カスタマイズで私だけの特別なバッグに アニヤ・ハインドマーチ

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来日したアニヤ・ハインドマーチさん(撮影・米田育広)

英国の人気バッグブランド「アニヤ・ハインドマーチ」。デザイナーのアニヤ・ハインドマーチさんが手がけるバッグは機能的で、ちょっぴりユーモアもあるデザインが特徴です。そして、欠かせないキーワードが「パーソナライズ」。個人に合わせて作り替える、変更するという意味の英語です。今やトレンドですが、ハインドマーチさんはその先駆的存在です。

クリスタルでバッグにイニシャルを

スワロフスキーと共同開発したクリスタルのアルファベットをつけられる「クリスタル・ラボ」(ブランド提供)

クリスマスシーズンに合わせて登場したのは、ベルベットのバッグなどにクリスタルでできたイニシャルなどをつけられる「クリスタル・ラボ」。スワロフスキーと共同開発したアルファベットは、レインボーカラーのクリスタルをモザイク状に組み合わせたものです。

10月に東京都内で開催された2020年春夏の展示会では、革製のイニシャルがつけられるかごバッグも目を引きました。

「使う人が好みに仕上げていける製品」という考えは、ハインドマーチさんが1987年にバッグのデザイナーとしてキャリアをスタートさせてから、ずっと大切にしています。

自分だけの特別なもの

来日した際のインタビューで、「例えばイニシャルひとつをつけるだけでも、『自分だけのもの』という特別な思いが強くなります。それは製品を大切にすることにもつながると思うのです」と話していました。

iPhone(アイフォーン)もパーソナライズ(ブランド提供)

2001年に始めた、お気に入りの写真をバッグに転写する「ビー・ア・バッグ」は大流行。バッグやスマホケースにも貼ることができる革製ステッカーは、ステッカーの世界的なブームの火付け役となりました。iPhone(アイフォーン)のパーソナライズやバッグに革のひもで言葉などを編み込んでいく「ウィーヴ・プロジェクト」も。

革のひもでメッセージを縫い付ける「ウィーヴ・プロジェクト」(ブランド提供)

2009年には、ロンドン市内に手書きのメッセージやイラストを刻んだり、写真を入れたりする「ビスポーク(あつらえ)」の専門店をオープン。日本でもビスポークのサービスを展開しています。

「注文を見ると、かわいい子どものひとことや、死期が迫った夫が妻に残したい言葉など、ひとりひとりに大切な思い出や残したい記憶があります。それを形に残す。こうしたストーリーを大切にすることが、何よりのぜいたくでもあります」

5人の子の母親 服はネットで購入

ところで、ハインドマーチさんは妻であり、5人の子どもの母親。さらに経営者でもあり、多忙を極める毎日です。

インタビューに答えるハインドマーチさん(撮影・米田育広撮影)

「服は100%近くネットで買っています。店に行ってじっくり服を選んでいる時間がないし、ましてやいくつかの店を歩いて商品を比較する時間はありません。その点、ネットで取り寄せれば、自宅で試着し、比較もできる。今回の日本への出張の直前にも、靴がほしいと思って3足注文。2足を返送しました。私に限らず、ネットで服を買う女性は多い。私たちの新しいオフィスでも、郵便物を受け取る部屋を広くしました」

働く女性としての日常の感覚を失わず、機能的でユーモアも加味し、持つことが楽しくなるバッグを提案し続けています。

 (読売新聞社編集委員 宮智泉)

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