家庭トイレに自動照明、普及でズボラになる?

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人感センサ付き トイレLEDライトの施工イメージ(大光電機株式会社・提供)

室内照明などを自動的につけたり消したりする「人感センサー」が普及してきました。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」にも、トイレの照明をセンサー式にしようか迷っているという人からの投稿が寄せられています。最近は、電球自体にセンサーの付いた商品も登場。トイレなどに取りつけると、人がいなくなると自動で消灯するので、消し忘れがなく、スイッチの掃除も不要なことから重宝がられているようです。でも、問題はないのでしょうか。

トピ主「まあさ」さんは、トイレの照明をセンサー式にするかどうか迷っていて、「センサー式にすると、(トイレに)長居していると消えてしまうという話も聞くし、それがストレスになるものなのでしょうか」と発言小町で尋ねました。

自動点灯は楽で便利

この投稿には約20通の反響がありましたが、自宅の新築時などにトイレの照明をセンサー付きのタイプにしたというケースが目立ちます。「もうすぐアラカン」さんは「夜ドアを開けるだけで明かりがつくから便利ですよ。勝手に消えてくれるから消し忘れもないし。(うちでは)玄関の外、内、廊下、階段の上など、つまりそこに長居しないところは全部センサーにしました」と言います。

「屁理屈親父」さんも「拙宅は2階建てで二つのトイレをセンサー式の照明にしていましたが、2階のトイレをほとんど使用していなかったので、脱衣所にセンサーを移動させました。楽ですよ」と教えてくれました。

写真はイメージです

スイッチの掃除も不要に

「たねまる」さんも「トイレでセンサー式のものを利用しています。もともとは普通のスイッチでしたが、引っ越してきてから夫が『試したい』といってセンサー式に取り換えました。結構便利です。スイッチを触らないので、そこの拭き掃除は不要という利点も感じています」と語っています。

トイレに長居すると照明が消えてしまう問題は?

トピ主さんが心配する「長居すると照明が消えてしまう」点については、実際、そのような体験をしている人がいました。「動くものがない=誰もいない、とセンサーは判断します。だから、手をヒラヒラさせたりして、動くものがある=誰かいると知らせれば、すぐにきます」と説明するのは「めんどくさがり」さん。「ささ」さんも同じく「消えたら手をパタパタするだけです。居ますよーと」とコメント。トイレの個室で、センサーに向かって手を動かして自分の存在を知らせる様子はちょっとユーモラスですね。

生活情報サイト「All About」の美容家電ガイドで、生活者目線から白物家電・美容家電の記事を執筆している家電ライターの田中真紀子さんに聞きました。

家電ライターの田中真紀子さん

賢く選びたい、人感センサー付きの照明

「LED電球の先にセンサーが付いた商品も登場し、人感センサー付きの照明器具は急速に普及している感じです。まだトイレにいるのに突然明かりが消えてしまう問題については、少しずつ暗くなることで消灯を教えてくれる商品や、微動でも感知するセンサーを搭載したものも出てきています」と田中さん。

ただし、センサー付きの電灯の節約効果については疑問があると言います。「いくら安くなったとはいえ、設備費やLED電球代のほうが高く、節約できる電気代を上回る場合もあるでしょう。むしろ、人の動線を楽にするアイテムと考え、ポーチや玄関、廊下などと同時に導入したらいいと思います。安全対策上も、玄関先が人感センサーになっていると、ほっとしますから」と田中さんは強調します。

普及率は約2割? 自動で電気がつく暮らし

廊下のコンセントなどに差し込むだけで自動点灯する「SOAIY センサーライト」

電通が2018年12月に実施した「スマートホームの利用実態からポストスマホを考える」と題するウェブ調査によると、「人の気配で電源が自動的にON/OFFする」住宅設備を利用したことのある人は、全体の24.9%、「人の動きや個人を認識して、自動で電源がON/OFFする」住宅設備を利用したことのある人は18.1%。自動で電気がつく暮らしが徐々に普及しつつあることがうかがえます。

センサー慣れで浴室消し忘れも 

自宅のトイレ2か所と洗面所、廊下、台所、玄関内と外をセンサーにしたという「秋」さんからは、こんな意見も。「子供が小さく、トイレのスイッチに手が届かなかったことから導入したんですが、センサーに慣れてしまった子供たちが、センサーではないお風呂場の電気を消し忘れます。最近では主人までもが……」

トイレのほか、洗面所と玄関の内側、階段をセンサー付きの照明にしたという「なまけもの」さんも「発端はスマートスピーカー。照明を声でつけたり消したりできるようになって、ものぐささが増してしまったんです。洗面所なんて照明どころか暖房すらセンサータイプです。我が家で残っている照明スイッチは浴室くらい。おかげで浴室の電気の消し忘れ率は高いです。まったく省エネじゃないですね」と指摘します。

田中さんは「便利な家電製品が出てくると、必ず『人間をズボラにする』という議論が出てくるんですが、私は機械に頼れるところは頼るのが合理的だと思います。センサー付き照明も、次々と新しい製品が出ているので、スペックをよく選ぶことですね」と話します。

人の気配で反応するセンサー付きの電化製品。利用者に戸惑いを与えながらも、徐々に定着していることだけは間違いないようです。(読売新聞メディア局編集部 永原香代子)

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トイレの電気

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