きらめく星のなったん、「自分は失敗作じゃないんだ!」SNSで見つけた居場所

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読売新聞が運営する掲示板「発言小町」が10月、20周年を迎えました。この20年で私たちの情報収集やコミュニケーションのあり方は大きく変わりました。デジタルネイティブ世代にウェブでの発言やコミュニケーションについて聞きます。初回は人気インスタグラマーの「きらめく星のなったん」さんです。7月、初エッセー「待ち人来ずってなんなの 私から会いに行くからお前が待ってろよ」を出版。SNSを始めたきっかけや、インターネットとの付きあい方について聞きました。

「文才がすごいギャルインスタグラマー」と話題

きらめく星のなったんさん(なったん)は、画像投稿サイト・インスタグラム(@nattan0504)の投稿が、「文才がすごいギャルインスタグラマー」とネットニュースで話題になり、フォロワーは一般人にもかかわらず、約20万人にも上ります。オシャレなデート画像に添えられた、クセ強めのコメントとのギャップが面白いと人気で、フォロワーから寄せられた人生相談にもキラーワードで返し、若者を中心に共感を呼んでいます。インターネットとの付きあい方や、人気インスタグラマーとしての原点を聞きました。

――発言小町はご存じですか?

はい、知っています。有名ですよね。質問を投稿したことはありませんが、調べ物を検索していたら、よく引っかかるので何度か利用したことがあります。回答がとても的確で、役立っています。今回のインタビューのお話をいただいたときも、「あ、あの発言小町だ!」と思ってうれしかったです。

――インスタの文章はクセが強めですが、実際にお会いすると、かわいらしい印象です。

よく言われます(笑)。

――7月に初のエッセー「待ち人来ずってなんなの 私から会いに行くからお前が待ってろよ」(KADOKAWA、1200円+税)を出版しました。4刷だそうですね。 個人的には、「たとえ泣いて終わった一日でも、昨日より得たものはあるだろう。今日より最高な過去なんて存在しない」という言葉が心に響きました。読者からの感想や反響は?

ありがとうございます。「元気が出た」とか「前向きになれる」など感想をいただきました。不登校の子からも「自分は間違っていなかったんだ」とエッセーを読んで思ってくれたとのことで、うれしかったです。恋愛に悩んでいる人からも「相手にどう思われているかばかり気にしていたけど、どう思われてもいいや、吹っ切れた」と言われました。文字にすることによって、自分自身に言い聞かせている部分もあるかもしれません。

――現在のお仕事は?

高校を中退後、沖縄から上京し、しばらくアルバイトをしていたのですが、その日暮らしじゃいけない、ちゃんと職を見つけようと思いました。数社の面接を受け、現在は都内のクリニックで医療事務として働いています。

――家族構成は?

沖縄に母と兄がいます。近くに祖母が住んでいます。幼い頃、父を病気で亡くしました。

――ハンドルネーム「きらめく星のなったん」の由来は?

仕事が忙しすぎて「星」になりたいなと思ったとき、それじゃいけないと思って「星のなったん」に「きらめく」をつけました。

――先日、帰省した際に地元紙のインタビューも受けたそうですね。

「琉球新報」さんに取材してもらいました。

――どんな子供でしたか?

いじめとかはなかったのですが、小3から中3まで、登校、不登校を繰り返し、協調性がなく集団行動ができなかったので、クラスから浮いた存在になっていました。幼少期から疑問を持つと「『なんで?なんで?』のなったん」と言われていて、心の中で自問自答する日々でした。物事に対して理解できないと、苦しくなってしまいました。自分で納得しないと、人に合わせることができず、いつの間にか学校生活からフェードアウトしてしまいました。

自分は「失敗作」じゃなかった

――自分を変えたきっかけは?

当時は友達とのプリクラ交換がはやっていました。あとブログもはやっていました。自分が学校生活になじめないときに、文章を書くことが好きだったのもあり、日常の出来事を盛大なストーリーにして、ブログに投稿していました。それを読んだ人に「おもしろい」とコメントをもらって、自分は人に合わせるのは苦手だけど、逆に、自己表現をするのは得意なのかなと思うようになりました。「私、“失敗作”じゃないんだ」と。一気にパーン!と開き直れたのではなく、徐々に前向きになれるようになりました。SNSがひとつのきっかけかもしれません。面と向かって言葉でうまく言えないことも、文字に起こすとちゃんと、頭の中が整理できます。SNSだけではなく、文章で自分自身を発信できるようになったことで変わってきたのだと思います。今は、ポジティブな性格になったと思います。

――中学の国語の先生からも影響を受けたとか?

文章を書くことが好きで、夏休みの読書感想文は何枚でも書けました。それと中学の時の国語の先生が、体当たりで心の授業をしてくれる人でした。先生から、「あなたは自分でも分からない感情を文章として表現する才能にけているよ」とほめられ、うれしかったです。自由に好きなことを書いて表現してもいいんだと思い、いつかライターになって文章を書く仕事をしてみたいと思うようになりました。

――ライターを目指すために、実際に何か行動をしましたか?

文章を書く仕事をしたくても、どうやったらなれるのか方法がわからなくて、「ライター募集」の記事を見つけては、あちこちに投稿したり、メールを出しまくったりしました。でも、ほとんど返信はありませんでした。あるテーマのコラムを書いて投稿したのですが、採用されたとしても、原稿料は1本500円とか……。

――SNSの使い分けは?

インスタは「おしゃクソ」(インスタ映えする)写真。ツイッターはその時に思ったことを投稿しています。SHOWROOMは動画の生配信で、閲覧者から文字で送られてくるコメントや相談にその場で答えます。多いときは、4000人の閲覧者が見てくれることがあります。

――将来、結婚や出産は考えていますか?

全くノープランです。

――10年後は何をしていると思いますか?

今と変わらず、ずっと、笑って暮らしていたいです。人生どう転がっても、楽しくできるマインドが私にはありますし、そうありたいと思っています。

(聞き手:メディア局編集部・遠山留美、写真=本人提供)

きらめく星のなったん
きらめく星のなったん(本名、年齢非公開)
インスタグラマー

オシャレな写真と投稿に添えた文章が面白いと人気に。フォロワーは約20万人。2019年7月、初エッセー「待ち人来ずってなんなの 私から会いに行くからお前が待ってろよ」(KADOKAWA、1200円+税)を出版。女性サイト・モデルプレスで人生相談「なったん人生相談 100人斬り!」を連載中。 @natsu0504t/Twitter

「待ち人来ずってなんなの 私から会いに行くからお前が待ってろよ」(KADOKAWA、1200円+税)

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