良い気持ちはしません。そういった態度や言葉遣いさえ間違えなければ、気まずくならずにお断りすることができると思います」と松尾さんは教えてくれました。

年末年始は、クリスマス会、忘年会、新年会と飲み会が目白押し。企画する側と参加する側、どちらもみんなが快く過ごせるような気配りが必要なのかもしれません。

(取材/読売新聞メディア局編集部 安藤光里)

【紹介したトピ】
忘年会のことで揉めています

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