「訳あり食品」いただきます! 賞味期限切れの商品が激安で販売

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賞味期限が迫っていることを表示している「ルピシア ボンマルシェ」の店内(東京都渋谷区で)

まだ食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らす取り組みが多様化している。賞味期限が近いなど「訳あり品」を販売する専門店が登場したり、売れ残った野菜を安く再販売したり。食べ物を無駄にしないだけではなく、家計の助けにもなりそうだ。

食品ロス削減に、販売手法あれこれ

大阪市のNPO法人「日本もったいない食品センター」は4月、同市内に小売店「エコイート」をオープンした。店頭に並ぶのは、賞味期限が近いなどの理由でメーカーなどが廃棄を予定していた商品。賞味期限切れの商品は、スタッフが試食して問題ないと判断したものを扱う。いずれの商品も通常の2~9割引きで販売している。

店を訪れた杉本久美子さん(51)が購入した健康食品は、通常は6480円なのが450円。「安く手に入るし食べ物を無駄にしないのは大切」。会社員男性(49)は「家にある食べ物も、賞味期限が切れていてもすぐ捨てるわけではない」と気にしない様子だった。

同法人代表理事の高津博司さんは、経営する商社の取引先から賞味期限が近い食品の買い取りを持ちかけられたのを機に、インターネット販売をスタート。ネットを使えない人たちにも知ってもらおうと、NPO法人を設立して店の運営を始めた。高津さんは「店に並ぶ食品は捨てられるかもしれなかったもの。そうした現実を知り、家庭にある食べ物をもう一度見直してもらいたい」と話す。

お茶の専門店「ルピシア」が展開する店舗「ルピシア ボンマルシェ」も、賞味期限が近いお茶や菓子などを安く販売。昨年からは代官山店(東京)で、賞味期限が切れたものを1個20円で販売している。店を訪れた女性は「家計にもやさしく、食品ロス削減にも貢献できる」と笑顔を見せた。

食品ロスに詳しい消費生活アドバイザーの井出留美さんは「こうした店が増えることで、『この日まではおいしく食べられる』という賞味期限の本来の意味を考える人が出てくることが期待できる。食品ロスに興味のない人が問題を知るきっかけにもなる」と話している。

売れ残り野菜を安く再販売

東京都中央区で7月、前日の青空市で売れ残った野菜などが、会場周辺の会社で社員向けに安く再販売された。その一つで建設コンサルタント会社「建設技術研究所」では、社内の休憩スペースに販売ブースが設けられ、社員が2~5割引きの水菜やゴボウなどを手に取った。

再販売を企画した一般社団法人「Tokyo Good Manners Project」理事の水代優さんは「今後は売れ残り野菜をピクルスなどに加工して販売することも提案したい」と話す。

備蓄用のパン、海を渡る

賞味期限が近づいた備蓄用のパンを、海外の飢餓対策に活用するケースもある。

パンの缶詰で知られるパン・アキモト(栃木県)が販売するパンの缶詰セット「救缶鳥」は、自治体などが防災用に備蓄し、賞味期限まで半年になったものを、新しいものと引き換えたうえで回収し、海外の貧しい地域に支援物資として送っている。年間約12万缶を販売し、大半が支援に充てられているという。(読売新聞生活部 福島憲佑)

パン・アキモトの救缶鳥