女性にブームの白湯を自動販売機で見かけない理由

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人気モデルや女優が「美しさの秘けつは?」と聞かれ、「白湯さゆを飲んでいます」と答えるケースが目立ちます。冷え性の改善やデトックス効果があるといわれ、健康にも美容にも良いとされる白湯。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」にも「自販機にお湯はないのかなぁ」と題する投稿が寄せられました。確かに、出先で白湯を飲みたいと思っても、コンビニの店内にも自動販売機でも見かけません。その理由を飲料メーカーに聞きました。

トピ主の「泉」さんは、「自販機などにお湯のペットボトルはないのかしら。(自販機に)冷たいお水はあるし、店舗に室温のお水は販売されているのに。お茶とかの隣にあったらうれしいけどね。何かの都合で無理なのか、それとも既に販売されているのか。ご存じの方、教えていただけますか」と発言小町で問いかけました。

美や健康を追求、ブームに

コンビニには、ホットレモンやお茶など温かい飲料を置くホットドリンクコーナーがあるし、自動販売機にもお汁粉や缶コーヒーなどの温かい飲み物が売られていますが、トピ主さんの指摘する通り、お茶と並んでお湯を売っているところは見かけません。 この投稿に、30通余りの反響がありました。

「ぴー」さんからは「私も白湯が一番好きで、さらに夏でも常温より冷たい飲み物は苦手です。なのでお茶だけではなく温めたペットボトルのお水がどこでも買えたらどんなに良いかと思います」と熱望します。「おじさん」からも「ホットのミネラルウォーターがあってもよさそうですね。私は、出先でお湯が欲しい時は、某ファストフードで紅茶を頼みます。お湯とティーバッグを別でくれるので」という体験談が寄せられました。

「もうすぐ赤ちゃんが産まれるのでお湯の自販機出て欲しいですね。自分の飲み物もお湯メインになるので」(「ひよこ」さん)という意見もありました。

温度管理に難?

一方で、「一口にお湯と言っても、何に使うのかによって必要な温度が違います」と慎重な意見も。「味のある飲み物ならば、多少期待した温度と違っていても飲めますが、お湯はそうはいかないのでは? 飲むのに適した温度と、お茶やコーヒーをいれるのに使う温度。それぞれ違います。お湯の使用目的は様々です。温度管理が出来ません。中途半端な温度の温かい水に多くの需要があるとも思えません」(「ゆうやけ」さん)と分析しました。

実際、白湯ブームを受けて、大手飲料メーカーの伊藤園とアサヒ飲料の2社は、温かいミネラルウォーターをペットボトルで販売したことがあるのですが、現在は販売していません。その理由を聞いてみました。

ホット飲料は激戦、白湯の需要少なく

写真=かつて販売された、「あたたかい天然水(左)」(伊藤園提供)と、「富士山のバナジウム天然水ホット」(アサヒ飲料提供)

 

「伊藤園」は、2007年10月に「あたたかい天然水」という商品を発売しました。広報部の田口紋菜さんによると、「健康や美容を気にされる方々のお声に応えて発売し、喉のケアを気にされている方や、サプリメントを白湯で飲用される方から評価をいただきました。しかし、全体としての販売数量が思わしくなかったため、翌年08年のホット飲料需要期までの販売となりました」と言います。

白湯の飲用については「朝起きてすぐ」が効果的と言われ、外出先での購買がそれほど伸びなかったこと、また、白湯に限らずホット飲料は品質管理上、コンビニなどでの加温状態での販売が2週間程度と短いことも苦戦した理由だそうです。「ホット飲料の売り場面積が限られる中、飲用者が少ない商品でラインアップを増加させるのは品質管理や販売オペレーションの面から見ても難しいというのが現状です」(田口さん)。

アサヒ飲料では、14年11月に、ダイエット目的や、体を温めたいという女性をターゲットに、ローソンで温かいペットボトル入りのミネラルウォーター「アサヒ 富士山のバナジウム天然水」を販売しましたが、こちらも現在は販売されていません。なぜなのでしょうか。

「今でも、健康意識の高い方から『白湯』の要望をいただくことはあります。一部のお客さまから『待ってました』という声があがる一方で、全国で展開するほどの需要はありませんでした」(アサヒ飲料マーケティング本部の宮本敬文さん)。

白湯は、“ミネラルウォーターをそのまま温めた商品”と思われがちですが、これについては両社とも違うと指摘します。「ホット飲料は、加温できるホット専用のペットボトル容器です。自動販売機でのホット飲料の温度は、だいたい55度前後に設定されます。赤ちゃん用ミルクに使用する場合は、厚生労働省が70度以上での調乳を推奨していますから、たとえ(温かい天然水を)販売しても、ミルクを作ることはお勧めできません」と宮本さんは話します。

需要が多くなれば当然、メーカー側での再販売はあるのでしょうが、現状ではなかなか難しいというのが両社の感触でした。

マイボトル派だという「MONEY」さんからは、「ペットボトルで白湯を買ってもすぐに冷えますよね。真空タイプのボトルはずっと温かいですよ。何よりエコで、今話題のプラ削減につながります。マイボトルをお持ちになってはどうですか」というアドバイスもありました。白湯を水筒に入れて持ち歩く、パーキングエリアに備え付けられたウオーターサーバーで白湯を選ぶなど、当面は自分たちで工夫するしかないようです。

これから寒い日が続きます。体を冷やさぬよう心がけたいですね。

(メディア局編集部・遠山留美)

【紹介したトピ】 「自販機にお湯はないのかなぁ」 

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