令和流「ローブデコルテ」 皇后さまらしさを表すスタイル

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「祝賀御列の儀」を終え、赤坂御所に戻られた天皇、皇后両陛下(10日午後3時30分)

10日に行われた、天皇陛下の即位をお祝いするパレード「祝賀御列おんれつの儀」。オープンカーに乗られた天皇陛下は燕尾えんび服に勲章を着用されていました。その隣にはロングドレスに勲章、ティアラを身に付けた皇后さまが笑顔で、沿道に集まったおよそ11万9000人の人たちに手を振られていました。

祝賀御列の儀に臨まれる天皇、皇后両陛下(10日午後2時57分、皇居で)=吉川綾美撮影

襟まわりに花びらのようなラッフルが縁どられたドレスは、1993年のご成婚パレードの際に身に付けられたドレスを思い出すようなデザインで、皇后さまらしさを表しているようです。ご成婚のときは、いわゆるローブデコルテの上にジャケットを羽織り、オープンカーでのパレードに臨まれました。

「結婚の儀」を終えられ、オープンカーでのパレードで沿道の人たちに手を振る皇太子さまと雅子さま。東京・半蔵門付近で(1993年6月9日撮影)
「朝見の儀」を終え、記念撮影される皇太子さまと雅子さま。宮内庁提供 (1993年6月9日撮影)
天皇陛下の即位後朝見の儀のお言葉に耳を傾けられる皇后さま。皇居・宮殿「松の間」で(2019年5月1日撮影)

今回のドレスは、前から見ると一見ジャケットのように仕立てられていますが、後ろの部分が一体化されているもののようです。ヨーロッパの服飾文化に詳しい文化学園大学教授の高木陽子さんは、「誰も介添えがない中で座ったり立ったりするため、ドレスとして常に完璧な形にどんな状況でも見えるように、このようなデザインになったのではないでしょうか」と話しています。

そして形だけでなく、素材にも注目すべきだそうです。「このような場合に着るドレスは、格式のある素材を使っていると思います。おそらく上皇后さまが紅葉山御養蚕所で育てられた蚕の絹を用いたのではないでしょうか。上皇后さまから皇后さまへ託す思いが想像されます」と、高木さん。

色も、日本の絹の質を一番引き立てるようなアイボリー。立体感のある凹凸柄を出すふくれ織りのような地織りの生地とみられます。襟元の飾りの部分には、サテンのような光を放つ織りの花びらもあって、織りで複雑な光沢感を出していると思われます。

ご成婚から26年。高木さんは、「襟もとの花びらのような飾りに見られる“変わらない”皇后さまのスタイルと相まって、そのお姿は輝いて見えました」と印象を語ってくれました。

沿道に集まった人たちに手を振られる天皇、皇后両陛下(10日午後3時21分、東京都港区で)=菊政哲也撮影

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