「今年の一皿」は「タピオカ」 可能性は無限大

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「たぴりすと。」の華恋さんと奈緒さん

食をテーマにした調査・研究を行っている「ぐるなび総研」(東京都千代田区)は5日、2019年の世相を反映する「今年の一皿(R)」を発表しました。大賞に選ばれたのは「タピオカ」。タピオカ入りドリンクがブームを超えて社会現象になった点が評価されました。

タピオカ入りドリンク(ぐるナビ提供)

「今年の一皿(R)」は、その年に流行または話題になったことに加えて、その年の社会の動きと関係が深く、世相を反映し、さらに食文化の記録として後世に受け継ぐ価値があることを基準に選定されます。飲食店情報サイト「ぐるなび」に蓄積されたデータと、ぐるなび会員への調査から食に関するキーワードを抽出し、メディア関係者らと協力して、その年を象徴する料理を選びます。

過去には、「ジビエ料理」(14年)、「おにぎらず」(15年)、「パクチー料理」(16年)、「鶏むね肉料理」(17年)「さば」(18年)が大賞に選ばれ、消費者にも定着してきました。「タピオカ」の大賞選定理由について、ぐるなび総研の家中みほ子さんは、「地域や年代を問わず日本中を席巻した。「タピる」「タピ活」などの造語もでき、ブームを超えて社会現象化したといえる。特に若年層の支持を受け、彼らが持つSNS上の発信力が支えとなって幅広い層へ広がりをみせた」と説明しました。

スパイスカレー(ぐるなび提供)

今年は「スパイスカレー」「タピオカ」「チーズグルメ」「発酵食メニュー」の四つがノミネートされました。

チーズグルメ(ぐるなび提供)

大賞は「タピオカ」

タピオカ入りドリンク(ぐるナビ提供)

タピオカの主な原料は、キャッサバというイモの仲間で、そのでんぷんを水で溶いて熱を加え、粒状に固めたもの。ミルクティーなどのドリンクに入ったもちもちとした弾力のある粒を太いストローで吸います。台湾発の「タピオカ入りドリンク」は、「SNS映え」すると人気となり、専門店の前には連日若い女性の大行列ができました。「タピる」は、今年の新語・流行語大賞トップ10にも選ばれました。

原料のキャッサバ

準大賞は「発酵食メニュー」

発酵食品は、日本人にとってなじみ深い味噌みそ醤油しょうゆこうじ、ヨーグルト、納豆等の発酵食材・食品を取り入れた料理の総称。2013年には、「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、最近では健康志向の高まりから価値が再認識されています。

発酵食品(ぐるなび提供)

納豆の市場規模が過去最高を記録し、国内で発酵食材を使った飲食店やカフェが増加し、「和食」が訪日観光客が楽しみにしていることの第1位であり、日本の伝統的な食文化が世界にも認められています。

大賞の「タピオカ」を代表して、年間700店舗・1000杯以上のタピオカ入りドリンクを飲むという愛好家で「たぴりすと。」と名乗り、タピオカの魅力をSNSやユーチューブで発信している大学生の奈緒さんと華恋さんが授賞式に登壇しました。

左から「タピオカが大好き」というプレゼンターの隈研吾さん、「たぴりすと。」の奈緒さん、華恋さん

国立競技場や、JR高輪ゲートウェイ駅を手がけた建築家の隈研吾さんから、東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムを作成した、デザイナー野老とこ朝雄さん作の皿「野老盛麻紋様皿 有田焼2019」が記念賞として手渡されました。

日本では明治時代から食べられている

授賞式後のトークセッションには、「たぴりすと。」の2人のほかに、大学院生時代に「日本におけるタピオカ」という論文を発表した、フリーライター/同志社女子大学非常勤講師の長友麻希子さんや、南米でのタピオカブームに詳しい、WEBマガジン「メガブラジル」編集長の麻生雅人さんが登壇しました。

トークセッションに登壇した、左から麻生雅人さん、長友さん、奈緒さん、華恋さん

ココナツミルクに入った白いタピオカのデザートがブームになる前から研究していたという長友さんは「今年はタピオカの(平成以降)第3次ブームと言われているが、実は明治時代から食材として日本に入ってきていて、病人食としても食べられていました」と話しました。

一方、ブラジルの食文化に詳しい麻生さんは「パール状のタピオカ以外にも、フライやクレープ、パン『ポンデケージョ』としても食べられている」と話しました。「たぴりすと。」の2人は「タピオカ入りドリンク以外にもいろいろなメニューに取り入れられていることを知り、勉強になりました」(奈緒さん)「台湾発のタピオカ入りドリンクが、味がかわったり、ドリンク以外のものにも入れたりと、進化しています。可能性は無限大ですね」(華恋さん)とタピオカについて語り合いました。

「環境問題にも取り組んでいます」

「たぴりすと。」の2人が大手小町の個別インタビューに答えてくれました。

――今年の5月にバラエティー番組「マツコの知らない世界」(TBS系)で、ゲスト出演された後の反響は?

華恋さん:すごかったです。商品開発の依頼など、毎日何件も問い合わせがありました。

奈緒さん:取材依頼や、タピオカ、黒糖の生産者の方からも連絡がありました。

――年間1000杯以上、飲んだそうですが、お気に入りは?

華恋さん:今年はもっと飲んでいて、1500杯ぐらい飲んだかもしれません。本場の台湾にも遠征しましたが、お茶がとてもおいしくて、味が際立っていました。

奈緒さん:お気に入りといっても、その日の気分で選んで飲んでいるので、ひとつに決められません。今日は甘めがいいとか、今日は弾力があるものが飲みたいとか。もし、どんなのを飲みたいか言っていただければ、ソムリエのようにご提案できますよ。

――容器のポイ捨てや、ストローのプラスチックごみ問題が話題になりました。

華恋さん:私たちも環境問題には取り組んでいて、まず手始めに、渋谷でゴミ拾いを行いました。

奈緒さん:ストローのゴミ問題にも取り組んでいます。紙製だとふやけてしまうので、冷たさが伝わりやすい、チタン製のマイストローの商品開発をしています。

――来年、タピオカはどうなると予想しますか?

奈緒さん:タピオカを使った食品の中でも、やっぱり私たちはタピオカの粒入りドリンクを基本に味や形が進化していくと思います。

華恋さん:今年の大ブームでお店がものすごく増えました。来年は淘汰とうたされて質の良いお店が残っていくと思います。都会の若者中心にブームになりましたが、地域や年代を問わず、幅広く浸透するといいなと思います。

(取材・メディア局編集部・遠山留美)

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