ピアスの穴をあける人は少数派? イヤーカフの人気が急上昇

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ジャスティン デイビスのイヤーカフ、撮影・田中秀敏

耳にピアスの穴をあける人は、少数派になりつつあるそうです。そこで注目を集めているのが、耳の軟骨に引っかけて着用するアクセサリー「イヤーカフ」。イヤリングのように耳たぶを挟む痛みがなく、自由な位置に華やかな重ねづけをしやすいのが人気の理由です。

20代の女性に向けたネットメディア「ローリエプレス」が5月、読者にピアス派かイヤリング派かを聞いたところ、ピアス派は4割にとどまりました。

その理由として挙がったのが、「耳に穴をあけるのが怖い、痛そう」との声。一昔前は、おしゃれに我慢はつきものという考え方もありましたが、今の若い世代は「無理のなさ、快適さ」を重視しており、「痛い思いをしてまで、穴をあけたいとは思わないようです」(ローリエプレス)。

今回の調査ではピアスについて、「音楽好きなどのサブカルチャー女子があける」「就職に不利そう」と、王道ファッションではないと受け止めている人もおり、ピアスのイメージ自体が変わってきたようです。

ジュエッテ  (撮影・庄野和道)

アクセサリーブランド「ete(エテ)」「Jouete(ジュエッテ)」を展開する「ミルク」(大阪市)の広報担当者は、「10代や20代前半はピアスホールがないお客さんが多い印象です。20代後半からあけている人が増えてくるのでは」と話します。

そこでここ最近、Joueteブランドで力を入れているのが、イヤーカフです。C字状のアクセサリーで、耳たぶを引っ張って差し込み、軟骨を挟むようにして着用します。

1990年代に、パンクやロック音楽のファンやストリートファッション愛好者に好まれたアクセサリーでしたが、数年ほど前から、より一般向けのデザインも出てきました。

片耳だけに着けたり、左右別々のものを着けたり、重ねづけをしたり、コーディネートの自由度が高いのも特徴です。「インスタグラムなどを通じて、すごい勢いでイヤーカフの着こなし情報が広がっているようです」(広報担当者)といいます。

Joueteでは、片耳用をイヤーカフ(中心価格帯6000円~1万円)、両耳分のそろいの物をウェアリング(同1万2000~1万6000円)と呼んで販売しています。今秋は商品数を昨年より5割増やし、売り上げも伸びているそうです。

伊勢丹新宿店でも、「3年ぐらい前からイヤーカフの種類が増えてきて、今年に入ってさらに動きが出てきました」(婦人雑貨担当)。

ヒロタカ(撮影・田中秀敏)

例えば、繊細な石遣いと洗練されたデザインが特徴の「Hirotaka(ヒロタカ)」は、ダイヤやパールを使った、高級感のあるスタイリッシュなデザインで、中心価格帯は3万~4万円台。「一時的な流行ではなく、定番アイテム」(広報担当)として、今後も力を入れていくそうです。

ブランイリス(撮影・田中秀敏)

ボリューム感のあるデザインの「blanc iris(ブランイリス)」も、今年に入ってイヤーカフに力を入れ始めました。シルバー中心でシンプルかつモードな雰囲気で、重ねづけにぴったり。中心的な価格帯は2万8000~3万円台です。

若い世代に人気なのは、ロックテイストを残しつつも洗練されたデザインの「JUSTIN DAVIS(ジャスティン デイビス)」。1万~3万円台を中心に展開しています。

東武百貨店池袋本店へ9月に期間限定出店した独立系デザイナーブランド「anne-li-gatou(アンリガトウ)」が店頭にならべた新商品は、「ママの声から生まれた」という「イヤカフリング JEWEL」でした。

アンリガトウ(提供写真)

年齢を重ねても似合うよう、存在感のある大ぶりの石をセットし、指輪としても使える設計にしました。他にも、手持ちの指輪をイヤーカフに作り替えるリフォームも手がけています。

16年にイヤーカフを発売したところ、子育て世代やその上の世代から、「子どもに引っ張られても安心」「長らくピアスをしないうちに、穴が閉じてしまったので、こういうのは便利」と予想外の反応が。そこで、特に「ママ」を意識した新商品を作ったといいます。

イヤーカフは世代に関係なくおしゃれを楽しめるアイテムのようです。

(読売新聞経済部 庄野和道)