「生きていることがエンタメに」ユーチューバー芸人・フワちゃんがバズるワケ

News&Column

読売新聞が運営する掲示板「発言小町」の20周年を記念し、デジタルネイティブ世代にインターネットでのコミュニケーションなどについて聞くインタビュー企画。2回目は、ユーチューバーでお笑い芸人の「フワちゃん」です。2018年4月、ユーチューブに「フワちゃんTV」を開設。ハイテンションで様々な企画にチャレンジする動画が若い世代を中心に人気を集め、チャンネル登録者数は現在、約35万人に上っています。フワちゃんに、ユーチューブとの付き合い方などについて聞きました。

発言小町、めっちゃ優しい世界じゃん!

――発言小町をご覧になったことはありますか。

あります。以前、洋楽の歌詞の意味を知りたくてネットで検索した時に、私と同じ質問をしているトピを見つけたことがあります。回答しているレスもあったので、参考にしました。

レスの中には「そこまで教えてくれなくてもいいよ」というくらい、曲の背景などを詳細に書いているものもありますよね。発言小町、めっちゃ優しい世界じゃん!

――洋楽はよく検索して調べたりするんですか。

英語に興味があって。洋楽を覚えたい時は、歌詞の意味をちゃんと知らないと頭に入らないので、調べることが結構あります。でも、発言小町に投稿したことはまだないです。

――あいまいな質問に対してもきちんと答えてくれる人がいるのも発言小町の魅力です。例えば、「ホニャホニャ ホンニャカニャンニャンニャン と聞こえる曲」というトピ。曲名とアーティスト名を尋ねたら、見事に正しい答えが導き出されたんですよ。

私もこういうので検索したことある! かわいい! ちゃんと正解が出ているのがすごい。海外ドラマで、直訳すると変な言い回しのセリフってあるじゃないですか。そういう時に、発言小町で聞いてみます。

――発言小町がスタートした20年前といえば、携帯電話が急速に普及してきた時期です。いつ頃から携帯電話を持つようになりましたか。

小学校6年生だったと思います。最初にハマったのは、「モバゲー(携帯向けゲームサイト)」だったかもしれない。アバター(分身キャラクター)を着せ替えたりしていました。

クラスの友達と動画もよく見ていましたね。なんでもない動画の途中で、叫び声と一緒に怖い映像が飛び出してくる動画が、爆流行ばくはやりして。授業中にあちこちのパソコンから叫び声が聞こえてきたから、先生がブチギレていました(笑)。

ネタが覚えられないし、大喜利もできない芸人

――ユーチューバーとしても活躍されていますが、始めたきっかけはなんですか。

元々知り合いだった放送作家の長崎周成が、私のインスタグラムを見たことがきっかけ。私がインスタに上げているコラージュ画像を見て、「画像編集ができるんだったら、動画も編集できるんじゃない」と誘ってくれました。動画は、長崎と一緒に作っています。

――1年半でチャンネルの登録者数が35万人超。今ではテレビ番組に出演し、ファッションイベントにも登場するなど、様々な分野で活躍されていますね。

チャンネルを開設する前からお笑い芸人をやっていたんですけど、元々芸人としての基本的な能力がめちゃくちゃ低いんです。私、ネタが得意でなくて。以前、コンビを組んでいた頃なんか、ネタは覚えられないし、セリフもうまく言えませんでした。大喜利もできないし、面白い特技もない――だから、テレビには出られないと思っていました。

でも、ユーチューブが自由な面白さを集約した存在だったからこそ、今、テレビに出られています。だから、めっちゃ最高、ユーチューブ。絶対裏切らないって思ってる。

――動画のテーマも毎回とても面白いです。どうやって決めているのですか。

1人で考えるのは得意じゃないので、長崎と話し合って決めています。思い返せば、小学校の時も、バレーボールと靴を飛ばす遊びを掛け合わせた「靴飛ばしバレーボールゲーム」とか考えていました。昔から企画を考えたり、新しいゲームを作ったりするのが得意だった。だから、めっちゃ向いている仕事だなって思います。

編集のこだわりは“スキップされない動画”

――動画の編集作業にかかる時間は?

1本に10日間くらいかかっています。編集にめっちゃこだわっているので、時間もかかっちゃうんですけど、後から見た時に、丁寧に作った動画は何回も見返しちゃいます。自分の楽しみにもなるから、制作は全然苦じゃないです。

――編集のこだわりを教えてください。

ユーチューブって「スキップして見る」という文化があると思います。タイトルにひかれてクリックしたのに、内容が楽しくないものってありませんか。だから、動画をどんどん早送りして、結論だけ見る人も多いんです。

でも私は、せっかくクリックしてくれたなら、絶対面白かったと思ってもらいたい。だから、どの場面も楽しくてずっと見ていたくなるような、飛び出るテロップや、イラストを挟むタイミングにこだわります。音選びは、シーンに合う音が見つからずに悩むことも多いです。

――言葉選びやテンポも印象的です。

読み心地の良い文章になるよう、めっちゃ気にしてる。「歩いていたら、あめをもらった。うれしかった」という文章を、あえて句読点を打たずに「あめもらったまじわろた」とつなげることもあります。なんかよく分からなくなってきちゃったけど、名乗らなくても、私が書いた文章って分かることが大事です!

――ユーチューバーの人気が高まる一方で、過激な行動が問題になることもあります。やりすぎないよう、気をつけていることは?

私自身はまだ炎上した経験はありません。でも、「ちょっと怪しいけど、面白いんだよなあ……」と、投稿するか迷うことがあります。そういう時は「やっちゃえ!」ではなく、一日置いてみたり、第三者に聞いたりして気をつけています。

炎上をした本人は、みんなを楽しませたくてやりすぎてしまったのだと思います。でも、「楽しませたい、驚かせたい」という気持ちが、炎上を恐れて消えちゃうのはもったいなさすぎる! 楽しませたいという気持ちを大切にしつつ、配慮を忘れないようにするのが大事なんじゃないかな。

髪形のモデルはビビアン・スー

――ビビッドなファッションも人気の一因だと思います。その美的感覚は、どうやって養ったのですか。

お父さんが元々、アメリカのポップな雑貨を輸入してお店をやっていたんです。だから、昔からそういった感覚はあったのかもしれません。もう一つは、勉強のために「カートゥーンネットワーク」(米国のアニメ専門チャンネル)を見ています。見るたびに「うわ、こんな色遣いあるの!?」とかいろいろ発見があります。

――個性的なスタイルが、タレント・篠原ともえさんの90年代後半のファッションに似ていると思うのですが、「シノラー」と言われることはありますか。

めっちゃ言われる! 幼稚園のお遊戯会で、篠原さんの曲を踊ったことがあるんですよ。一緒に踊ったみんなは、もうシノラーじゃなくなってしまったけど、あの時の唯一の生き残りが私。ちなみにこの髪形は、タレントのビビアン・スーさんを参考にしています。とりあえず、温故知新。

アイフォンさえあれば、どこででも仕事ができる

――今後の目標を教えてください。

目標は「出たかった番組の制覇」。出演したい番組の筆頭は、「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)です。制覇した後も継続して活躍するために、要となるのがユーチューブ。ゆくゆくは海外に住みたいから、海外の見たことないようなことを動画にしたら、みんなも楽しいし。

ユーチューバーだから、それって実現できるんです。アイフォンさえあれば、どこに住んでいてもいいんですよ! そのメリットは最大限に生かさなきゃ。いずれ、私が生きていること自体が、エンタメになったらいいなと思っています。

(聞き手/読売新聞メディア局 安藤光里、撮影/田中昌義)

【あわせて読みたい】

きらめく星のなったん、「自分は失敗作じゃないんだ!」SNSで見つけた居場所

フワちゃん
ユーチューバー/お笑い芸人

 東京都出身。ワタナベエンターテインメントに所属してコンビを組んでいたが、解散後、フリーの芸人として活動している。2018年4月にユーチューバーデビュー。登録者数は、約35万人。「ウチのガヤがすみません!」(日本テレビ)、「ゴッドタン」(テレビ東京)などに出演。